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サレナム

 神戸でも埒が開かないと、香織夫婦は夫の実家のある福岡に疎開した。

 そこは海辺のリゾート地。義理の両親は喧嘩をしたことがなく、想像を絶するほど温かい家庭だった。香織は、ここの布団でのみいつまでも熟睡することができた。


 香織と夫は、海岸を歩いた。ふっくらした紳士的なコートを着て柔らかい表情の夫の写真を、香織は何枚も撮った。烏賊の甲やハリセンボンが、海から風に飛ばされて浜辺にいくつも転がっていた。夫はそれを拾って投げ、香織は珍しくて写真に収めた。

 そして夫は枯枝を集め、火をつけた。ネットにこんな写真載せちゃ駄目だよ、と言いながら、夫は苦労しながら枝を集め、何とか火を大きくした。

夫は火を見るのが好きだと常々言っていた。

 気が済むと、夫は転がっていた空き瓶で水をかけ消火した。香織には何もかもが新鮮で楽しかった。もうすぐ桜の季節だった。

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