⑥ まとめ/その他の収入の増やし方/お金との付き合い方
筆者:では、ここまでのまとめをしてきたいと思います。一部繰り返しですが、一部はこれまでにないことも書いていきます。
まず、皆さんの給料が上がらないのは、一般的に言われている生産性が低いからではなく社会システムのせいだと言うことをお伝えしました。
バブル崩壊後に労働組合の会社側が裏で結託し、終身雇用と引き換えに給与上昇を抑えるような取引をしました。
ですから皆さんの生産性が向上した分と言うのは、“サービス残業”などとして支払われていないのと同様に、会社の懐に入っていっているわけです。
しかし、退職金は削られさらに控除優遇まで減らされようとしています。
また、政府も株主資本主義重点政策を次々と繰り返し、企業も短絡的に人権のカット(非正規雇用化)に努めていきます。多くの日本企業の商品に魅力が無く、価格でしか評価できないのも問題の一つになっています。
しかし、GDPの6割ぐらいが個人消費の日本においては給料が伸びないとGDPの減速にも繋がります。会社もめぐり巡れば苦しくなると思えそうですが、海外進出をすることでそれも逃れています。
日本のグローバル企業が過去最高益とか株価がバブル崩壊後最高値と言われても、一般国民がピンとこないとおもいます。
というのも、日本国内に富の分配が行われているわけではなく、海外で売り上がっていることや円安、中国への投資リスク、PBR1倍割れを軽減するための自社株買いなどが原因、また一般国民の労働賃金が買い叩かれていることだと思いますね。
質問者:そんな中で給料や収入が上がる方法があるわけですよね?
筆者:本稿では主に4つ取り上げさせてもらいました。
1ストライキ 人手不足社会になっているので一定以上の効果はあります。ただし、周りとの合法的なストライキのためには労働組合が必要になります。また、資本家との関係が悪化することが懸念されます。
2提案型労使交渉 どうすれば給料が上がるのかについて(年齢や勤続年数以外で)具体的に、給与決定権限者に直接、聞いてみます。このことによって、リスキリングの効率を上げることができます。
3良い環境に転職する 会社分析も大事だが入社してみないと分からないことも多いです。
羅針盤になる自己分析が必須です。何が自分にとって必要な条件か? 十人十色の「職場環境100点」があるのでそこを探しましょう。
また、現実との折り合いをつけることも大事です。
4個人事業主として独立する 大量生産されているサービスに付加価値を生み出すことが大事です、それに対してお金を払って買ってくれる人がいることも大事です。
どれも難しい事だとは思うのですが、日本人全体の可処分所得が中々上がらない中、自分だけが上がっていくというのは並大抵のことではありません。
日本の場合は社会全体の構造上の問題もありますから尚更です。
いうなれば下りエスカレータを登っていくぐらい大変だと思ってもらえればいいでしょう。立ち止まっていては可処分所得は徐々に下がっていくのです。
ある程度のリスクや責任を負うことや自由時間を一時的に削らなくては収入は増えないのです。
質問者:世知辛いですけど、日本全体が上昇気流に乗っているわけではありませんからね。ちょっとでも景気が上向けば増税や社会保険料増額が検討されるような状況ですし……。
筆者:政治としては消費税減税、法人税増税など色々やれることはあると思うんです。
しかし、政府は利益者集団や外圧の顔色を窺ってばかりですからお話になりません。
正直なところ、この惨状では政府に頼ってはいられません。今後は、他力本願では無く「自己防衛」として自立していくことが必要だと思います。
質問者:ちょっと、紹介された4つの方法とされたモノ以外で収入が増えそうなことについて質問しても良いですか?
筆者:何なりと。
質問者:よく、「副業をすることで収入を増やそう」みたいなことをおっしゃっている経済学者さんがいらっしゃいますけど、副業についてはどう考えておられますか?
筆者:確かに副業をすることで収入は増えますが、僕的には独立をする寸前で“独立した後にやることを試しにやってみる”ぐらいな感じでやるぐらいのものだと思っています。
というのも、主な会社に所属していないだけで、実を言うと残業をしていることと何ら変わりないんですね。
余程生活に困窮している状況でなければ、体を壊してしまう原因にもなりかねませんので、お勧めできません。
睡眠時間や自由時間を削ることになると思うので“趣味の範囲“だと思わないととてもやっていられないと思います。
例えば僕が今、このエッセイを書くのは無給ですが、1人でも多くの方が幸せになってくれたり気づいてくれたり、考えるきっかけになってくれればそれで満足ですので、目的がそもそも違うのです。
“労働時間をそのままにして収入を増やす方法”だと思っておいてください。
質問者:なるほど、「趣味でお金が貰える」ぐらいな感じでやるのが一番と言うことですね。
次に、日本が円安だから海外に移住して働こうという話を最近記事で見かけました。
それについてはどうお考えですか?
