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仲間だからこそ・・・

山田は、ふらつきながらもなんとか踏ん張る。


こっちを鬼のような形相で睨み付ける。


その顔は、燃えてるんじゃないかというほど、赤かった。


俺も負けじと睨みつける。


そしてイライラをぶつけてやった。


「いつもいつもかっこつけた事言って調子乗ってんじゃねえよ!痛いんだよバーか!」


山田は、カチンと来たような表情をすると、言い返してくる。


「いつも見た目ばっかりにかっこつけて、何でも中途半端なお前に言われたくねえよ!!」


俺たちのケンカを気づいた奴らが止めにきた。


俺は怒りに任せて、


「うっとうしいんだよ」


蹴りを放った。


邪魔者を近寄らせないために。


すると山田は、鼻で笑い


「見るに耐えられないほど、滑稽だな。止めに来てくれた奴に敵意を向けるなんてよ」


山田は、羽交い絞めにされて、止められていた。


俺はそれを見て逆に鼻で笑い返す。


「笑わせんなよ。弱い奴がただ強がってるだけだろうが!!」


俺は、もう一発殴るために殴りに行こうとしたが・・・


くっ・・


動かねえ・・・


俺の殴りに行こうとした右手の後ろから捕まれていた。


さらに後ろから抱きつかれ、後ろに引っ張られる。


俺は、気が抑まってないので、暴れた。


「山田。てめえは殺してやる。そうじゃねえと気が済まねえ!!」


「お前みたいな弱虫に殺されるほど、俺は弱くねえ!」


周りがもうやめろと止めるのも聞かず言い合った。


もう周りなんて見えないほど、俺たちは本気でぶつかり合っていた。


「俺のどこが弱虫なんだよ?」


「全てだ。一回の敗北ぐらいで、自信喪失してんじゃねえよ!!そんなの負けにはいらねえだろ?」


「うるせえよ!どんなことでも負けは負け。落ち込むのは当たり前だろ?」


「落ち込んで、お前のように楽して済まそうって考えが弱虫なんだよ!!」


「もういい加減にしろ!!」


大声でそういったのは、担任の柴田だった。


あまりの大声の迫力に、俺と山田は二人そろって沈黙する。


柴田は、落ち着いた声で言った。


「お前らは、一週間頭を冷やせ。」


俺たち二人は、そう言われ、停学させられた。



「ふざけんなよ・・。ちくしょー!!」


俺は、椅子を蹴り飛ばす。


もう荒れるに荒れていた。


「なんで停学なんかになるんだよ?悪いのはあいつだろーが!!」


一日経っても俺の怒りは抑まる事なんてなかった。


それどころかよりいっそう怒りの炎は、迸っていた。


「楽したいって思うのは、人間共通の考え方だろうが・・・」


近くにあったスーパーボールを思い切り壁に投げつけて、怒鳴った。


「何が間違ってるってんだよ?意味わかんねえんだよ!!」


もう昨日から一睡もしてないのもあり、頭がクラクラしてきた。


おいおい・・・・


俺の怒りは、こんなもんじゃ・・・


強烈な睡魔が急に襲ってくる。


目が開けようとしても開かない。


もう力が入るどころか抜けて、視界が暗くなった。


俺は、ここから長い夢を見ることになるのだった。


それは懐かしい懐かしい記憶のそこに眠っていたもの。





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