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ナナス先生の妖精講座

11/30 誤字等修正

「その時、私は確信したのです。

 テプタ様こそが、この村の女神なのだと」


ミゲルさんの話はまだ続いていた。

彼の話によると、テプタちゃんがこの村に居ついたのは5年前の事。

それまでも、近くの森などで妖精の姿はちらほら目撃されていたらしい。

けれど、村に住み着いた妖精は彼女が始めてであり、

それと同時に、村では作物がよく成長し、動物も倍以上捕れる様になった。

妖精が住み着くと幸福が訪れるという昔話もあるらしく、村の皆が彼女を大切にしているそうだ。

あと、ミゲルさんは彼女と初めて会った時に一目惚れしたらしい。

その情報は一番いらない。


なお、『鑑定』したところ、現在ミゲルさんは21だった。

やっぱ、ロリコンじゃん。

ともかく、現状、近づこうとすると警戒されるらしく、それをどうにかしたい。

村長の跡継ぎとしての立場もあるので、テプタちゃんと仲良くなりたいとの事。

まあ、ミゲルさんが抱えてる感情は崇拝に近い物みたいだし、教えるのは構わないんだけど。

そもそも、どうして、あの子に懐かれてるか分からないんだよなー。


「それで、テプタ様と仲良くなる方法、教えて頂けますかな?

 もちろん、謝礼はお支払いいたします!」


ほほう、謝礼とな?

そこまで言われちゃ、仕方ないな。


と言う訳で、なぜなにナナスくん、はじまるよー! ほぼデタラメだけど。



「まず基本として、自分から仕掛けてはダメです。

 妖精さんは構って欲しい時は、自分からよってくるものです。

 むしろこちらが構って頂く、の精神でありがたく思うべきです」


「なんと、いや、確かに仰る通りかもしれませんね!」


「次に偶にでいいので、テプタ様への食事を貴方が用意する事。

 作れとまでは言いません、運ぶだけで大丈夫です」


「た、確かによく食事を運んでいるマーサには、割と懐いています!」


「更に、妖精さんは臭いに敏感です。お風呂は日に4回入りましょう。

 あとちょうどいい機会ですし、体重も落しましょう。それから……」



そういった感じで、ミゲルさんに色々アドバイスしておいた。

まあ、半分は犬猫に対する接し方で、もう半分は身だしなみに関する一般論だけど。

願わくは、これで女性にモテるようになって、ロリコンを卒業できますように。



さて、早速だが謝礼を頂いた。

といってもお金とかじゃない。

お風呂に入ってもいいとの許可を頂いたのだ。

本来なら、友人や招待した客人、監査に来た役人くらいにしか貸さないらしい。

長男権限でオッケーを出してくれた、ミゲルさんに感謝である。


ミゲルさんの貸してくれた入浴セットを手に、お風呂へ向かう。

入浴セットといっても洗面器とかではない。

まずは真っ白い着物のような物。

なんでも、こちらの風呂はこれを着て入るらしい。

日本の温泉じゃ考えられない話だ。

次にアカスリセット。

これは小さい白い壷に入った謎の液体と、クツベラと鎌を合わせた様な器具一式だ。

謎の液体を体に塗って、曲がったクツベラでこそぎ落とすという使い方をする。

それから青い小壷と赤い小壷が一つずつ。

いい匂いのするオイルで、湯上りのマッサージに使うそうだ。

帝都ではアカスリからマッサージまで、全て専用の奴隷が行うのですよ。

と、ミゲルさんが自慢げに言っていた。



教えてもらったドアを開けると、そこは脱衣所になっていた。

棚状の場所に荷物を置き、服を脱ぐ。

ああそうだ、このローブも繕っておかないと。

袖の破れとか酷いし。

下着姿になったところで、ふと悩む。

このまま湯着を羽織って風呂に入るとして、下着はどうするんだろう?

ノーパンで服のみ身に着けるのか、下着は着用するのか。

うん、脱いでおこう。

そう考えてパンツを脱いだ時だった。


突然、風呂場側のドアがバタンと開かれた。

あ、これアカン奴や。

思わず、関西弁になっちゃう位ヤバい。


「ママー!」


「テプタ様! お風呂で走ったら危な、い……」


嫌な予感は的中し、湯気と一緒に奴が飛び出してきた。

全裸の幼女は濡れた体をそのままに、こちらに抱きついてくる。

そして、続けて出てきたマーサちゃんがこちらを見て固まっていた。

彼女は湯着姿だったけど、白いソレは濡れて肌に貼りつき、色々と透けている。


ああ、やっぱり下着は着けないんだね。

いろんな意味で覚悟を決めながら、俺はそんな事を思った。

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