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魔王、始動。

2019年7月20日午後12時41分。

俺は飯を食べ終え、IIOにログインしていた。まくらは家事を済ませる必要があるため、俺は一足先にログインさせてもらっている。

1時半からまた彼女たちと狩りをする予定なのだが、その空いた時間を使って。俺は新たなスキルを取得することとする。

まず【索敵】は確定。

取得っと。

すると、前後左右、あらゆるプレイヤーの位置及び、リアルタイムで彼らの動きが分かってしまった。半径は3mくらいか?元々戦闘にか使う予定もないので、正直このまま射程が伸びなくても問題はないんじゃないかとも思う。

ていうかこれは索敵ってより空間把握だなこれは。スキル名【空間把握ニュータイプ】ってか?

見えるぞ!私にも敵が見える!まあ、セーフティエリアだから、敵いないんだけどね。

あ、ちなみに残りのスキル原石は3つなので、1つ空けといて、あと2つ取得することとする。

そうして列挙からされた無数のスキルの一覧をスクロールし、その中から、2つを選択する。


躱蝉かわせみ】PS

一戦闘中に一回限り、相手からの攻撃を、残像を伴って避ける。


相手の攻撃は全て回避することが前提な俺が、なんでこんなものをとったかと言えば、まあ、わかるよねぇ?良い子のみんなならわかってくれる。そう信じてる。



【虚栄の魔法陣】PS

MPを使う攻撃全般と、一部のBSに、魔法陣のエフェクトが付加される。


うん。まさに虚栄。明らかにネタだね。でも何かかっこよさそうだから取った。後悔はしていない。

いやだって、俺の攻撃って、なんか地味じゃね?とかみんな思ってるんでしょう?まくらとかカッコよく剣伸ばしてんのにさ?胸に十字架のマークとか浮かび上がんのにさ?俺、オーラ纏って、拳に火が灯るだけだぜ?何か地味だろ?


ん?そう言えば、装備のデザインコンセプトが魔王なのに、紅い炎が灯るってのも、何かダサいな。

うーん。

いいや。一個残しとくなんて選択肢は選ぶべきじゃなかったっていうか、元々なかったんだ。うん。さっき【虚栄の魔法陣】とどっちとるか迷ってたけど、もういいや。

取ろう。あれ。


よし!これでおっけ!

混沌化エンクロアチメント】PS

全体的にエフェクトが禍々しくなる。


うん。これで予想通りなら、なかなかにかっこいい感じになるはずだ。運営の感性が俺とに通っているのなら、きっと俺の予想通りになるはず。


さて、もうすぐ一時半だ。どうやら俺は50分にも渡って、スキルに悩み続けたことになるが、100以上もスキルの候補を挙げられては仕方がない。

というか、【虚栄の魔法陣】【混沌化】は、スキル枠食わないんだな。意外にそういうところは親切設計なのな。俺的には嬉しい限りなんだけど。

さて、狩りだ。

クククもし俺の予想通りなら、あいつら驚くだろうなぁ。

「クックックックッ」

「どしたの兄ちゃん気持ちが悪いよ?」

「貴様いつの間に!?」

「今来たのよ。」

「おh・・・・。」

「で、どうしたんですかお兄さん?」

「フフフ。まあ、戦闘になってからのお楽しみだよ。」

「そうですか。なら今から楽しみにしておきます。」

「そうともそうとも。俺の予想通りなら、お前ら腰抜かすぜ?」

「自分でハードルを上げていることに気づいていないのかこの愚兄は!?」

そう言い合いながら、俺たちは、サハラ砂漠に向かった。


2019年7月20日土曜日午後1時40分。

俺は妹とその愉快な仲間たちとともに、心を躍らせつつ、タイカイ砂漠に来ていた。

「この辺でいいかな?皆―!いくよー!」

と、我が愚妹が号令をかける。つまりは俺が十秒間吊っ立つという意味だ。さぁ。くるぞ!

『Encounter!!』と視界の端に表示されると同時に、俺はさっきまで言いたくて言いたくてうずうずしていたスキル名を口にする。

「ブースト、【最後の一撃】【禍炎の心臓】」

ちなみに元の名前は【炎の心臓】だったのだが、【混沌化】を取得したら、名前が変わったのだ。ちなみに【炎の~】の全てに同様の変化が見られた。

すると、心臓のあたりに、六芒星の魔法陣が浮き上がり、そこから噴き出す様に、『黒い』炎が、厳密に言えば空気との境界線あたりは紫なのだが、俺の体が、『黒い』炎を噴き上げていた。そして『サンダーブースト』のおかげか、身に纏っている雷も、紫に近い色になっていた。ちなみに『ライトブースト』は、淡い燐光のようなエフェクトなので、目立たない。残念。が、

「運営ばんざあああああああああああああああああいっ!!!」

俺は両手を握り天に向け、思いっきり叫んだ。

殆ど予想通りだ!

