107:帝都エルドラド
次の町に着いた時、ティアちゃんはクロムさんに引き取られていった。
怪我に気付いて接触して来たのだが、訳を話すと『やはりまだ早かったですね』と言ってティアちゃんを引き取る事になったのだ。
ま、元々半別行動だったし、保護者の元に落ち着いてくれた方がこっちとしても安心できる。
あれからすっかり汐らしくなっちゃったティアちゃんは存外我が儘を言う事も無く、クロムさんの元に戻ったのだった。
◯
そんな事もあってまた帝都目指して郊外を歩いていると、こちらに向かって来る馬車の御者の人が手を振っているのに気付いた。
連なって走る二台の馬車。その先頭の馬車の、御者の人が手を振っている。
「あれって……まさか!?」
僕は近づくにつれそれが誰であるか悟り、声に出した。
それは山脈で出逢った行商人、タール氏一行であった。
◯
「うば丸ー! うば丸、うば丸、うば丸ー! 元気してたかー? うば丸ー!」
挨拶もそこそこに、僕は焦茶の馬へと頬ずりしていた。
「なぁ、見分けつかないの俺だけか?」
「い、いえ」
「私もよ」
「わ、私もです」
後ろの方からそんな会話が聞こえてくる。
「あの、アズサさん……うばまるはこちらです」
と、一頭の馬を引き連れたタール氏からそうおずおずと声を掛けられる。
全員からの『いや、違うんかい』と言う目を向けられた。
◯
「いやはや奇遇ですな! それもこんな所で会うとは」
気を取り直した様にタール氏は話題を変える。
さすが仕事ができる人は空気も読めるみたいだ。
「察するに、あれから山脈の道を引き返して帝国に降りたのですな? いやはや竜の事があって尚険しい道のりを選ぶとは。あっぱれですな」
僕らがここに居る事に関しては都合良く解釈してくれたみたいだ。
「我々の方は変わらず行商を続けておりました。どうです? 連邦国の品々もありますよ。何か、気に入る物があるかもしれません」
タール氏に勧められるがまま、僕らは馬車の後面へと回る。
元々は僕らと旅を同じくした馬車だ。何だか不思議な気持ちだ。
「あ、私のトランク!」
と、雑多に荷物が積まれてる車内を見てリリスが言う。
「おや、手放した品が惜しくなりましたかな? 状態も良く、良き取引きだと思っていたのですが、いいでしょう。再会を祝して、譲っておきましょう」
「やった」
タール氏の言葉にリリスは小さく呟く。
「どうも、ありがとうございます」
次いで向き直って深く頭を下げていた。
その後適当に香辛料を買い、再度うば丸を可愛がり、最後に改まった挨拶だけしてタール氏らとは別れた。
「私共は帝国の商人組合に所属しています。基本的には帝国領土内に居りますので、商会への御用があれば良しなに」
そう最後宣伝も欠かさない抜け目の無さであった。
職人って感じだな。
また会う事があるかは分からないが、ともかくうば丸が元気にしているみたいで良かった。
何だか前向きになれる出来事であった。
◯
帝都の一つ前の街の組合にて、エリィらと合流を果たした。
「よっ。城で大分贅沢してたみてーじゃねぇか。俺も行けば良かったかもなぁ」
想像通りの気軽さで挨拶してくるグレン。
「当たり前に居るけど、何しに来たんだ?」
「まぁまぁ、細かい事良いじゃねぇか」
鋭い問いをするクレナにグレンは肩を回す。
それにクレナは半目になっていた。
「あ、へへ。ど、どうもぉ」
エリィは僕と目が合うとぎごちなく言った。
何故か少し余所余所しくなってる。
「どうも。久しぶりですね」
「け、敬語に戻ってるぅ……!」
つい僕も距離感を忘れて話すとショックを受けた様だった。
「ああ、そう言えば砕けた口調にするって約束だったね。忘れてた」
「ははっ」
苦笑いするエリィ。
