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18話

すみません、ものすっごく更新が遅れました。

「【索敵(サーチ)】。」


私がスキルを起動すると軽い脱力感と共に私を中心とした円形の範囲の敵対、非敵対問わずモブの位置が脳裏になんとなーく分かる様になった。


うーん、便利かどうか聞かれると微妙なのだが【索敵】自体のレベルは1でマスターの様だしこれで限界なのかもしれない。


あとは自身のレベルとTECを上げろと言うことなのだろう。


チラリとステータスを確認するとTPが3減っていた。


この消費が多いのか少ないのか他のスキルを知らないのでなんとも言えないが、今現在他に使うスキルを持っていない私にはどうでもいい話なのだが。


まぁ、普通に考えたら7レベル程度でドヤ顔出来る時期に倍はある13レベルも有るクセに戦闘用スキルを一つも持っていない戦闘職ってあり得るのだろうか?

と考えすぐにそんなはず無いかと答えを出す。


そんな事があり得てしまうと魔法使いなど序盤に生産職と変わらなくなってしまうのだから。


私の場合はどう考えてもトリックスター(特殊な例)のせいだろうし。


選択肢が多いのは利点だが多すぎるのもやはり困りものだな、と他のプレイヤーが聞けば贅沢な!と怒りそうな事を考えつつ私はてこてこ歩いていく。


【索敵】の性能がお世辞にも良いとは言えない為結局近くに行き何者かを確認しなければならないと言う面倒臭さだが。


闇雲に探すよりはマシだし、これでも此方に近づいてくるかどうか位はわかるからね。


とりあえず近場で反応が有る場所に向かってみるとゴブリンが居たのでとりあえず戦ってみよう。


「ていっ!」


『ギャギャギャグギャッ!』


『ギャギャギャギャ』と威嚇してうるさいゴブリンの頭を盾で思いっきりぶっ叩きスタン(目眩)を取って黙らせる、後は適当にレイピアで切り刻むだけだ。


客観的に見るとなかなかに酷いことをしている気がするが気にしたら負けだろう。やらなきゃやられるのだ。


さて、初戦闘の時が嘘だったかの様に簡単に削れて行く敵のHPに何処か虚しさを覚えながらゴブリンの胸部に突きを喰らわせトドメを刺す。


多数ならともかく1対1ならばもうゴブリンは余裕を持って戦えるようになった。


まぁ、多数でもゴリ押しで行けなくは無い気がしてならないけれど。


とりあえず次の反応目指してまたテコテコ歩いていこう。



---------------



【ヒィィィヤッホォォォォォウ!】


【索敵】に反応が有るのはこれで最後のようだ。


なんとも丁度のいい具合にレベルアップもしたようだ。


「ふぅ。」と息を吐きながら額を袖で拭う。


別に汗を掻いているわけでは無いがこういうのは癖みたいなものでついやってしまう。


調子に乗って何体倒したか――10匹倒した辺りから数えるのが面倒になった――分からない位ゴブリンを狩ってしまった。


それもこれも途中で通常個体と違う杖や弓を持っているゴブリンが現れた時があったせいだ。


マナの話では序盤の敵は物理攻撃しか使ってこないって話だったのに……どうやらβからかなりの変更があるようだ。


まさか直撃でHPが二桁も減るとは……気をつけよう。


「さてと……何処だろね、ここ。」


周りの景色は草原のソレからだいぶ様変わりし、ぶっちゃけると森になっていた。


こう言うとさも知らないうちに迷い込んだように聞こえるけど、実際には自分から森に入って迷っただけである。


だって仕方ないじゃないか、だんだんと森の奥に行くようにモンスターが配置されているんだもの。


今考えれば【索敵】を持っているプレイヤーを誘い込んで油断したところをゴブリンの集団で潰す、という罠だったのだろうけど。


参ったな……ゴブリンは問題なかったけれどまさか奥に来過ぎて迷って帰れなくなるとは。


とはいえ、焦っても仕方が無いしここは落ち着いて――「よし、とりあえずレベルアップの確認したら採取でもしよう。」――とりあえず気にしないことにした。


まぁ、なんとかなるだろう。


ポチポチとステータスを更新しながら歩き出すことにした。



---------------

ナギハ

LV:13→17

次のレベルまであと4845(55/4900)


HP :98→122+24

TP :36→42+4

STR:11→14+1

TEC:14→17+1

VIT:12→15+1

AGI:17→20+2

LUC: 9→10


残り0BP


HPボーナス 【 3/10】(20%)

TPボーナス 【 1/10】(10%)

STRボーナス【 2/10】(10%・物理攻撃時ダメージ上昇)

TECボーナス【 1/10】(10%)

VITボーナス【 1/10】(10%)

