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7話

ガキンッ!


「うわっと!」


私とマナはゴブリンの攻撃を防御、または回避しながら地道にHPを削り続けていた。


ゴブリンも格下のはずの相手が思ったよりも粘り、焦れたのか攻撃も荒くなりさらに回避がしやすくなる。

いい感じにイライラしてるねぇ、そろそろいいかな?


そう思った私は、ゴブリンの攻撃を防御した後、とてもわざとらしくよろけてみせる。

『うわっとー』と気の抜けるような言葉も添えておく。

普通なら絶対に罠か何かだと思うようなわざとらしさだが…。


『ギィィィィィッ!』


ゴブリンには絶好のチャンスに見えたようで喚きながら大振りで殴りかかってきた。

よしきた!


「マナ!」


「待ってました!」


ゴブリンが私に意識を集中させたことで、フリーになったマナがゴブリンを横からおもいっきり殴りつける。


「どっせぇぇぇいっ!」


『グギャウッ!』


ドゴォッ!っと鈍い音がしてゴブリンがうめき声をあげ怯んだ。


ゴブリンのHPのバーを確認すると、もう残すところあと僅かで赤く点滅している。

いける!


「トドメっ!」


私は怯みから回復していないゴブリンをナイフで切りつけた。


『ギィィィィ!』


ゴブリンが大声で叫んだ後、光の粒子となって消えた。


「やったぜナギにゃんっ!」


「やったね、マナ。」


マナとハイタッチをし、勝利を祝った。



□□□□□□□□□□□□□□□



【ヒィィィヤッホォォォォォウ!】


戦闘終了後、無駄にハイテンションな声が頭の中で響いた。


「何事っ!?」


「あ、レベルが上がったみたいだね。」


「え、今のファンファーレなの!?」


「そうだよ斬新だよねー。」


斬新とかそういうレベルで済ませていいのだろうか。


「最初はうざいって意見が多かったけど。慣れてくると一緒に叫ぶ人もいるくらいだよ。」


個人的にはそんな奇声より【三三七拍子】鳴らしてくれたほうが無駄にテンション上がるのだが。

まぁ、そんなことよりだ。


「まだゴブリン1体しか倒して無いよね、早くない?」


「普通ならね。ただゴブリンはレベル、武器、防具が全部初期のまま倒す敵じゃ無いんだよ?経験値も格上の相手だと補正がかなり入ってうまうまなんだよ。」


マナが【ステータス】を開き成長を確認しているようだ。

私も見習って自分のステータスを確認する。


「【ステータス】。」


---------------


ナギハ

LV:2

次のレベルまであと274(76/350)


HP :40→42

TP :20→21

STR:8→9

TEC:4

VIT:4→5

AGI:5→6

LUC:6


---------------


レベルアップ時用の表示なのか普通と違い簡易で変化がわかりやすいものになっていた。

ありがたい。


ふとマナがステータス画面を見て悩んで居るのが目に止まった。


「どうしたの?」


「ん?クラスボーナスの何にポイント振ろうかなって思ってさ。ナギにゃんもポイント振ったら?」


いやーどれ伸ばすかほんとに悩むよね、【打撃強化】を先にするか【STRボーナス】のレベル上げるか…いやここはまず【格闘マスタリー】をもう少し伸ばすか。

とマナに同意を求められたのだが。


なんぞそれ。


「何って、クラスボーナスだよ、ナギにゃんもあのお爺さんから貰ったでしょ祝福(クラス)。レベルアップでボーナスポイントが貰えるからそれを使って自分のクラスのボーナス要素を選んで強化できるんだよ。」


マナは、『ステータスのクラスから弄れるよー。』と言い自分の作業に戻った。


あーあのお爺さんか。そう言えばなんか貰ったな。


てかあれ今日のことなのね…もう色々あり過ぎたからかはるか昔に感じるよ。


しかしアレだ、私祝福(クラス)は確かに貰ったけど、選んでないぞ?


私はステータス画面に意識を戻し、クラスの項目をみる。



クラス:



うん、空白だ。


貰ったはずだけど何も無い。私のクラスは無職か何かか?


不況の煽りがまさかゲームの世界にまで…ってんなわけないか。


私はあらためてクラスの項目に注目すると【空白】をタッチできる事に気づいた。


【空白】をタッチすると。



---------------


剣 士

魔術師

武闘家

芸術家

機工士

獣使い

薬 師

博 徒 

農 家

神 官

召喚師 

冒険家

 忍 

・・・

・・・  

・・・  

・・・ 

---------------



大量のクラスが表示される。


いやー多くてどれを弄るか悩むわー、とかそう言うレベルじゃない。


え?こういうものなの?

