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また来世で会いましょう  作者: あおいあお
第一章 七日間の旅編
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19:表彰



「貴殿等の、この度悪魔襲撃の際の模範的行為は、この町の防衛に多大なる貢献をされました。よってここにその功績を讃え、これを表彰いたします」


 組合中に響き渡る凛とした声で文例が読まれる。

 今文例を読んだのはこの組合の副支部長。

 その人が表彰状を僕に差し出してくる。


「あ、ありがとうございます」


 僕は松葉杖をついているので、礼だけ言って代わりにレミリアが受け取る。

 組合は寒くないので祭服はレミリアが着ていた。


 周りを見渡せば、僕と同じ様に各組合員から直々に表彰されている者達。

 僕はこの中でも代表として、副支部長から授与しているのである。

 授与された人達は昨日共に悪魔と戦った者達だ。

 果たしてあれが戦闘と言えたのか分からないが、僕達の行いは勇気ある行動として、こうして組合直々に表彰されているのである。


 と、組合に居る、皆どこか誇らしげな顔をする者達を眺めていると、この世界初日に絡んで来た二人と目が合う。

 彼らは僕に気付くと、腰を上げてこちらへとやって来た。

 思わず先程より緊張して強張っていると。


「ああ、ったくしねぇよ。こんな時に」


 と、面倒くさげに後ろ髪掻きながら言う茶髪の青年。


「その……悪かったな。この前は」


 そしてバツの悪そうに視線を下げながら、青年は言った。


「俺からも、すまなかった」


 と、体格のいい男の方も謝罪して軽く頭を下げる。


「い、いえ」


 特別謝って欲しかった訳ではない僕としては困ってしまって返事が浮かばない。


「その件に関しては、俺からも謝るべきだろう」


 と、見てたのか、僕の後ろからクレナも参加する。


「すまなかった。手荒な真似をして」


 そう言うや、体格のいい男の方へと手を差し出す。


「あ、ああ、お互いな。あんちゃんの蹴りは強烈だったぜ?」


 と、そう嫌味を言いながらも手を取る男。


「本当は、前の悪魔の時から言いたかったんだけどよ」


 そして話も一段楽したところで、茶髪の青年が僕に向けて。


「見直したぜ」


 そう言って軽く笑う。

 つい呆けてしまった。

 僕は何か言い返そうとして。


「んじゃ、またどっかでな。せいぜい裏路地には気を付ける事だな」


 僕が口を開く前に、彼は背を向けてひらひらと手を振った。

 そのまま去って行く二人。

 不思議な関係だったな。


「昇格、おめでとう」


 と、不意に忘れそうになっていたそれをクレナが思い出させてくれる。


「うん。ありがとう、クレナ」


 僕はその言葉に礼を言う。

 クレナ自身も、左手にはさっそく丸めてある表彰を持っていた。

 今日受賞されたのは昨日戦った全員。

 クレナは居なかった筈では?と思ったが、どうやら別の場所で戦闘があったらしい。


 そしてクレナの言うとおり、僕は冒険者のランクが一つ上がった。

 『E−』から『D−』にだ。

 ここに居る僕並みに低ランクの者は軒並み無条件で昇格だそうだ。

 僕が少し前までのリリスと同じなど、不相応な気もするが……

 なんというか。


「エリア様! 見て下さい! Dですよ、D! 少し前までのリリスですよ!」


 やっぱ嬉しい。

 僕は後ろの方の席で一人肘を付いているエリア様に、さっき更新してもらったギルドカードを見せた。


「ふん。別、羨ましくないですし……」


 プイッと顔を逸らすエリア様。

 さっきからずっとこの調子だ。

 前回の時と同じく、自分だけ評価されずに拗ねてるのである。

 まあ、今回もエリア様は何もしなかったしな。

 にしても前回は拗ねたりしなかったが、一体どういう心変わりか。


「まあ、確かに。表彰こそされませんでしたが、僕は知ってますからね」


「……何がです?」


 と、エリア様はそっぽ向いた状態のまま、目だけこちらに向けて問う。

 そりゃもちろん。


「エリア様が一人の少女救ったって話ですよ」


 エリア様は僕の言葉に暫しバツの悪そうに口をムニムニさせると、またもプイッと顔を逸らせ。


「やっぱり、表彰がいい!」


 子供か。


「続いて、冒険者リリス殿。貴殿の、この度悪魔襲撃の際の模範的行為は、この町の防衛に多大なる貢献をされました。よってここにその功績を讃え、金一封を贈り、これを表彰いたします」


 と、後ろを向けば今回のMVPであるリリスが僕達とは別に、一人表彰されていた。


「有り難う御座います」


 リリスは丁寧な礼をすると表彰状を受け取り、更に今回の特別報酬も受け取っていた。

 あの布袋にいくら入ってるか知らないが、伝わる重みからして結構な額に見える。


「更に、その功績と器量を認め、貴方をB−ランク冒険者への昇格をここに認めます」


 おお! つい最近Cになったばっかなのに!