AGIボーナス【 2/10】(10%・回避時に【無敵・微】)

剣マスタリー 【 1/10】(剣装備可・剣での攻撃時にダメージ上昇)

盾マスタリー 【 3/10】(盾装備可・盾で防御時ダメージ軽減率UP・のけぞり軽減・盾殴り時にスタン効果付与)

白魔マスタリー【 1/10】(杖装備可・白魔術の習得、使用が可能に)

黒魔マスタリー【 1/10】(杖装備可・黒魔術の習得、使用が可能に)

経験ボーナス 【 2/10】(経験値取得量増加:10%)(仲間にも適応)

索敵     【 1/ 1】(範囲や精度は自身のレベルとTECに依存)


スキル:索敵(TP3)



---------------



「そう思っていた時期が私にもありました。」


いったい私は誰に対してこの言葉を発しているのか多少不安になるが今はそんな細かいことは置いておこう。


「やばいかなー暗くなってきたし……。」


あー昼ごはん食べてないじゃん、と思える程度にはまだ余裕があるがどうしたものか。


採取や狩りが思ったよりもはかどってしまって気づけば夕方になろうとしている。


「これは最悪死に戻りになるかなぁ……。」


正直死に戻りは本当に最後の手段にしたい、死亡時のペナルティ(所持アイテムをランダムでロストなど)が有るのもそうなんだけど物理耐性があるせいで死ぬのも大変なのだ。


贅沢な悩みだが今はリアルの身体がピンチなのだ、空腹的な意味で。


そんなことを考えながら歩いていくと何か薄い膜のようなものを通り抜けた感覚があった。


「ん?今のは……それに何故だかここらだけ明るいし。」


よく見れば奥の方はさらに明るくなっているようだった。


イベントや面倒ごとの可能性を考え、一応何があっても良い様に警戒しながら私は光が強い方に進むことにした。


「なんだろコレ……柱?」


そこには眩しく光る柱のようなものがポツンと立っていた。


高さは3メートルほどだろうか、そっと触れてみるとツルツルとした手触りでヒンヤリとしている。


そう思った瞬間、柱がさらに強く光りだした。


「うえっ!何?ってか手が離れないっ!」


慌てて離れようとしたがまるで溶接でもされたかのようにくっついて剥がれない。


『テンソウヲカイシシマス、ヨロシイデスカ。』


「何処にですかねっ!?」


慌てすぎて何故か敬語になってしまった。


私の疑問など意に介さずに喋った柱が今までよりもさらに強く光りだした。


「眩しすぎるわっ! こんなんばっかかこのゲームは!」


ナギハのツッコミが森に響いた後、少しして光が収まるとそこにナギハの姿は無かった。



---------------



光が収まって周りが見えるようになると目の前には相変わらずムカつくほどに光る柱があるが、周囲の風景がガラリと変わっていた。


「ここは……ニノマエ?」


どうやらこの光る柱は転送装置か何かのようだ。


色々と調べてみたいところだが、何やらざわざわと周りが騒がしい上に今はとにかくログアウトしたい。


私はホームに駆け込むとさっさとベッドに横になりログアウトをした。



---------------



昼を抜いたせいで多少ふらふらとしながらも無事に夕飯を済ませることに成功した私は何故か再びログインしていた。


正直疲れたから今日はもう寝ようかなとも考えたのだが、マナからメールで。


『夕飯を食べたら冒険ギルドの前!』


となんともこちらの都合を考えないマナらしいメールが届いていたためだ。


一応電話をしてみたが、まぁ反応無いよね。


まったく、何だろうね……と思いながらも歩いていくとギルドに着いた。


「ナギにゃーんっ!こっちこっちーっ!」


私が探すまでもなく確かにギルド前にマナが居た。


正直玄関前に陣取るのは邪魔だと思うからやめておいた方がいいと思うのだが……見れば他にも数名のプレイヤーが居る様だが。


マナの知り合いだろうか……ってありゃ?


「遅いよナギにゃんっ!」


私が近づいていくとマナが待ちきれないとばかりに走って抱きついてきた。


「っと、はいはいこんな所で騒がないの。それにメールを見てすぐ来たのにそんな風に言われるのは心外だわ?」


「えへへ、ごめんごめん。」


抱きつかれながらもう一度他のプレイヤーを見て間違いないことを確認する。


うん、相手も気づいたみたいだ。


「それで?西でも攻略するの?」


「うえっ?そうだけどナギにゃんに言ったっけ?」


正直先に言えよ、と思わんでもないがまぁマナだしな……。


マナの疑問に答えるように私は一人のプレイヤーを見つめながら。


「や、朝ぶりだね。」


そこで苦笑いをしているキリサキさんに挨拶をするのだった。

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