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償い

祖父から父に連絡が行ったのであろう。夫は埼玉の家の廊下で、電話口で謝っていた。


信頼が最も重要だと、香織の母親は教えた。

信じてるからね。

それが、香織を縛る縄であった。


信じてたのに!信じてたのに!信じてたのに!

香織はそう言って泣き叫んだ。

夫の落ち度はただ一つ。

香織の信頼を裏切ったことだった。



香織は、昔精神の病に冒されて、結果的に夫と結婚した。

病める時も健やかなる時も共に過ごすことを誓いますか。

はい、誓いますと彼は大きな声で宣言し、花嫁のおとなしい声に不満すら漏らしたのだ。

その誓いを破る事を、彼は想定したとしても口にしてはならなかったのだ。

夫は、それを電話口で香織の父親に謝った。

すみません。はい。言うべきではありませんでした。これからも、香織さんと、はい、よろしくお願いします。


香織は、知らない土地を彷徨する夫を心配して、6歳下の従弟に慰められていた。

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