「あ、あの、私も一緒に来ていいかな?」
「良いんじゃない? 勝手に来る分には文句言うつもりは無いよ」
「あはは、ありがとう……でも何か冷たい」
何だか思う所ある様子のエリィ。
「エリア様から何か言われてる?」
「え!? えーとー。まぁ、行き先くらいは」
エリィは目を泳がす。
「ねぇ、エリィってエリア様と何か関係があるの? 元々知り合いか何かだったりする?」
「い、いや、知り合いでは無いかな……うん。ど、どうかしたかな?」
「別に」
僕は適当にはぐらかした。
分かっちゃ居たが、エリア様はエリィとの面識は無かった筈。
それなのに何故エリア様はエリィの事を気にかけるのか。
元々人に関心の無さそうだったエリア様がだ。僕らはそれなりの時間と苦境を共にした上での信頼関係の筈なのに。
正直嫉妬してしまう。
それが今一エリア様からのお願いを受け入れ難い理由だった。
まぁ、それがダサくて女々しいのも分かっている。
それとは切り離してエリィとは接していくつもりだ。
「そんな詰める様な事しないであげてください。アズサ、エリィは嘆きの森で貴方の復活を手助けした恩人なのですから」
ゔ。そ、それもそうか。
リリスの言葉に僕は言葉に詰まる。
「り、リリスちゃん!」
感激した様子でリリスを見るエリィ。
満更でも無い様子でリリスは表情を緩ませ、されるがままエリィに頭を撫でられていた。
「な、なんか、ごめんなさい。子供っぽくて。あの時の事は感謝してるよ。あまり実感が無いのが正直な所だけど。後、君がここに居る理由も正直納得はしてない。一方的に君が僕の事を知ってるみたいだし。だから、まぁ、これからはお互いの事を知っていく様にしよう」
「うん! うんうん! それはもう!」
僕の差し出した手をエリィは両手で握って勢いよく振った。
改めてと言うか、これで漸くエリィが集団に加わった気がした。
◯
エリィは意外と人たらしなのかもしれない。
あのリリスがエリィに大分気を許してる気がする。
リリスは相手が身内になった途端、態度が軟化するタイプではあろうが、にしても普段からエリィとの距離感が近い。
そう、これはお気に入りと言った感じの態度。
正直悔しい。つい最近まではリリスもエリィとは微妙な距離感を保ってた感じがしたのに。
いや、うん。仲良くする事自体は良い事だし、勝手すればって感じだけど。
でも最初期の面子であるエリア様とリリスの心の扉をこうもあっさりと開かれてはこう、ちょっと……
うん。これ以上はやめよう。何か虚しい。
「どうかしたのですか?」
「うぇ!?」
考え込んでいると傍からリリスが覗いてきた。
「よ、よう。リリス」
「動揺し過ぎて柄に無い挨拶出てますよ」
そんな軽口を叩いた後、リリスは僕を見上げて。
「エリィとはアルヘイムで共に数日暇を潰したので、それで仲良くなったのです。今までのアズサとの信頼関係が無かった物になる訳ではありませんよ?」
「わ、分かってるよ」
その考えを見透かした様な言葉に若干気を揺さぶられつつ応じる。
「ではいいです。共に過ごした時間と経験した事による絆は相応の物である筈です。ま、偶に思い出してくれればそれでいいので」
と、リリスは顔を澄ませた。
何か気使わせちゃった。
考えすぎるのはやめよう。
そんな会話をしつつ、全員で両替商へと着いた。
古屋の様な木造の一軒屋へと七人で入る。
中には色々と雑貨が置いてあった。
グレン曰く、為替の規制が無ければ両替する場所を拘る必要は無いらしい。
まぁ、よく分からなかったが。
「いらっしゃい」
背の低い気の良さそうな中年の男性の店主がカウンターの向こうで迎える。
「両替を頼む」
クレナがお金の入った巾着袋を置いて言った。
◯
