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挿絵(By みてみん)


家は暗く、誰もいませんでした。


あるいは既に葬式の準備ぐらい

してるかとも思いましたが、

部屋の中は拍子抜けするぐらい何事も無く、

ただただ、静かなだけ。


両親はどこだろう。


台所はまったく火の気配がありません。

流しの周りももきれいで、

一日二日は使ってない感じ。


ま、私が失踪してもう四日になります。

捜索に駆けずり回ってるか、

あるいは警察にでも行ってるのか。


夜中になれば帰ってくるかな。


たぶん、げっそりと疲れた顔をして、

肩を落としながら帰ってくるんだろうな。


どうせ七日ぽっちで消えるんなら、

両親に謝っておこうかな。

あんまりいい娘じゃなかったけど

最後の最後ぐらいちゃんと感謝して、

おわかれを告げるのが

いいんだろうな。


家に帰ってほっとしたのか

誰もいないのがよっぽど寂しかったのか

なんだか物憂げな気持ちが

どんどん広がってきます。


自分の部屋に入り、ベッドに横になって。


読みかけのまま放り出した小説とか

友だちから借りっぱなしのCDとか

全部、時間が止まったまんま。


もうちょっと片付けておけばよかった。


ここにあるいろんな秘密も

(手帳のアレとかパソコンのアレとか)

みんな親にバレちゃうのかな……。


死ぬほど恥ずかしい気もするけど、

死んでるんだからどーでもいい。


ホント、どーでもいい。


挿絵(By みてみん)

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