思わぬ出費
少し時は過ぎ・・・
帰り道、俺は妹と家へ向かって歩いていた。
いつもならスーパーに寄り道していくのだが、夕飯の材料は家にあるので今日は行かなかった。
その分、少しのんびり歩いている。
「あ、お兄ちゃん、あんなところに自販機なんてあったんだねー」
「ん?あ、ホントだ。そりゃ気づかないな。」
妹が自動販売機を見つけた。それはあまり行かない公園の隅のほうに静かに佇んでいた・・・
「のど乾いたな・・・なんか買おう。夕歌もいるか?」
「アタシはいいよ。のど乾いてないし。」
というわけで、自販機の前へ歩く。
そして、あの黒い炭酸飲料分の金額を財布から取り出すと、お金の投入口の中へ。たちまちランプがつき・・・あれ?つかない。ボタンを押してみるが何も出てこない。レバーを引いてみるがお金すら戻ってこない。・・・故障か?
ふと横のほうを見ると、看板がある。そこには、こう書かれていた・・・
「これは、この町で一番最初に設置された自動販売機のオブジェです。
元々あった自販機が撤去されたため、代わりにオブジェを置きました。
間違えてもお金を入れないでください、ただのオブジェなので戻ってきません。」
・・・えっ?
「・・・(´・ω・`)」
「・・・お兄ちゃん、お金貸してあげるから、この先の自販機で買おう?」
「・・・・・・うん。」
その後、無事に買えました。
結局、あのオブジェは何だったんだろうか…?
もしかしなくても:不幸体質