表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーローロード・リメイク  作者: MrR
ブラックスカル編
19/40

第18話「ヒーローショー・暗躍編」

 Side ???


 ヒーローショーなる物を聞いて心が疼いた。


 同時により盛り上げてやろうと思った。


 どうするべきかと思い、周辺を探索していたら腐っていた学生連中を見つけた。


 そいつらにデザイアメダルを渡そうと考えて――


「やめてもらえないかな?」



 Side ジーニアス司令


 ジーニアスは「やっぱり邪魔が入ったか」と思った。

 だが相手が相手だ。

 穏便に済ませた方がいいと思った。


 なにしろ相手は――


 黒いドクロのエンブレムがついた紫色のシャツに黒い上着。

 ニット帽。

 白髪のショートヘアー。

 背が高くて体つきも良い、ほのかに野性味を感じる俳優のような青年。


 ブラックスカルのリーダー。


 ムクロ。


 いや、ムクロであるかどうかも怪しい。


 どんなに優秀な人物でも、何処まで言ってもただのカラーギャングのリーダーでしかない。


 その程度の人物が本来国家と駆け引きなど出来る筈がない。 


 それにこうして直接目にしたから分かる。

 本当に人間なのだろうかと。


 まるで人ではないかのような邪悪な何かを感じる。


 ジーニアスは思う。

 戦えば勝敗はともかく周囲はタダでは済まないと。


「アーカディアのジーニアス司令か――こんなところで会うとはよい偶然もあったものだ」


「出来れば退いて欲しいかな? 戦ってもいいけど周囲は取り囲まれているよ」


 そう言うとムクロは変身した。

 黒いドクロのフェイス。

 漆黒のプロテクター。

 赤いマント。

 一対のサスペンダーにはメダルが幾つも装着されている。


 紫色の禍々しいオーラがジェット噴射のように吹き荒れていた。

 本当にデザイアメダルによる変身なのかどうかも疑わしい。 


『何時かまた挨拶に向かおう』


 そう言ってドクロの怪人は姿を消した。


「ふう、言ってくれたか……」


 危なかったと思う。

 もしも戦闘になればヒーローショーどころか周辺に間違いなく被害が出ていた。

 取り押さえる頃には学校は間違いなく廃墟になって悪の道に引きずり込まれようとしていた少年少女は何人か死んでいただろう。


 そして問題の少年少女達は腰を抜かしてその場に座り込み、目を見開いて口をパクパクさせて放心していた。


 その様子にジーニアス司令は(無理もないか……)と思った。


 ただの火遊びでは済まない。

 命のやり取りが平然と行われる裏の裏とも言うべき世界を垣間見たのだから。


「君達、今日の事は忘れなさい。それと今からでも真面目に生きる事をお薦めするよ。悪い人間になるって事はより悪い人間を呼び寄せるって言う事になるんだからね。今みたいに」


 それを理解しているのかどうか分からないが黙ってコクコクと頷いた。

 本当に更生して真面目に生きるかどうかは分からないが、暫くは大人しくするだろう。

 その間に身の振り方を考えて改心してくれると良いのだがと思う。


 思うに人間とは弱い生き物だ。

 間違いもする。


 それを正すべき、模範となる大人が指導、教育しなければならないのだが、昨今の大人からして問題があり、子供たちそう言うダメな大人を見て成長してしまうのだ。

 

 悪影響を受けない方がおかしいのだ。


 その結果が今目の前にいるような子供たちやデザイアメダルを使って悪事に走る子供たちを量産しているのだ。


 見本となる大人だけでなく、子供も必要なようにジーニアス司令は感じた。 


(ともかくここでの一件は伏せておこう)


 とりあえず駆けつけてきた猛君達には暫く真実を伏せてヒーローショーに集中してもらう事にした。


 言い訳はデザイアメダルの売人を追い払ったとでも言えば信じてくれるだろうか。


 少し良心が痛む司令であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