表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学院の七鉱石  作者: チョコレ
第一鉱石 ミスリル
9/92

(3)鉱石の反応

 グラヴァンス教員が俺たちを案内しながら歩き出す。

「最初は鉱石研究部に置こうと思ったんだが、あれには厄介な特性があってな。特別に鉱石試験室を借りたんだ」


 厄介な特性って…もう嫌な予感しかしねえ。


「試験室って何?」

 アルマが聞くと、カティアが食い気味に答える。

「鉱石の特性を調べる部屋だよ!硬さとかマナの量とか!でね、あの赤黒いやつ、相当ヤバいんだよ!」


 軽いノリだけど、妙に胸がざわつく。


「オーヴィル君、煽りすぎだ」

 教員が咳払いしながら扉を開く。

「見れば早いだろう」


 中に入ると、空気が変わった。真ん中に鎮座する赤黒い立方体が、圧倒的な存在感を放っている。息苦しくなるほどだ。


「これが例の鉱石だ」

 教員が言うと、カティアが近づき、銀色の粉を振りかけた。何をする気だ?


「おい、それ何してんだ?」

 俺が尋ねた瞬間、鉱石が光り始める。銀の粉が吸い込まれるように消えていく。


「鉱石が、鉱石を食った…?」

 アルマが驚いた声を上げる。俺も言葉を失う。


「素材同士が結合したのか、マナに分解されたのか、まだ分からない。ただ、特定の七種類の鉱石にしか反応しないことが分かった」

 教員が腕を組みながら続ける。


「聞いて!ここからがあたしの実験結果!」

 カティアがテンション高く話し出す。


「反応したのは、ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト。あと、ソウルスチール、オーロラストーン、ルナメタル、アストラリウム!珍しいやつばっかり!」


「問題はここからだ」

 教員が険しい表情で言う。


「少量では観測ができない。一定量の鉱石を用意しなければ研究は進まないんだ。学院にもストックはあるが、それを使い切ると授業や他の研究に支障が出る。つまり、新たに集める必要がある」


 七つの鉱石を揃えるだと?聞くだけで面倒な仕事の予感しかしない。だけど、俺は視線をもう一度赤黒い鉱石に向けた。あいつがただの石っころじゃないのは、誰が見ても明らかだ。もう共同研究するって言っちまったし、嫌でも関わる羽目になりそうだ。

ページを下にスクロールしていただくと、広告の下に【★★★★★】の評価ボタンがあります。もし「続きを読みたい!」と思っていただけた際は、評価をいただけると嬉しいです。Twitter(X)でのご感想も励みになります!皆さまからの応援が、「もっと続きを書こう!」という力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


@chocola_carlyle

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