1/19
350文字弱のプロローグ
時は2019年。人の脳に関する研究は、飛躍的に、いや、加速度的にとでも言える程進歩し、AR(拡張現実)装置の小型化すらも、可能にした。
その恩恵は非常に大きく、おおよそ5、6年前には普及していた、スマートフォンですら、衰退の一途をたどった。
しかし、この話のメインはそこではない。皆ARばかりを持て囃すが、俺たちの求める異世界は、そこにはない。
そう。僕たちが求めるのは異世界だ。そして、それは現代には確かにある。仮想ではあるが仮想とは言えない。そんな異世界を、俺たちは、自由に駆け回る。
ヴァーチャル・リアリティ。
それが俺たちの求めていた異世界を、現状実現し、与えてくれる概念の名前だった。
そう。このお話は、俺たちの異世界での冒険のお噺。
そしてその異世界の名は、「Ideal Infernos Online」
理想を冠する、地獄である。