25話
仕事とかモンハンとか討鬼伝とかスマブラとかやってたりしてたら更新遅れました。
はたして見てくださっている方はいるのでしょうか。
「あら、アンタ達『クリエ』に用なのかい」
私達が『クリエ』であろうガラクタの山の前で途方にくれてるとおばちゃんが話しかけてきた。
「はい……と、言いますかココがクリエで合ってるんですね」
できれば間違いであって欲しかったのだが、無情にもおばちゃんから帰ってきた言葉は肯定を示していた。
「あっはっはっは、初めて見たらまぁびっくりするわよねぇ。ただまぁ間違いなくココが雑貨屋クリエよ」
『雑貨屋クリエ』
親方さんに頼み、生産道具を扱う店を紹介されて来てみたら雑貨は確かにあるようなのだが商品として扱っていると言うよりは軒先にうず高く積み上げられているだけにしか見えない。
いや、実際積んであるだけなんじゃねぇかなコレ。下のほうにあるであろう鍋や釜なんてこれどうやって取るんだよ。
いくら雑貨とはいえこの雑さはやばいんじゃないだろうか。
「それにしてもタイミング悪いわねぇ、今店主出かけてるのよ」
「そうなんですか?」
ゲームなのにアイテム屋の店主が不在であるというのに多少の違和感があるが他にも突っ込みどころしかないこのゲームの仕様の中ではまともな方であろう。
まぁ、不在なのであれば仕方が無い。
店主の帰り待ってあらためて来ることにしよう。
「あ、ちなみにいつ位に戻られるかわかりますか?」
「んーそれがねぇ、なんでも採取にいける場所が増えたからって事でいま東のデンジャの森に行っているらしくっていつになるかわからないわよ?」
「うえ・・・まじですか」
はて、どうしましょうか。
店主が居ないのであれば出直すしかないのだが出直すにしてもいつ帰ってくるかわからない(ゲーム的にどうなんだそれ)状態ではそれもなぁ・・・。
「むぅ、どうするよ」
「そうですね・・・いっそのこと私たちも行っちゃいますか?」
行くって何処に・・・あぁデンジャにか。
そういえば自分達が開放したエリアなのにまだ一回も行ってなかったな・・・。
「そうだね、暇だし行ってみる?」
「はいです!」
――――――――――
おばちゃんと別れ私たちはデンジャに向かう準備をする。
「『掲示板』ではなんか結構難易度が高い(初期にしては)らしいですがナギハさんなら大丈夫だと思います」
「んー、そりゃ物理なら大丈夫だとは思うけど昨日魔法喰らったら結構痛かったからなぁ・・・」
その辺はどうなの?とアヤにたずねると。
「えーと、今現在わかっていることですが、なんでも出てくるモンスターは虫や植物らしくって。両方とも主な攻撃方法は物理攻撃、あと稀に状態異常の『毒』を引き起こすスキルを使ってくるらしいです」
「毒?」
「はいです」
毒、毒ねぇ・・・そういえば状態異常ってまだ喰らったことないわね。
「ちなみに状態異常『毒』になっている最中は『継続的にHPが減少し視界がなんか狭くなる上になんか動きづらい』らしくて、しかもその視界が狭くなった状態でもともと視界の悪い森での戦闘なのでさらにヤバイとのことです」
「えぐいわねそれ」
「はいです、ただまぁうちは大丈夫じゃないですかね?丁度いいことにナギハさんの装備に何故か耐毒が付加されてますからゆゆーだとと思いますよゆゆー」
んー確かにその情報どおりなら私は余裕・・・もといゆゆーっぽいかもしれないけど。
「私はそれで良いとしてアヤはダメなんじゃないの?」
私が当然の疑問を聞くと。
「その点も問題ないです」
キリッと効果音が流れそうな顔をして自信満々に応えるアヤ。
「と言うと?」
私がいったいどうやってその問題を解決するつもりなのかとアヤにその続きを催促すると。
「ふふん、まず私はご存知のとおり錬金術師ですからポーションを作成できますのでHPも状態異常も回復可能です」
うん、確かに初級とはいえアヤはポーションを作れるね。
実際私のインベントリにはいまだに手付かずの解毒ポーションが残っているわけだし。
「それに、先ほど買っていただいた装備のおかげで防御や各種ステータスの底上げも出来ましたので即死はまず無いでしょうからその間に・・・」
「その間に私がやれと」
「はい、ナギハさんに頑張ってもらいます。 あ、もし毒を私が喰らったら・・・」
「あぁうん、ポーション使えばいいんでしょ?前に貰ったのもまだあるからそれ使うわ」
私が了解了解と軽く返していると・・・。
「はい、お願いします。 口移しになるので少し不安だったんですがナギハさんに了解を取れて良かったです。」
なんか下種い笑顔でいいやがった。
「はい?」
「さーて一番の懸念材料も無くなったところでそろそろアイテムとかの準備やギルドで依頼がないかのチェックとかしましょうか、急ぎましょうナギハさん!」
「おうウェイトウェイト、ちょっと待とう?」
今にもギルドに向かって走り――逃げ出そうが正しいだろうか――アヤのパーカーのフードをつかみそれを阻止する。
「なんですかナギハさん、作戦は決まったんですからもう後は行くだけですよ?」
「いや一番の問題だと思われていたものが解決したと思ったらその裏から、そうたとえるなら魔王を倒したと思ったら実は大魔王が居るんですよプギャーって言われた気分なんですけどぜひとも説明してくれませんかね!?」
「何をです?」
「口移しのくだりについて」
私が聞くとアヤは「あぁ」と何でもなさそうにつぶやいたあと。
「すみませんでした私としたことがうっかりしていました」
うん、うっかりで済ませて良い問題じゃない気もするけどこの際なんでもいいから説明プリーズ!
「つまりナギハさんはあれですよね? 口移しが本番で急にやるのが不安だから練習したいんだけどちょっとそこの宿屋で休憩・・・もとい練習、いやそのまま本番しましょうってことですよね? そういうことなら仕方がありません、デンジャに早く行きたい気持ちも確かにありますが私としてはイキたい気持ちの方がものすっごいありますので・・・よし行きましょう!」
「大体間違ってる・・・っていうか全然違うわ!」
「違うって・・・まさかナギハさんこの場ですか?この場で致すんですか!?流石にはじめてが野外ってのはちょっと・・・あ、なんか興奮しますね?」
「致さねーよ!」
「見せ付けましょう?」
「嫌だよ!」
私たちはギャーギャーと騒ぎながらギルドに向かうのであった。
ポーションの効果の説明ですが。
通常使用時(飲む)→効果100%
体にぶつけるなどしてかける→効果減少
自分以外の他者に飲ませる→うまく飲み込めなかったりこぼした場合効果減少
この効果減少ですが初級ポーション等の品質の等級が低いものだと最悪解毒など出来ない場合があります。
つまり
うまく動けないためポーションが飲めない
うまく飲み込めないからいけない
つまりこぼさないようにうまく飲ませて貰うしかない
口移せばいいじゃないか(力説)
という超アヤ理論になっています。




