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22話

さてと、何処に行きますかね?


適当にブラブラして件のプレイヤーの目に止まりやすいようにするのも一興だが。


ぶっちゃけ見つからないのなら見つからないで問題も無いし、あんまりにも目的が無いのも飽きる。


それにアヤだけなら兎も角、私の場合ブラブラしているとなんか変なのに絡まれる可能性がおおいにあるので考え物である。


まぁ、目的を持って行動していても絡まれるときは絡まれるのはどうしたものか。


「と言いますか、メイド服(そんな格好)じゃあ絡んで下さいって言ってる様なものだと思うんですが」


「ですよねー」


でもメイド服(コレ)脱げないんだよね。


リリィにあの部屋から出してもらう条件で一日着ているように言われたこのメイド服。


試しに装備を変えようにもまるで呪われているかのよように外す事ができない。


いや、実際呪いの類だろうか?


装備欄に『あと二十時間で解除』と表示されているし。


てか1日ってリアル時間でじゃなくてログイン時間で計算なのね……なげーよ畜生。


唯一の救いといったら割と、いやかなり高性能なところだろうか?



――――――――――


メイドセット(頭、胴)


防御+30


耐火耐水耐毒


説明


コレであなたもメイドさん☆


――――――――――




……説明の最後の『☆』に若干イラっとする。


耐火と耐水は家事関連としてまだ理解できるんだけど、耐毒はメイド的にどうなんだよ。


毒を盛ることがあっても盛られる事は無いだろメイドって……あ、毒見か?


因みに、このセットにさらに追加で首輪もつけるとさらに性能が上がりますよ!と何処の通販番組だと言わんばかりにもの凄くいい笑顔でリリィに迫られたが全力で遠慮しておいた。


あの笑顔は絶対にろくなものじゃない。


まぁ、今日は無理だろうけど明日には外せるだろう。


「さりげなく今日明日で20時間はプレイする気のナギハさんに私はびっくりですけどねー」


あー聞こえない聞こえない。


「……そうだ、装備といえばアヤ。あなたの装備(それ)初期装備じゃないの?」


「あー、ですねー」


私が全力で話をそらしたところアヤがすげーやる気の無い返事をくれやがる。


確かに私の話のそらし方も悪かったが「ですねー」って。


初期装備だと防御低いだろうし新しいの買わないのかよ。


「んー、防御が低くて大変だと思うことなくレベルがここまで上がっちゃったってのもありますが。生産職なんてパーティでもソロでも装備に回すお金なんか最後ですよ。パーティなら前衛に装備買ったほうが効率的ですしソロならそもそも死に戻り覚悟の特攻ですし。」


いやまぁ、そうなんだろうけどさ。


「じゃあ一緒に狩った時に結構渡した気がするけど全然足りなかったかな?」


「有料の生産スペース借りたり足りない素材や器具を買うことも考えると全然ですねー」


「まじすか」


生産は最初が辛いとはいうがこりゃまた『箱庭』でも大分きついみたいだな。


「んーじゃあ私が代金出すから装備買おうよ、ついでに買えたら生産に必要な道具もさ」


それならいいでしょ?と私が提案すると「いや、流石にそこまでは……」と遠慮してきたが。


「いいから、アヤのためも有るけど私のためでもあるのよ?不意打ちや私のガード抜けた攻撃があったとき防具が貧弱で死にました、じゃあやってらんないでしょうに。それに、初期装備のままだと間違いなくまた勧誘来るわよ?」


「ううー……わかりました。」


私が理解しろといわんばかりにまくしたてると渋々ではあるがアヤも了承をした。


まぁ、あとで絶対に返すという一点だけは譲らなかったのだが。


別にいいのに。


「よし、じゃあ装備とか見て回りましょう」


「はいです」


それじゃあまぁ、とりあえず『金床』にでも向かいますか。」



――――――――――



「おう、吸血鬼の嬢ちゃんじゃねーか!って、なんだ嬢ちゃんそんな格好して。冒険者辞めてメイドに仕事変えたのか?」


『金床』に着くと早速とばかりに親方さんが今最高にホットな話題であるメイド服(私の服装)にツッコミをくれた。


「んにゃ、この格好は訳ありなだけで仕事は変わってないよ。」


「どんな訳があればそうなるのかわからねーけど……まぁ仕事が無くなったらいつでも言えよ?嬢ちゃんならすぐ雇ってやるよメイド服(その格好)なら客引きになるからな」


ガハハと笑う親方に「考えておきます」と答えて話を進めることにする。


「まぁそれはそれとして、親方さん今日はアヤの装備を見繕って欲しくて来たんだけどある?あとできたら生産器具売ってる店を教えてくれると助かるんだけど」


私の隣で「へー」と店内を見回しているアヤを親方に紹介する。


「ふーむ、エルフで錬金術師でねぇ……とりあえずエルフの嬢ちゃんよう、コレ持てるか?」


親方がカウンターから小ぶりなクラブを取り出してアヤに手渡すと。


「……ものすげー重いんですけど」


アヤがメイスの重さにフラフラとしているので慌てて手を貸してアヤを支える。


ついでにクラブを受け取るのだが。


「ちょっと大丈夫――って軽いなおい!むちゃくちゃ軽いじゃんコレ!」


「まぁ吸血鬼の嬢ちゃんなら軽いだろうよ。しっかしアレだな、クラブ(これ)でダメなら後はナイフか杖しか無いんじゃねーかな」


むぅ、ナイフか杖かぁ……追加効果があるならともかく普通のものならわざわざ買う必要ないかな?


「アヤどうする?」


「んー、と言うかですよ」


「うん?」


まだ少しフラフラしながらアヤが喋り出す。


「武器じゃなくて防具買いにきたんじゃなかったですか?」


「……」


「……」


「嬢ちゃ「親方、防具ある?」お、おうちょっと待ってろ」


まぁ武器はアレとしてだ。防具だよね防具、うん。


何やらアヤと親方から何か言いたげな視線が私に刺さるが気にしないことにしよう。

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