PTメンバーの少女たちがドン引きと呆然を織り交ぜたような顔をしたが気にしない。

ヤバイ。これは超かっこいい!!まさか運営がここまで中二心を理解してくれていたとは!やはり男の子の心はいつまでも中二なんですね!

俄然テンション上がってきたぁあああああああああああああああああ!!!

何か最後の一撃のエフェクトも紫になってるしぃいいいいいいいいいいいい!!

「いぃやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

そう言いながら飛び上がり、POPしたモンスターの一匹を派手な魔法陣のエフェクトとともに、殴り倒す。ていうか、着弾地点を中心に魔法陣が広がるとかカッコよすぎる!しかもその後そこから爆発するとか!!!攻撃判定は無いようだけれど、エフェクトが派手にもなるらしかった。

直様HPが0になるが、直様【無力の後悔】で蘇生し、

「【奇跡の完治】ブースト、『ザンダ』【禍炎の心臓】」

と、唱え、【絶頂の悦び】の効果を発動させると同時、牽制とパフを同時に行う。

視界の端でまくらが先ほどと同じスキルで敵をなぎ払う。しかし、例え奴らは全滅しようと、しばらく沸く。第一陣、第二陣とでも言うのが、一番適切だろうか?つまりは、しばらく狩り放題なのだ。

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!『禍炎星突メテオパンチ』!」

すると、俺の肘から禍々しい炎が、ジェット機の加速器のように吹き出し、それにそれに釣られて、俺の身体も飛んでいく。それと共に、ジェット噴射の軸を中心に、幾重にも重なって、六芒星ヘキサグラムを中心とした魔法陣が展開されていく。ヤバイ。カッコよすぎる!!!

ちなみに『禍炎星突』はジェットパンチが、【混沌化】と【虚栄の魔法陣】によって変化したモノと思われる。

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

高笑いが堪えられない!ほんとここの運営最高だわ!マジ買って良かったこのゲーム!

後ろからサメが奇襲してくるが、ノールック肘打ちで跳ね除ける。爆発とともに、奴はポリゴン片となって四散する。

しかし、サメは一匹だけではなく、俺の真下から、つまりは砂の下から俺を突き上げる様に飛びあがってきて、俺の土手っ腹にクリーンヒットする。

が、そんなものは既に見えていた。というか認識していた。ではなぜやったかと言えば。

「―――残像だよォッ!『禍炎星突メテオパンチ』!」

そう言いながら、【躱蝉】によって残像と共に空中に飛び上がると共に、今だ上昇中の鮫の横っ腹に、かっこよくなった『禍炎星突』を叩き込む。

そう、俺がなぜ【躱蝉】を取ったのかと言えば、

「これがやりたかったぁああああああああああああああああああああああああ!」

そんなことか。と思うかもしれないが、残像を残して、「残像だ」と言うのは、少年なら、人生に一度はやってみたいじゃなかろうか!!

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」


そうして、7月19日昼のタイカイ砂漠で、30分ほど、高笑いが響き続けたそうな。

Hakama lv13

HP 125

MP 39

ATK 0

DEF 0(+6)

MATK 1183(+12)

MDEF 0(+12)

SPD 0

DEX 0

スキル

【火属性魔法】―『ファイラ』M

【MP自動回復】PS

【魔闘術】―【炎の~】AS―『禍炎征突メテオパンチ』BS

【残悔の執念】PS【奇跡の完治】AS【絶頂の悦び】PS【最後の一撃】AS【躱蝉】PS

【索敵】ー【レーダー】PS

      周りの敵の位置を探知する。

枠外スキル

【驕り】PS【災禍の中心(コーリング・ディザスター】PS【虚栄の魔法陣】PS【混沌化エンクロアチメント


【炎の心臓】AS 消費mp3

【炎の拳】【炎の肘】【炎の額】【炎の膝】【炎の足】を発動。ATKとMATK及び、SPDにボーナス。


7/23

『ジェットパンチ』の名称を『禍炎星突』に変更。

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