棒の中央を支点とし、左右に吊り下げられたお皿に物を乗せ、物体の質量を測る道具。
天秤ばかり。
店主はカウンターに置いてあった秤に貨幣と重りを乗せて重さを調べていた。
次第確認が取れた様で両替は問題無くできた。
「こちらもお願いします」
と、取引きも終えた所でリリスが懐から何か出した。
手の平程のケースに入った大きめのメダル。金色のそれは色褪せない輝きを持っていた。
「お嬢ちゃん、うちはおもちゃの換金はしていないよ。……こ、これはアルヘイム大金貨!?」
と、店主は目を剥いた。
「お、お、お嬢さん! 一体これをどこで!?」
「アルヘイム魔王領の、魔王政府中央銀行で、正規の手続きを踏んで受け取りました」
慌てた様に聞く店主へリリスは平常に返す。
「換金価格は十万バリスですが、コレクターに売ればそれより値を張る筈です。あなたも商人なら、ね……?」
「か、畏まりました。両替商ではなく、私個人という事で多少の色を付けて買い取らせていただきます。今契約書を作成いたしますので、どうぞそちらの方へお掛けになってお待ちください」
と、恭しく接する店主。
何だかこの場での序列を登ってしまったリリスは澄まし顔でこちらに戻ってくる。
「やりぃ」
グレンと軽いグータッチと手の平のタッチを交わし、一人椅子に座ったリリス。
「店主よ。序でだ。俺のも契約に加えてくれ」
代わりと前に出たグレンも一枚のメダルを取りカウンターに置いた。
「こちらはアルヘイムの記念金貨! 畏まりました。使用済みという事で多少の目減りはございますが、こちらも買い取らせていただきます」
それを見てまた店主は驚いた様子だった。
抜かり無く秤で重さを調べ、タイプライターを打つ作業に戻る。
……って。
「お前か。リリスにあれ教えたの」
僕は若干呆れた目でグレンを見る。
「しっし。銀貨を大量に余らせてたみたいだからな。軽量化も含めてな」
対してグレンは頭の後ろに手を組むと面白気にしたり顔して笑っていた。
いつの間にそんな事してたんだ。
リリスがグレンに毒されていってないか心配だ。
その後店主の作成した契約書をグレンが一読、リリスがサインしてこの場での用事は終えた。
◯
エルドラド帝国。
大陸の南西部に位置する国家で東にサングマリア王国、北にアルテミス連邦国、北東に竜凱山脈、西から南に掛けて海の面する国家だ。
広大な土地を有する国家でこの大陸では二番目に大きい。人口は約2500万人。帝国の名に恥じない国力である。
大陸に存在する五つの国家でそれぞれ特色があるだろうが、帝国の特色は多数の民族の居住地域を国土に有する事だろう。
謂わゆる多民族国家だ。
エルフを始めとした妖精系の住む村や、猫系犬系を始めとした獣人族の暮らす里が周辺の自然環境と共に現存する。
当然町に出る者も存在し、異種族との交流は帝国の常識、もしくは文化と言って良いだろう。
そして今はその国家の首都に居る。
帝都エルドラド。
ここもまた広い。外壁は増築に増築を重ねて形はひょうたんを重ねた様になっている。歪な形の団子が縦に三つ繋がってる様な感じだ。
広大な土地を贅沢に外壁で囲い、その広さは望遠鏡を使っても端を見渡す事ができないと言われている。
正確には帝の住う城がある中央にして一番大きな団子の部分が、帝都エルドラドであるらしい。
人口は約五十万人。上下の団子も合わせると百万人に登るとも言われている。
正に大都市だ。
「凄い……町を見渡せないね」
聳える外壁を背に、僕は前方に広がる町を見渡して言った。
地面は舗装され、セメントかコンクリート製の近代的な建物が建ち並ぶ。
アルヘイムの首都も凄かったが、文化的か文明的かの違いだろう。
いや、アルヘイムの街作りは魔法を駆使してた様だし、ちょっと比べるのは違うか?