 Bがどれくらい凄いか知らないが、リリスが凄いしBも凄いんだろう。

 リリスの表彰、昇格と同時に組合中が拍手と喝采で溢れる。

 ある者は自分に、ある者は戦友に、それぞれがそれぞれ思う者に。

 僕自身、今回は頑張ったと自分を褒めていると。


「なあ、あんた! あの娘の仲間なんだろう?」


「あんたらすげぇよ! つい最近噂になってた上位悪魔撃退も、あんたらの仕業なんだって!?」


 急にゴツいおじさん達に声を掛けられ狼狽してしまう。

 悪気は無いんだろうが、僕より全然背が高くて正直怖い。


「俺達のパーティーに入んないか!?」


「いや、俺達のパーティーへ!」


「いやいや、うちの!」


 その後もぞろぞろと人が集まりだし、勧誘の嵐が起こった。

 挙句僕の取り合いにまでなる。


「ま、まあ、落ち着いて。僕弱いですから」


 僕を巡って?軽い喧嘩が起きだすので慌てて止める。

 正直喧嘩なんて勝手にどうぞって感じだが、僕にとばっちりが来そうで怖い。


「はーい、終わりニャー。アズサ君は私の仲間だから、しっしーニャ」


 と、全身を包帯でぐるぐる巻いている僕の肩に腕を掛け、手をひらひらさせるレミリア。

 ありがたいけど肩が痛い。


 冒険者のマナーなのか、レミリアが仲間を主張すると大人しく離れていく。

 意外に素直。

 次はエリア様の所に行くんじゃないかとも思ったが、皆はエリア様を一瞥するだけで素通りしていった。

 いや、一人だけ神官の様な格好の女の子が去り際に一礼していったが、何だったのだろう?

 あ! そういえば依頼の件はどうなったんだ?

 僕は松葉杖を突いてクレナの元へ行き。


「おい、アズサ。お前達、これからどうするんだ?」


 と、クレナがリリスを伴って話し掛けてきた。

 リリスはそのまま僕を素通りすると、レミリアと一緒にエリア様の所へ戻って行く。

 う~ん。どうするんだろう? ここはやっぱレミリアとエリア様次第か……って、ここに居るじゃん!


「ちょっと待ってて! 直ぐ戻るから」


 僕はリリス、レミリア、エリア様と相談しようと──


「いや、実はもう依頼は取り下げようと思うんだ」


「え?」


 続いたクレナの言葉に僕は立ち止まった。

 取り下げるって……


「もしかして見つかったの!? 妹さん!」


 僕が期待を込めて言うも。


「いや、見つかってはない」


「じゃあ、どうして……」


 僕が落胆しながら呟くのに対し、クレナはその端正な顔立ちを真面目な物に変え。


「俺、つい最近まで自分を含め、妹さえ良ければあとはどうでもいいと思ってたんだ」


 うわぁ、マジじゃん。


「だが、今回いろんな人を巻き込んで学んだ。お前自身、それなりに仲良くなったのも大きいだうろ」


 そ、それなりに仲良くなったって……

 照れるねぇ。


「今回はそちらの事情を考慮し、ここまでにしよう」


 事情?


「なんか話したっけ? 別に用事がある訳でも無いけど……」


 僕がクレナの言う事がよく理解できないでいると、彼はスッと顔を近付け耳元で囁いた。


「あの人、女神なんだろ?」


 僕はその場で息を詰まらせる。

 気付いていた!?

 一体いつから? というかどうやって!?

 クレナは内心狼狽する僕から顔を離すと。


「そう思うと、いろいろ事情が合う。あの人の周りをうろちょろしている子達や、悪魔教の連中が異様にその子達に固執した理由……とかな」


 まさか、レミリア達の正体まで!?

 こいつってば何者……?


「もしかしたら、君自身も」


「あ、いや。それはないっす」


 僕が反射的に否定するとクレナは肩を竦め。


「ま、そういう事だ。そろそろ馬車の出発する時間だ。俺はもう行くよ」


「ええっ! もう!?」


 もうさよならなの?