筆者:確かに、海外で仕事をすることで額面上の収入の金額だけは増えると思います。
しかし、物価が同じ倍率だけ高い事を考えますと可処分所得的にはあまり変わらない可能性があるんです。
そうなると、文化・言語・民族・宗教などあらゆる側面で日本とは異なりますから、リスクも多いと思います。
ただ、生活を切り詰めることができて、貯金をすることができれば日本に持ち帰ることで絶大な力を発揮する(時給が2倍違うどころで働いたら貯金額が2倍になるような感覚)ことは間違いないので、貯金する能力が高い方は良いのではないかと思います。
後は、学生さんで新しい世界に旅立ちたい方や、他の言語が出来て日本にこりごりだという方は移住しても良いと思いますね。
言語の壁や生活環境に馴染めるかのリスクがあるのでメリットとデメリットを比較して判断していただきたいと思いますね。
質問者:なるほど、確かに言語や文化の壁は大きそうですよね……。
最後ですが、株式やFXで大儲けされている方がいらっしゃいますけど、それについてはどうお考えですか?
筆者:正直なところ株やFXでは余程の知識や経験がないと難しいように思います。
一攫千金を狙うなら宝くじでも買った方が効率が良いんじゃないかと思うぐらいです(笑)。
基本的に株式は、余剰資金で「忘れていた頃に確認したら増えていた」ぐらいなノリでやるべきモノであり本業にするべきではないと思いますね。
僕の知り合いでFXをメインでやっている方がいますけど、数億の資産が事前にあって、しっかりと勉強されていて、人海戦術でお金を使えて初めて年間数千万円儲かるとかそう言う感じです。
また、海外のトレードなどをやっているとパソコン画面に張り付くしか無いので、寝る暇がないとかそんなことを言っていましたね。儲けが少ないと残業を永遠とやらされているような形になってしまいます。
夢の無い話かもしれませんが、現実はそんなものです。
FXよりも株式ではS&P500の利回りが一番良いと言われていますからそれでコツコツと定額積み立てを行うのが株式投資では無難かなと思いますね。
僕は株式すら虚像の資産だと思っているので、資産防衛を行うのでしたら実物資産である備蓄品、ゴールドやプラチナ、生産能力がある不動産を購入することをお勧めしますね。
質問者:やっぱり、一攫千金と言うことはあまり無いんですね……。
筆者:ということで、副業、海外移住、株式(FX)はとても収入が増える方もいるけど、デメリットの面も大きいので汎用性が低いというのが僕の評価です。
あと、僕はあぶく銭のように湧いて出たお金は無駄遣いしてしまいがちだと思っていますので、「コツコツ貯めてここぞという大事な時に使う」と言うのが良いお金の使い方かなと思いますね。
不必要な支出を抑えるためには、本当に必要かどうか精査していくことも大事だと思いますね。
質問者:なるほど……。日々の支出についても考えていった方が良いですね。
筆者:まぁ、お金は生活のためには絶対に必要ですし、人生設計においても大事ですけど振り回されないようにしたいですね。
日本にいる政治家の方とかお金や利権に目が眩んで日本の国益を害していますからね。
そんなもののために魂までは売り渡したくないなと言うのが僕の考えですかね。
後は“お金稼ぎ”に没頭して私生活に余裕がないというのも好きではありませんね。
余白の時間は楽しんだり、社会貢献する――まぁ、僕の場合は社会貢献はこのエッセイですがどの程度皆さんのお役に立っているかは不明ですけどね(笑)。
質問者:確かに、今の政治家の方々は「合法的な泥棒」みたいな感じで国民からお金を吸い上げていますからね……。
また、お金を稼いでも何にどう使うのかと言うのはかなり大事になりますね。
筆者:まぁ、こういったメンタル面でのお金の考え方についてはいずれメンタルの話としてまとめさせていただきます。
と言うことで今回もここまでお読みいただきありがとうございました!
今後もこのように政治経済系統のエッセイや、国際情勢について書いていきたいと思います。またよろしくお願いします。