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出会いときっかけ

・・・・・


目が覚めると、時刻は午後3時。


「結構寝ちまってたのか・・・」


俺は、ぼさぼさの髪をかきむしる。


「それにしても、やけにもやもやする夢だったな・・・」


てかどんな夢だったっけな・・・


しばらく考えたが、思い出させないので、とりあえず鏡で寝癖を直すことにした。


髪がいい感じに決まったので、ちょっとかっこつけたポーズをしてみる。


でもそこに移ってる自分は、どこか不安そうな顔をしているのに気づいた。


そこで思い出す。


それは、友の事だった。


山田・・・・


俺は、鏡の前で、がっくりと頭を下げる。


俺は、お前と仲直りしてえよ。


今まで、お前とはいろんな事があった・・・。


******************


「おい山田。また人が落とした金盗みやがって」


5人の不良グループが山田に絡んでいた。


山田は、必死で拾った500円を握りしめ


「落ちていたものに、俺のだとか誰のとかそういう権利はない」


怯むことを知らない山田は、思ったことを口にするからその反発は大きかった。


「ふざけてんのかてめえは?」


山田は、首を横に振ると、力強く言った。


「ふざけてない。拾ったのは俺なんだから、もうこれは俺のものだ」


そんな事を言ったもんだから、当然のごとく不良どもを完全に怒らせてしまった。


山田は、5人を相手に怯まず戦うが、叶うわけもなくボロボロにされた。


俺は、その姿を見て、なんて馬鹿な奴なんだろう・・・


そう思った。


一言言ってやるか。


そう思って、俺はボロボロにされ、ぶっ倒れてる山田に聞いた。


「お前何がしたいんだよ?」


山田は、ぼそっと言った。


「俺は、正しいことを言っただけだ」


俺は笑ってしまった。


こいつドンだけ馬鹿なんだろう・・・・


もう正直馬鹿すぎてウケた。


「いやいや、あれはお前が悪いだろ・・」


「悪くない。あれは落ちてたものだから誰のものでもない」


「小学生か・・・お前は・・・。」


こいつホント自分の考えを曲げねえな・・・。


でもそこが面白いな・・・


山田は、独り言のように言った。


「俺には、どうしてもやらないことがあるんだ」


「へえ。言って見ろよ。」


山田は、少し考えた後行った。


「今年で、8歳になる妹が俺にはいるんだ。妹はプレイステーツベータが欲しいって言ってるんだ。でもうちは貧乏だからそんな金はない。」


その顔はとても真剣なので、笑いが止まんなくなってきた。


「お前、あれ15000円以上すんのに、500円取るのに命がけで、しかも取れず終いじゃねえか・・・」


ああ・・・こんな馬鹿ドラマとかでしか見たことねえ。


俺は大爆笑した。


すると山田は、拗ねた。


「笑うなら笑えよ。俺みたいな奴はバイトにさえ雇ってもらえないんだ・・」


これがまた俺の笑いを加速させた。


「お前さ・・・俺を殺す気かよ?」


「そんなつもりはない」


俺は、吹き出す。


こいつ面白いな。


俺は山田に手を差し出した。


山田は意味が分からないような顔をしていた。


「お前の妹のプレゼントについては俺も協力してやるよ」


「本当か?」


「その代わり、今日から俺の友達になってくれ」



**************


懐かしいな・・・・


こんなこともあったな。


床を見てみると、なんか曇ってて見えなかった。


俺は、目をこする。


そこで気づく。


「はは・・・。何で泣いてんだよ俺は・・・。かっこわりぃ」


そう思って何度も涙を拭うが、涙は滝のようにあふれ出た。


「停学期間が終わったら、謝ろう・・・。」





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