1/1
黒炎
俺は憂えていた。殺しの世界で殺し屋として、俺より強い奴なんて誰一人居なかった。筈だった。奴の力を目の当たりにするまでは。
日本に蔓延る、とあるチャイニーズマフィアの組織
『龍州会』を潰しに行った時の事だ。
そこに奴は居た。"黒い炎を纏った"奴が。俺は目を疑った。同時に生まれて初めて目の前の現実、否、それが現実なのかどうかも今となっては分からないが、それに恐怖していた。
"黒い炎"は、やがて風に晒されるように、やおら収まっていった。奴は、俺の居る場所に向かって、ゆっくりと歩きながら俺がこの組織の者ではないと判断したのか、横を通り過ぎていった。その日、俺は死んだ。