「ああ、この町には居ないだろうからな。次はロビア辺りを探そうと思う。もし来る事があったら、一声掛けてくれ」


 そう言うとクレナは出口の方へ向かう。

 本当に行ってしまうのか……

 そして最後に彼は振り返ると。


「じゃあな、アズサ。またどこかで会おう」


 そう、素っ気なくも取れる短さで言うと、一度も振り返らずに行ってしまった。









 そろそろ、訊かなくちゃいけないな。

 できればレミリアから話すのを待とうと、だが結局されなかった話。

 ミリナがどうなったかである。



 リリス、エリア様に続いて馬車に乗る。


「またニャ。アズサ」


「うん、また」


 と、馬車の外からこちらを見上げるレミリアに軽く返事。


「エリアさんも、リリスちゃんも」


「はい」


「ええ」


 レミリアは右側に乗った二人にも声を掛け、エリア様、リリス共に返事する。


「ねぇ、レミリア。訊いていいか、分かんなかったんだけど」


 そんな中、僕は馬車の上から一度言い淀むと。


「ミリナさんはどうなったの? レミリアを刺したのは、結局彼女なの?」


 僕はやはり聞く必要があると思い、意を決してレミリアに問うた。

 これを聞き、レミリアは少し難しそうに顔を下にする。


「そう、だニャ~。あんま下手な事言えないけど……。率直に言うと、私を刺したのはミリナで間違いないニャ」


 レミリアは言葉を選ぶ様にそう話す。


「ミリナは悪魔教。それは紛れも無い事実だし、今は天界にて捜索対象となっているニャ」


 なるほど。

 ミリナはまだ捕まって無いらしい。


「人は時に、常時では考えられない様な非合理的な行動をする。今回はその事がよ〜く分かる件だったニャ」


 レミリアは腕を組んでうんうんとしたり顔頷いていた。


「ま、私が話せるのはここまでニャね」


 と、不意に顔を上げ、笑顔を作るレミリア。

 僕はそれに憂鬱な物を感じ、少し心配になった。


「って事で! 予定通り、こっそり帰っちゃってニャ」


 僕の気持ちも他所に途端明るく言うレミリア。


「う、うん」


 そんな彼女に一つ頷く。

 今、僕達は当初の目的通り、こっそりと帰ろうとしている。

 なんでも今天界の方では今回の悪魔襲撃の件で大騒ぎになっていると。

 そして問題なのが、この騒ぎに天使達の目標であるエリア様が一噛みしているという事。

 これがバレたら、本格的に面倒くさくなるらしい。


「そう心配せずとも、エリアさんが見つかった事は言ってないし。当初の目的通りこそ~と帰ってくれれば、全てが丸く収まるニャ」


 未だ不安が払拭されていなかったか、そう説明してくれるレミリア。

 う~ん、改めて思ったが。


「つまり仕事を放棄したの? レミリアも案外面倒くさがり屋だよね」


「がはぁっ!? この、私が? めんど……」


 僕の言葉に膝を突き、何事かを呟くレミリア。

 相当来たらしい。

 ん?


「ってことは、これからレミリア達どうするの?」


「これから? は、そうだニャぁ……。いっ時事務処理に追われそうだニャぁ。ちょっと調べたい事もあるし」


「調べたい事?」


 レミリアは立ち上り、膝の埃を払いつつ答えると、僕が首を傾げる中腕を組んで思慮深げに緑の瞳を窄めた。


「まあ、ニャ。ちょっと最近珍しいもの見つけてニャぁ。六人とか、聞いた事なかったから……」


 六人?

 何言ってるんだろう。

 まあ、天界の事とかあんまり深く関わる事じゃないな。


「どーもー」


 と、馬車の陰からひょっこり顔を出し、軽いノリで挨拶してくる少女が一人。


「め、メリア!? どうしてここが分かったニャ!?」


 深い青の髪。メリアさんだった。


「なんだか怪しい動きしてたからね~。着いて来ちゃった」


「また余計な事してるのな」


 そう言って両手を上げるメリアさん。その後ろには、両手を頭の後ろに組んで呆れ顔のミレンさんまで居る。

 どうやらレミリアはこの二人にすら、僕達をこっそり帰す事を秘密にしてたらしいしい。


「あ、クレイさん」


「やあ、アズサ君。帰るって聞いたから、見送りに」


 と、二人に続いてもう一人見知った顔が増える。


「クレっちは……まあ、いいか。それより二人とも、他の子達に言ったりしてないよニャ?」


 それを見て、レミリアが少し疲れた様な表情で問う。

 それに対しメリアさんは腕を頭の後ろで組んで。


「言う訳ないじゃ~ん。レミリアさんの思ってる事も大方分かるし、私も面倒ごと嫌だしね~」


 ミレンさんも渋々ながら同意の様子。

 天界にはこんなのしか居ないのか?


