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ヒーローロード・リメイク  作者: MrR
ブラックスカル編
23/40

第22話「巳堂 白夜」


 出島。


 そう呼ばれている場所がある。

 学園と日本の本州を繋ぐ玄関口。

 そこが何時の頃からか出島と呼ばれるようになった。


 出島はとても賑わっており、その一方で最新鋭の設備の警察署や自衛隊の基地、駐屯地が密集している。

 

 これは警察や自衛隊――もっと上の日本政府が天照学園を敵視している結果であると言われている。


 デザイアメダルの犯罪も警察は最初の頃は黙認している節があった。

 だが最近は手に負えず、死傷者まで出る最悪の状況だった。

 自衛隊は法の縛りもあって手が出せず、日を追うごとに状況は悪くなりつつあった。



 Side 天野 猛


 出島に来た天野 猛達。

 トレーラーを使って移動し、ホテルを借りての本格的な滞在だ。

 表向きはヒーローショーの遠征と言う事になっている。


 だが現地についてみれば――


「出島ってこんなに寂れてたっけ?」 


「なんか活気がないですね――」


 人通りの多いところはともかく、少し道を外れると一気に活気がなくなっている。

 現在出島はブラックスカルの支配地域になっていると聞いているが――この分だとブラックスカルの人間とやり合うのもスグと言ったところだろう。


「いたぞ!! ヒーロー部の連中だ!!」


「ほら早速来た」


 猛と春歌の二人は変身。

 戦闘に突入する。



 出島の各所で戦闘が勃発。

 次々とブラックスカルの構成員を薙ぎ倒し、戦っているが数が多い。

 そんな時だった。


『こっちだ!!』


 白い蛇をモチーフにしたと思われる、ダークヒロイックなスーツを身に纏った謎の存在が現れた。

 右腕は完全に蛇を模したガントレットになっている。

 背丈からして高校生か、あるいは大学生だろうか。

  

『俺の名は巳堂 白夜、アーカディアが探している裏切り者の理事長の息子だ』


「えっ? ちょっと待って!? 情報量が多すぎて分かんないんだけど――」


『隠れ家に案内する! とにかくこの場にいたらまずい!!』


 同時にデザイアメダルの怪人同士で争いが始まった。

 猛は――

 

「ついて行ってみよう」


「でも、大丈夫なんでしょうか!?」


「大丈夫。司令にも許可は貰ったから!」


「分かりました。危なくなったら逃げますよ!」


『助かる!!』


 そして猛は巳堂 白夜の後を追う。



 巳堂 白夜。


 中肉中背の白髪の少年。

 切れ長の鋭い瞳が特徴的だ。

 姫路 凛と同じく理事会の息子であり、同時に悪評で有名な少年だった。

 最近学園で話題になる事はなくなり、アーカディアでも行方は追っていたらしいが――隠れ家らしい廃工場に案内された。


「ここは俺達の隠れ家だ――ブラックスカルにやり方についていけなくなった連中が集まってる」


 と、周りを見渡す。


「やり方についていけなくなったってどう言う事ですか?」


 当然の疑問を春歌はぶつけた。


「簡単な話だ。ブラックスカルは――昔は今みたいな組織じゃなかった。学園でのはみ出し者の集まり物の受け皿だったんだよ」


 遠い目になりながら白夜は語る。


「だがある時を境に変わっちまった――いや、自立しようとしなかった俺達にも責任はあるかもしれないが――ともかく、ムクロさんは昔はあんな人じゃなかったんだ」


「まさかメダルの影響で――」


 猛はその線を考えた。


「しかも何を考えているのか学園でテロを考えているらしい」


「学園でテロ!?」


 急に話が大きくなって猛は思わず声を挙げてしまう。


「詳しくは分からないが、自衛隊や警察が大量に密造しているデザイアメダルを奪って学園に大量にばら撒き、一斉に怪人化させる計画らしい」


「そんな計画が――」


 自分達の知らないところでそんな計画が進行していたとは夢にも思わなかった。

 嘘を言っているようにも見えない。


「厄介な事に自衛隊も警察もこれを黙認してるって事だ。だから正直に話して警察に自首する事も出来やしねえんだ」


「本当ですか?」

 

 春歌がその点を指摘するが。


「じゃあさっきの騒ぎで警察が駆けつけたか? 自衛隊が出動したか? それが証拠だ」


 と、返された。

 確かに自衛隊はともかく警察は出動しなかった。

 状況証拠はあると言う事だ。


「話は変わるけどこれで全員?」


「いや、正直俺達にとって賭けだったからな。逃した奴もいる――」


「逃したって――」


「お前らも俺達の事、まだ信用できてないだろう? それと同じように俺達もまだお前らの事を信用できてないって事なんだよ――」


 そう言って工場内に置かれたソファーに座り、目を手で覆う白夜。


「懸けだったんだよ、同時に俺達の生活も限界だったんだよ。そんな矢先にお前らがやって来たんだ」


「そんな事が――」


 ここで司令から通信が入る。


『今すぐそこから逃げたまえ!!』


 と――

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