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ヒーローロード・リメイク  作者: MrR
ブラックスカル編
18/40

第17話「ヒーローショー・準備編」

 Side 天野 猛 


 =前回から翌日・早朝・猛の母校にて=


 ヒーローショーその物は台本はあって内容なもの。

 場の流れや立ち回りを覚える簡単なものだ。

 

 第一回の開催は母校となった。

 なるべくボランティアと言う形で学生の参加も呼び掛ける形だ。


 ここで役に立ったレヴァイザーではなく、セイントフェアリーのネームバリューだろうか。


 セイントフェアリーは活動期間が長かったのもあり、ファンも多くいる。

 

 それゆえ想定外に多くの人間が集まった。


 まだ本番どころかリハーサルしかしていないのに見学者が詰め寄るのである。


 だが姫路 凛の意見は違った。


「確かに話題性もあるけど、こんな状況だからね。皆、心の奥底で溜め込んでたんだと思うよ?」


 とのことだ。


 周囲の人だかりを観てると、猛もそう言う風に感じてきてしまう。


「正直言うと馬鹿にされるんじゃないかと思った」


 それでも猛は不安を口に零してしまう。


「馬鹿にしたい奴は好きなだけ馬鹿にさせておきなさい」


 だが凛の意見は違った。


「不満な現状や未来から目を逸らしてクール気取ってる俺カッケーみたいな連中なんて相手するだけ時間の無駄よ。そう言う連中はどんなに必死に努力をしてる奴も笑うんだから」


「部長――」


「だから猛、もっと胸を張りなさい。貴方もう既にヒーローなんだから」


「――はい!!」


 猛に迷いはなくなった。

 練習に打ち込む。



 =昼休み=


 人だかりが増えてきた。

 教師や生徒、アーカディアなどのスタッフが出入りしている。

 学校の外も何だか見物者が出来ていて猛は何だか有名人になった気分になった。


 そんなところに現れたのは――


「どうも、天村 志郎です」


 天村 志郎が現れた。

 同時に怪人や戦闘員の本格的なコスチュームを運び込んでくる。

 そして天村 志郎本人は悪の怪人の総統役で出るつもりのようだ。

 ある意味適役と言える。


 同時に姫路 凛と共同でイベントの進行も行うつもりのようだ。

 ちなみにジーニアス司令も一枚噛んでる。


(凄く本格的だな~)


 などと猛は思った。




 大まかなストーリーの流れはこうだ。

 ヒーロー部のお披露目会に交流会に天照学園悪の組織部が襲撃を仕掛けてくると言う単純な物語である。


 まあ初めてなので、そんなもんで良いだろうと猛も思った。

 それにあまり複雑すぎると本来の戦いに支障が出かねないと言う理由もあるのだろう。


 ヒーロー、学生の二足の草鞋でも難しいのに三足目はキツいに決まっていると言うことだろう。

 

 そんなこんなでヒーローショーの準備は進んでいく。



 Side 猛の学園の生徒達


「ヒーローショーなんて幼稚なのに何でこんなに人が集まるんだか」


「正直かったりぃよな」


「そうそう」


 などと生徒達が人が寄り付かない校舎裏で駄弁っていた。

 彼達は姫路 リンガ言う、「努力している連中はダサい」、「努力してない俺達カッコいい」的な、学業どころか人生が不真面目な生徒である。

 

「ちっ、ムカつくな」


 この手の輩の厄介なところは「じゃあ放置していればいいだろう」、「関わらない」と言う選択肢を取らず、まるで自分が否定されているようでムカつくので憂さ晴らしに「何かしらの嫌がらせ」をすることだ。


 例えば機材を無茶苦茶にしたりとかの子供らしい子供の嫌がらせをするのだ。


 だが想像以上に本格的で警備もついていて隙がない。


 現在デザイアメダルのせいで不審な人物であれば例え子供であっても尋問される事案が増えている。


 特にこの学園では先日、デザイアメダル絡み事件の問題が起きたばかりなのでより警戒は厳重になっているのだ。


「つったって、どうする?」 

 

「ムカつくの分かるけど、放置するしかなくね?」


「どうせあんなダサい催し人なんか来ないっしょ」


 とか言いつつ、既にヒットの予感をこの場にいた皆が感じ取っていた。

 だがそれを指摘する人間は誰もいなかった。


「そんな君達に力を与えてやろう」


 そんな彼達に近づく影が一つ――

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