「ところで、リリスちゃん。あの子の傷はしっかり治させてもらったよ」


 と、メリアさんがリリスへとウィンクして言った。


「それはよかったです」


 リリスもそれに変わりなく応じる。


「おい。あれを治したのは私だろ。そのお陰で自分の傷治せなかったんだからな?」


「はいはい、分かってますって〜」


 ミレンさんがメリアさんの肩へと腕を回し、包帯の巻かれた右腕をずいっと前に見せつける様出した。

 それに飄々と返すメリアさん。

 三人並んで気づいたが、三人とも少しずつ身長が違かった。

 ミレンさん、レミリア、メリアさんの順で低くなっていく。ミレンさんとメリアさんじゃ5、6センチ程高低差がある。


「リリス、ごめんね。見舞いに行ってあげられなくて」


「いえ。忙しくなったのは理解してます」


 と、見上げて言うクレイへリリスも応じる。


「偶には帰って来ていいんだよ? 基本僕かミヤしか居ないけど、いつでも歓迎するから。これで結構心配してるんだからね? リリスの活躍は隣町からでも耳にするけど、嬉しいのと同じくらいに心配だから。体には気をつけてね? しっかり食べて、しっかり寝ないと。あ、手紙とか書いてくれたら嬉しいかな〜なんて。それから」


「はいはい。分かりました。季節が変わる程度に一度送ります」


 長々と伝えるクレイにリリスが話を折って言う。


「まったく。相変わらず過保護なんですから」


「そうかな?」


 呆れた様なリリスに苦笑して返すクレイ。

 クレイは次にその隣りへ視線を移して。


「それからお嬢さんも。願わくば、これから先の旅路が良き物であります様に」


「へ? あへへ。それはどうも〜」


 片手を胸へと添えて優雅なお辞儀をしたクレイに、緩んだ笑顔を向けるエリア様。

 紳士だなぁ。


「と、もうじき出発の時間ニャ。アズサ、最後に訊いておきたかったんだけど」


 僕がクレイの所作に見惚れていると、レミリアから不意に呼ばれる。

 レミリアは下を向いて、とても言いづらそうに。


「どうするニャ? この世界に残るか、否か」


 つい先日も訊いてきた、とても大事な事を問う。


「……考えとくよ」


 僕の返事にレミリアは頷くに留めていた。

 と、レミリアは話は終わりだと顔を上げ。


「とにかく、今はじゃあニャ! またどこかで!」


 そう、最後は目一杯の笑顔で迎えてきた。









 エリア様と共に目一杯手を振る。

 いずれ見えなくなった所で振るのをやめ、一息ついた。


「ふぅ……もうちょっと居ても良かったのでは?」


 思わずそう溢してしまう。

 あまり知り合いができた訳じゃ無いけど、もうちょっとゆっくりしたかったなぁ。


「あー、それなんですけどね。ちょーと面倒な事になったと言いますか」


 と、僕の対面に座るエリア様がそう言い淀み。


「これ! 見てください!」


 そう言うなり、どこから出したのか新聞を見せてくる。

 僕はそれを受け取るが。


「んー、読めない」


 もちろん読めない。


「あ、そうでしたね。その新聞には、町を救った英雄としてお二人の名前が載ってる訳ですが」


「え? ちょ、ちょっと待って下さい」


 僕は慌てて説明するエリア様を止めた。


「載ってる? んですか?」


「はい。今日授与した人は全員。特に預咲さんとリリスさんが大きく書かれてますね」


 また載ってしまったのか。

 この世界に肖像権等は無いのだろうか?

 そんな事思いつつ、僕は相変わらず読めないが新聞に目を通して行き。


「な、えぇ!? これエリア様ですよね? 何で!? 何もしてないのに!」


「な、何もしてない……」


 そこにエリア様の肖像画の様なものが印刷されており、思わず出た本音にエリア様へとダメージが行く。


「バレましたね」


「え?」


 と、また不貞腐れるエリア様に変わってリリスが答えた。


「恐らく、神エリアだと」


 リリスはその新聞を眺めながら説明しだす。


「もはやあの町では暗黙の了解となっているそうです。数日前に暗号的な神言が渡された事と言い、今回の件を忠告し、更にご加護で救われたと……。そう言った話で落ち着いてるそうです」


「うわぁ」


 随分美化されたな。


「うわぁってなんですか! うわぁってなんですか!? そんなに評価されるのがいけませんか!?」


「ま、まあ、落ち着いて。エリア様の頑張りは僕達が一番知ってますから。すごい!エリア様すごい!」


 途端、こんな煽てに乗らないとそっぽ向くも、眉がどんどん下がっていく女神様。

 ちょろい。


「とまあ、今後エリア教は安泰でしょうね。今朝はお祈りする人で溢れてましたから」


 そうなのか……

 どうやら僕達は知らず識らずの内にエリア教まで救っていたらしい。


「そんな感じで、居心地悪くなって逃げちゃいました」


 と、少し憤った様にエリア様が言う。


「もう、手の平くるりですよ。昨日まであんなに反応なかったのに。今朝だって……って、何笑ってるんですか?」


「いーえー」


 本当に、エリア教は安泰かもな。

 僕は遠のいていく町を眺め、馬車に揺られながらそう思った。

 それから、僕もそろそろ決めないとな。


 この世界に残るか、どうか。



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