いやいやマナの反応からして貰った時に選んだじゃーん?

ってノリだった気がする。


「マナさんや。」


「なにー?」


クラス(祝福)ってさ、一人1個だけだよね?貰えるの。複数とかないよね?」


「んー、そもそも他のゲームで言うところのジョブシステムみたいなものだから無いんじゃない?。もしかしたら後で実装されたりするかもしれないけど、今のところ複数とかは聞いたこと無いかな。」


「だよねー…ありがと。」


マナは『んー?』と考えていたようだが、少しするとまたステータスを見て悩む作業に戻ったようだ。


あー、アレ(カード)って全部持ってったらダメだったのか。


どうするか、このままクラスが空白だと間違いなく目立つやん。


そう思った時。


【ポン!】という音とともに大量に表示されていたクラスが全て消え。


1つのクラスが表示された。




---------------


【トリックスター】


自由で型にはまらずあらゆる可能性を持つクラス。



【クラスボーナス】

HPボーナス

TPボーナス

STRボーナス

TECボーナス

VITボーナス

AGIボーナス

LUCボーナス

斬撃強化

刺突強化

打撃強化

火炎強化

氷結強化

雷撃強化

暗黒強化

神聖強化

万能強化

剣マスタリー

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・

---------------


どうやら手持ちの全てのクラスが纏まって新たなクラスになったらしく。

クラス:【空白】からクラス【トリックスター】となった。


確かにクラスが【空白】と【トリックスター】であるなら後者のほうがまだまし(目立たない)であるが。


【トリックスター】ってあまり良い意味で使われないよね。たしかに色々とルール(秩序)を破ってる感はあるけどさ。


うー、と少し悩んだがなってしまったものは仕方が無い。


諦めて、ボーナス振ってしまおう。


えーと・・・4ポイントあるから。



□□□□□□□□□□□□□□□



【○○ボーナス系】はレベル式で1~10まで振れる。レベルが上がるにつれ上昇値も割合で増えていくもの、小数点以下切捨てで最低でも+1。

【○○強化系】はその行動時に与えるダメージが1.2倍になる。条件を満たすと【強化】→【激化】と進化する。

【○○マスタリー系】は、一部の武器や防具、スキルは、前提条件として【○○マスタリー】がなければ装備・取得することができない。最大10レベル。

【其々のクラス系】色々ある。


4個目の説明は諦めた、だって多いんだもの種類…クラス特有のものやらなんやらが大量にある。



□□□□□□□□□□□□□□□


結果。


HPボーナス 【 1/10】(10%)

AGIボーナス【 1/10】(10%)

剣マスタリー 【 1/10】(剣装備可・剣での攻撃時にダメージ上昇)

経験ボーナス 【 1/10】(経験値取得量増加:5%)(仲間にも適応)


悩んだがにすることにした。


特に経験ボーナスはいいものだ、仲間(パーティ)にも効果があるみたいだしうまく使おう。


それに経験値が増えればすぐにレベルが上がりポイントも入ってさらに強化が早まるのだ。


決定ボタンをタッチしボーナスを確定する。


---------------


ナギハ

LV:2

次のレベルまであと274(76/350)


HP :46/42+4

TP :21

STR:9

TEC:4

VIT:5

AGI:6+1

LUC:6


---------------



よしよし、ちゃんと上がってる。

私は満足しウインドウを閉じた。


「あ、ナギにゃん終わった?」


どうやら待たせてしまったようだ。


「うん、ごめんね待たせちゃった?」


「んーん全然、ただねナギにゃん。」


「何?」


「囲まれちゃった。」


「へ?」


『『『『ギャギャギャギャギャ』』』』


周りを見ると怒ったゴブリンの群れに完全に包囲されていた。


マナは『いやーそういえばゴブリン死ぬ間際に【大声】で叫んでたし仲間呼んでたんだね。』

いやー失敗したねと頬をかきながら。



私のほうに良い笑顔を向けてきた。



嫌な予感がする。


「ナギにゃん。」


嫌だ。


「また肉壁(タンカー)よろしくっ!」


「やっぱりか!ていうかせめてルビ逆にしてよっ!」


「なんのことやらー、ほらほらくるよっ!」


くそ!あとで覚えてろっ!


私は肉壁(タンカー)としてまたがんばるのであった。

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