ともかく僕がこの世界に来て間違いなく最も栄えている場所だろう。
この世界に来て約四ヶ月半。
ついにこんな大都会まで来てしまった。
ちなみに今は10月の下旬。遡れば僕がこの世界に来たのは6月の中旬だと分かる。
時期的にも合っているだろう。
その話で言えば僕の居た世界とこちらの世界の暦は一緒かほぼ日にちが合ってると言う事になるが、偶然だろうか?
色々と似通った点が多くて不思議だ。
「凄いわねー。中央に城があるらしいけど……見えないわね」
と、リシアが目の上に手を翳して遠くを見ながら言う。
多少は都会慣れしてそうなリシアだが、流石にこれ程の町は王国にもそう無かったろう。
王国で都会と言えばロビアを思い出すが、正直比べ物にならない。
未だ全容が見えていないのにこれだ。
僕は街の風景や行き交う人々に視線を流し。
「あ! あれって獣人って奴!? あのうさ耳本物!? 頭から生えてるの!?」
「こ、こら! 声が大きいわよ……!」
つい興奮して言う僕にリシアが嗜める。
と言うのも頭から兎の様な耳の生えた人が居たのだ。
これは噂に聞く獣人って奴ではなかろうか。
割と距離もあったので僕の声は聞こえてないだろうが、リシアは周囲が気になる様で目を配る。
「あれは確かに獣人ね。特徴からして兎耳族でしょうね」
「す、凄い! ほ、本当にそんな……! そして思ったより人っぽい!」
もっと毛深いの想像してた。
早速帝国の特色に触れ、僕の興奮は最高潮へと成る。
やはり元の世界に無かった物を見ると心が躍る。
「人っぽいとかそうじゃないっぽいとか本人に言っちゃダメよ? 私、初対面で見た目の事とやかく言う人は嫌いよ?」
「あ、ご、ごめん」
と、リシアに説かれて僕は漸く自分を客観視できた。
そりゃ相手からしたら自分を見せ物の如く騒がれては気持ちよくはないだろう。
「まるで人族が基準で正しいみたいな言い方は控えなさいね。主は全ての命に対して寛容であり、そしてそれぞれに存在意義があるとしているわ。あなたがあなたらしくある様に、彼らも彼ららしくある。それだけで正解で、とっても幸せな事なのよ」
リシアは祈る様に両手を組んでそう言った。
「あ、アーメン?」
僕も適当に十字を切って見せた。見る人が見れば怒られそうな雑さだ。
「さて、さっそく用事を済ませたい所だが」
と、そう言って周囲を見るクレナ。
ティアちゃんを探してるのだろう。
「待ち合わせとかしてないもんね」
見た所居る様子は無くて僕は言う。
帝都はめちゃくちゃ広い様だし、闇雲に探したって仕方ないだろう。
「取り敢えず組合にでも行くか」
その言葉で僕らは動き出す。
「ん? そういえばこれ、王国で作った物だけどこっちでも使えるの?」
僕は今しがた入門する時にも提示したギルドカードを見て言った。
「ええ。もちろんです。同じ組合ですから」
と、リリスが応える。
話によると、今まで利用してきた組合や冒険者が示すそれは全て同一の企業であるらしい。
僕はずっと国営だと思っていたが、実は民間企業だったと言う事だ。
それも国を跨いで運営する多国籍企業というやつだ。
そして組合の出店地域だがなんとこの大陸全ての国に支店を置くという。
さらに本部は別の大陸にあると言うのだからその巨大さが窺える。
アルヘイムの方にも、寄ってはないが本当は組合もあったのだろう。
「あ、そういえばさ。ちょっと僕のレベルとかステータス? みたいなのが気になっててさ。組合で測れるんでしょ? せっかくだし測りたいなぁーなんて」
組合に向かう道中、僕は思い出してリリスに言った。
「能力値、ですか……。私はやめた方がいいと思いますが」
「え? どうして?」
と、僕は意味が分からず問い返す。
「とにかくダメです」
リリスは目を合わせずに応えた。
