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早朝、
農家のトラックの荷台にゆられて町へ。
うまくバスをつかまえ、ようやく駅を発見。
ローカル線の本数の少なさに辟易しながらも
なんとか乗り継ぎを重ね、
なつかしの我が町へ少しずつ近づいていきます。
しかしこうやって町中を歩いてみても、
意外と他の幽霊を見つけることはできません。
もうちょっと日常的に
人は死んでるような気もするんだけどな。
あえて死亡数の多そうな老人に注目しながら
帰途を急ぎましたが
ついぞそれっぽい存在は見かけませんでした。
幽霊同士は互いに見えないとか?
幽霊さーん!と叫びたくなったけど
さすがに自重します。
そう。
幽霊は人に声をかけてはいけないって!
死神が言ってました。
幽霊にできるのは自分をふりかえることだけ。
決して生きてる人に話しかけてはいけない。
一言でも話せば、
その時点で魂は消滅する。
消滅する。
消えて、無くなる。
…………。
なんだかしらないけれど、
幽霊も色々めんどくさいのかもしれません。
幽霊は予想以上に孤独で、
寂しい存在。
かみしめます。
やっと我が駅。我が町。
家が近づき、駅を降りて
いつものバス停に向かいます。
もう夕方。
下校時間の真っ只中。
あ、いっちゃん!
声が出かけて、あわてて口を押さえて。
………。
……………。
言葉の代わりに、
涙がポロポロと。