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第2章 少子化対策ワーキンググループ

我が国の少子化が問題視されてから30年間が経過したがその間子育て支援など色々な対策が講じられて来たが未だに少子化に歯止めがかからない。そんな中、衆議院議員森山克子は民民党党首に上り詰め総選挙を戦い抜き女性としては初めての内閣総理大臣に就任、以前から持っていた少子化対策の法制化を実現する。

第1章から第10章までは森山克子が新少子化対策の法制化を実現するまでの過程が綴られており第11章からは新少子化対策法施行後のドラマが展開する。ご期待あれ。


話は全てフィクションです。なので登場人物は全て架空の人です。

 森山が選んだワーキンググループのメンバーは全員信頼できる者たちだが、森山の構想をたたき台にして議論を進めると必ず情報が漏れると考えられた。たとえメンバーの全員が一切口外しないとしても、会議室に盗聴器や隠しカメラが密かに設置される恐れは十分予測される。盗聴器は室内だけでなく最近は感度が良い集音マイクを壁の外に密かに取り付けて盗聴するケースも報告されている。また会議室にスマホを持ち込むと密かに録音されたり会議中に電話がかかってきて思わぬトラブルが発生する事も予想される。更に事前にレジュメが配布されるとそれが持ち出されてどこでどう悪用されるか分からない。


 森山はそう言う危惧について側近でワーキンググループのメンバーでもある小林芳男に相談した。小林は「警備会社にこの方面の専門で信頼できる友人がいますが、相談してもよろしいですか?」と尋ねた。「あなたなら信用できますからいいわよ、相談して下さいな」

と森山は小林にこの問題解決を委ねた。


 小林は早速警備会社に勤めている沢田徹と言う友人に相談を持ちかけた。沢田は以前防衛省の内部部局(通称内局)で防衛政策を担当する部局に勤めていたが縁あって退官後現在の警備会社の幹部に就任し既に5年以上になる優秀な人物だ。

 沢田は小林の話を聴いた後、「そう言う事ならうちの会社の会議室を使ってくれ」と言った。「最近企業秘密の漏洩を恐れて会議室周囲の警戒警備、入退室の厳重な管理、盗聴やサイバーセキュリティ、器物の監視と管理の徹底など色々な面から機密の漏洩をブロックしている会議室の需要が増えてね、我が社でもそういったニーズに十分応える会議室の貸し出しをしているんだよ」沢田は具体的な内容をビデオで説明してくれた後、写真や図で細かく説明しているパンフレットを数冊小林にくれた。


 小林は沢田に聴いた話を森山に報告すると、「では難しい問題が一つクリアになったわね」と喜んでくれた。


 小林の説明を聞いた後、ワーキンググループのメンバー一同が揃って警備会社の会議室の下見に出かけた。

 警備会社の会議室に向かう通路を通る途中ゲートがあって全員警備員の身体検査を受けた。金属探知機で携帯品の検査を受けた後、所持品のうち会議に不要な物はその場で全て保管箱に提出させられた。予めスマホは会議室に持ち込まないと知らせを受けていたためスマホもこの場所で全員取り上げられてしまった。会議室は出入りが厳重に管理されている他、中に入ると照明の光源がちょっとやそっとでは壊されない構造であったり什器類が全て固定されていて突然大地震が来ても安全な構造となっているのだと言う説明に全員が驚いた。「仮にいま震度7以上の大地震が来ても皆様の身の危険はありませんし、どさくさに紛れて大切な情報が外部に漏れないようになっています。皆様の中に予期せぬ造反者が居て会議室内で暴れても被害を最小限に食い止めるべく、照明も簡単には壊れたり落下したりしない構造になっております」案内した警備会社の職員は自信ありげに説明した。

 

 メンバーの半数が会議室の外に出て半数が室内に残り、中に残った者が大声を出すテストを行った所、会議室の外では室内の大声が全く聞き取れず防音に関して全員納得した。

 最後に沢田徹が挨拶に出てきて、「この会議室を私どもはシェルターと呼んでおります。ご案内の通りこの会議室は地下に設置されておりまして、万一会議中にどこぞの国からミサイルが発射されて近くに着弾致しましたも皆様の安全を確保する考え方で設計されております。これ程厳重に警護されている会議室は我が国ではまだ数えるほどしかございません」と自慢げに説明した。更に「我が社は社屋全体が高台にありますので、水害や津波のご心配はありませんし、停電がありましても自家発電に切り替わり停電のご心配もありません。」と補足した。

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