プロローグ:少年
「なにこれ?」
目の前の人物の胸辺りを見て、思わずそう呟く。
いや、正確には目の前の人物。
その燃える様に赤い髪と、同じく燃える様に赤い瞳。
その人の『魂』を見て、である。
──いや、だって。これ、え……?
ええぇぇー!?
おかしいでしょ! 何この魂!?
六人とか、聞いたことない!!
「あ、あの」
「……はい!」
と、彼に話しかけられ、ハッとなる。
「こ、ここは、どこなんですかね?」
「ああ、はい。ここは……まあ、ザックリ言うと、天界です」
私の中で情報が処理しきれず、適当な説明で済ましてしまう。
「天国的な?」
「いえ、ここは──」
さすがに不味かったか、最低限の情報だけ渡す。
そして、再度彼の魂を見た。
今度は睨む様に。
何度見ても、やはり現実である。
その現実とは。
──彼、天徒 預咲さんの魂には、六人の神々による『祝福』が掛けられていた……
それを見て、内心溜め息つく。
六人に祝福を掛けられてる故か、その魂はとても神聖で眩い程の光を放っていた。
この魂の事を知られたら、まず間違いなく、面倒な事になる。
天国に送るのは論外。
天使や神々に彼の魂が見られるのもダメだ。
絶対に、余計な勘繰りをされてしまう。
どうしよう?
それもそうだが、六人から祝福など聞いた事ない。
それも、魂に直接……
彼に関して分かる事は本当に少ない。
不手際か、はたまた意図的なのか、この人の死因すら分からない。
でももし、分かる事があるとしたら──
それは、とても暫定的なもので、不確実な事。
しかし、それでも言うとしたら。
──この人は、『前世』で何かをした……!
私はこの時、未だ見ぬその過去に、ただ延々と厭う事しかできなかった。