「そうなの? まぁ、リリスが言うなら」
リリスにしては全く理屈の通ってない説明だったが、ともかくリリスが言うならそうなのだろうと飲み込んでおく。
◯
この世界の文字だが日常的な言葉であれば大凡意味は分かる様になった。
何より日頃から意識してるお陰か、元の発音を聞く事も練度が増しつつある。
後問題なのは発声であった。
「大森林、の……主、赤い、竜を、とう……討伐、されたし。しゃ、灼熱の、業火を……警戒せよ」
「素晴らしい。100点です」
僕が辿々しくも目の前の掲示板に貼ってある依頼書を読み切ると、すかさずリリスがパチパチと手を叩いて褒め称えた。
「そうかしら? 私的には60点ね。発音が聞き取りずらいし、拍も悪いわ」
「俺的には40点だな。今のでは情緒が伝わりづらい」
「20点だろ。もっと声出せ」
「わ、私は十分いいと思うな〜! 少なくとも、頑張りは100点だよ!」
他の面々からの評価を受けて肩を落としつつ、自然と視線はマリンの方へと集まった。
「う、え? 聞いてませんでした」
その反応に僕らはそれぞれ苦笑いやら微笑むやらの表情をする。
最近、実はマリンが一番マイペースなんじゃないかと思い始めている。
僕はマリンから目を離して組合内を見渡した。
冒険者組合エルドラド東区第二特別出張所。この支部の正式な名だ。
サングマリア王国で見てきた組合との差は大して無い様に思う。
強いて言うなら首都の支部という事あってか広いのと、依頼書の数が多い事だろうか。
そう思いながら壁に沿って掲示板を見ていき。
「ん? 何これ」
僕は掲示板に貼られた幾つもの紙を見て言った。
その紙には『エルドラド支部討伐数順位』や『帝国累計報酬額順位』などと名前が一覧書かれた紙が幾つもの張ってあった。
「ランキングか……。帝国の組合では色んな形で順位が発表されると噂で聞いたことがあったが、本当だったみたいだな」
と、クレナが言う。
なるほど。実力主義らしくていいな。
そう思いながら適当に流し見ていると。
「ねぇ、これ見てよ」
エリィが一枚の紙を見上げて言った。
「『帝国大物討伐順位』だってよー」
僕らが集まってから紙を読むエリィ。
それは恐らく帝国内で依頼、討伐された魔物の強さを順位付けしたものであった。
一位は『蒼炎竜グゲルガン』と言ういかにも強そうな名前と、『B−』と言うその魔物のランク、そしてその隣に『七星の流群』というパーティー名が書かれていた。
さらに一位は同一でもう一つあるらしく、『疾鱗竜フェイン』と言う魔物の名前、『B−』と言う強さ、そして驚くことに『アルバート・フルファ』と言う名前だけが書かれていた。
勘違いじゃなければこれは単独で倒してせしめたという事だろう。
山脈で飛竜と会敵した身としては信じられない思いだが、リリスと同等かそれ以上の人が居ると思えば納得できなくはない。
他にも『帝国達成依頼難易度順位』もあった所を見るに、こちらは倒された魔物単体の強さの順位なのだろう。
帝国は魔物が多い分冒険者も強い人が多そうだ。
「それもいいけど、どうするの? 書き置きも無かった訳だけど」
と、リシアが言う。
「そうだな。俺達からできるアクションも無い訳だが」
それに応じるクレナ。
リシアの言う通り、組合に設置されてる掲示板には僕ら宛ての書き置きは無い。
帝都に着いた事は書いたので返信待ちと言う事になるのだろう。
一応お金を出せば他の支部にも掲示板の内容が回る様にもできるらしいが、態々感が拭えないし結構値も張る。
「まぁ、今回は急ぎでも無いし適当に過す?」
そう言って僕は皆んなを見回した。
それに待ってましたと言わんばかりに目を輝かせるリシア。
「そうと決まれば観光ね!」
まぁ、そうなるとは思った。




