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猫の額の奥にある物語  作者: クロイシロネコ
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国語の正解

 職場で交わされていた議論に『国語に正解はあるのか?』というものがありました。

 文学部出身の人は『ある。よく読めば見えてくる』と言い、理工系出身の人は『ない! この登場人物が何を思ったのか? どうしてこういう行動したのか? なんて作者にしか分かるわけない! 方程式があるからではないので一つの答えに辿り着かない』と言いました。


 皆さんはどう思われるでしょうか?


 私は正解はあるけど、一つではないと思っています。

 作者の意図が伝わろうが伝わらなかろうが、読者がちゃんと文章読んだ上で導き出したものが正解だと考えています。これは国語に限らず、あらゆる事に言える事で、映画、音楽、料理、舞台、絵画も同じ。

 どんなに制作者サイドが強く訴えようが受け手がそれを押し付けられる筋合いもなく、それぞれの中に感じたモノが正解の答えとなると思います。


 そう言うと無責任に聞こえるかもしれませんが、私が言う正解は真剣に対象と向き合った上で論理的という方程式で説いた答えの事。


 良かった! 感動した! つまらない! 馬鹿馬鹿しい! それだけでは単なる脊髄反射。

 何故良かったのか? 何故つまらなかったのか? その感情に至ったプロセス、作品のどの部分にそれを感じたのか? といった事を理性で考えたうえて見つけたのなら、それが制作者の意図と反するものとなったとしても正解だと思います。逆にそのプロセスをまったくせずに、作品を貶すだけの人って私は嫌いです。それはそれがひどい作品であっても正解ではなく単なる文句です。


 そして今私が強く言いたいのは、ネットの流行とともに様々な人が意見を発言出来るようになった時代だけに発する意見をもっと考えて欲しいということです。

 無邪気な想いとをはじけさせるのは良いですが、物事を評価して論じる時は、じっくりと頭の中で論じてから語って欲しいです。こういう理論をしてから書いた論評って読みやすいし、納得もしやすいです。しかも別の意見を投げかけられても、ちゃんと理論を返してくれるので、議論を楽しめます。

 逆にそういう事をしないで考えた人程、議論をするのが厄介だったりします。思考するというプロセスを経ておらず感情論からストレートに語ってくるから、理論が一切通じない。しかも人の意見をまったく聞かないで、自分の感情をのまま自己主張だけして相手への反論しかしない。そういう人は全ての事を一色単に盛り上げてただ批判するけれど、その言葉には理論がないから、相手に伝わりにくく、思い込みという感覚が強くなってしまいます。 

そういう人の意見って、何か一つ気にくわない事があって、それが全て。でそれに纏わるものすべてをひっくるめてディスる。『何故そう思ったのか』と聞いても『脚本がクソ』『ダサい』『全体的に反吐がでる』『内容が薄っぺら』とか結論しか言わない。『どの部分に対してそう感じたか』という意見がまったくありません。むしろその感想の方が薄っぺらに私は感じます。その人にとっての結論で思考停止していて、対話になりません。非常に困った状態です。そしてこういう人ほど、人に絡んでくる傾向にあります。人に論議をふっかけてくる場合は特に、自分の意見が正しい事だけが前提でなく、何故正しいのかを組み立ててから人と論議しましょう。


 ネットにより自分の意見を発信するのに最高の環境があるだけに、そこに伝える言葉ってもっと考えてみてはいかがでしょうか? そしてせっかく海外まで広がっているという広い世界。自分もアピールするけれど他者も受け入れる。そんな視野も広くグローバルな感覚でいきたいものですよね。


私がこの文章は創作についてというより、ネット全般の事について述べています。最近あまりにもウーンという事がありますので……。


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