『よかったねネッドくん』方式
スリリングな場面展開の物語を作りたいなら、この絵本を参考にするべし!
物語というのは、本来 起承転結という流れを踏襲するのが良しとされています。
でも、これはあくまでも物語を作る上での基本で、結を先に示すなどアレンジは自由。とはいえ、この基本を守ることが面白い物語条件。
しかし、映画や漫画などにおいて非常によく使われていて、コレを守ってなくても、究極に物語を盛り上げる方法があります。海外ドラマに特によく使われている手法です。
我が家ではソレを『ネッドくん』方式と呼んでいます。
『よかったね ネッドくん』とは、我が家が子供時代に家にあったレミー・シャーリップ氏の絵本から来ている言葉で、『Fortunately!』と『Unfortunately!』を交互に配した展開を楽しむ作品の事。
この絵本、何が素晴らしいって、シンプルにとんでもない物語を見せている所にあります。家族みんなで大ウケし、そのインパクトの強さは未だに話題に上るくらい面白いです。
簡単に物語を説明すると、
『ネッドくんという少年が、あるときパーティーの招待状を受け取る。』
誰からきたか分からない招待状を受け取ったその状況を、物語は「よかったね ネッドくん」と表現され、ページをめくると、
『ナントそのパーティーが行われる会場は遠くの都市』で、ネッドくんのいる所から簡単に行けないことが判明する「さあ 大変」という事態。
さらにページをめくると、『ネッドくんは(少年だけど)飛行機の操縦ができることが判明』友達から飛行機を借りてその都市を目指すことになり「よかったね ネッドくん」と物語は進みます。
しかし、次のページで『飛行機が上空で故障してしまいエンジンが完全に止まってしまう』「さあ、大変」という状況……
といった感じで、ネッドくんは、ページ毎に待ち受けるとんでもないピンチを、ページごとに『自分の力?』や『運の力?』で切り抜けていく、この繰り返し……。
また、その展開があり得ないほど凄い。是非、ハリウッドにおいてトム・クルーズ主演で映画化して欲しいくらいです。
『Fortunately!』シーンがカラーで描かれ、『Unfortunately!』がモノクロで描かれていることで、より臨場感がある世界を楽しめる絵本であります。
『頭が疲れたな~』、『最近何もやる気がない』、『人生に生き詰まった!』という時に、読むと前に進める元気がでますよ!
「よかったねネッドくん」
作・絵:レミー・シャーリップ
訳:やぎた よしこ
出版社:偕成社
税込価格:\1,470(本体価格:\1,400)
発行日:1997年11月
ISBN:9784032014303