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ヒーローロード・リメイク  作者: MrR
ブラックスカル編
13/40

第12話「招待状」

 Side 天野 猛


 猛達の前に現れたのは学園の不良少女たちだった。


「誰あいつら?」


 猛は図書委員の女の子に尋ねた。


「今デザイアメダルの力で学園仕切っている張本人だよ」


 震えて泣きながらそう言う図書委員の女の子。

 そんな少女が面白いのか不良少女たちはニタニタしていた。


「本当にヒーローごっこなんてダサいよね。今時小学生でもやんないっつーの」


 最初に出たセリフがそれであった。

 

「地味子ちゃん? 何やってるのかな?」


 地味子と言うのはこの図書委員の女の子のアダ名らしい。

 小動物のように震えている少女はビクッとなった。 


「その人達に頼って私達を倒して貰おうとか考えてるのかな? やーこわい」


「違う、私はそんな――」


 少女は不良少女の考えを否定するが――


「説得力ないっつーの」


 と、切り捨てる。


「デザイアメダルをばら撒いているのは本当?」


 ここで猛が会話に参加した。


「は? そいつの言う事を本気にするの?」


「ただ尋ねているだけ」


「うんなの可能性の話だろ? そいつだってデザイアメダルを所持しているんだし」


「どうして所持しているって分かるの?」


「はぁ? 今の時代簡単に手に入るだろ?」


「じゃあその簡単に手に入れる方法を教えて欲しい」


「そんなの自分で――」


 その時、周囲からアーカディアの職員が包囲するように現れた。


「テメェ!? 嵌めやがったな!?」


 怒りを露わにして不良少女は猛を睨みつけた。


「猛さん、さっきの会話は?」


「うん、時間稼ぎだよ――」


 そう春歌に返して改めて不良少女に向き直る。


「もう逃げられないよ。さっきの会話は録音してある。君もごめんだけど事情聴取に付き合ってもらえるかな?」


「え、あ、その――」


 図書委員の女の子も突然の展開に困惑している。


「え? 嘘? 私メダル使ってないのに!?」


 突如として不良少女達が怪人化していく。


『役立たずは役立たずなりに役に立ってから退場してまえよ』


 同時にロボットが空中から現れた。


「確か研究所の時の!?」


 猛は思い出したのは研究所の跡地。

 自爆システムによる吹き飛んだ場所で――出会った戦闘ロボットだ。

 レヴァイザーのライトニングフォームで破壊した奴である。


『デザイアメダルの遠隔操作システムだ。レヴァイザーの戦闘データは興味深いからね。精々頑張ってデーター収拾のために役に立って欲しいかな。うん』 


「今は思い通りに戦うよ! だけど何れお前に辿り着いて見せる!!」


『期待しているよ。うん』


 そうして猛は変身する。

 春歌も変身した。


 図書委員の女の子はアーカディアのスタッフに任せて退散させる。


 

 Side 城咲 春歌


 猛はこの事件の黒幕の一人かもしれない人物が操る遠隔操作のロボットと戦っていた。


 春歌は不良少女三対で苦戦する――かと思われたが。


(よ、よわい――)


 あっと言う間に一人倒した。

 胸部の出っ張り部分からハートブラスターを一発撃ちこんで3人を分散させた後、腰のハートデリンジャーを引き抜いて軽く一対一の射撃戦に持ち込み、トドメのフルチャージショットで一体撃破。


 揚羽 舞などが強すぎたのだろうかと春歌は困惑する。


「この分だと私の出番は無さそうね」


「沙耶さん来てたんですか?」


「まあ同じチームだしね?」


 と、森口 沙耶が怠そうな感じで返した。

 一応変身はしている。

 漆黒のSFデバイス的な杖を持った緑と黒のSFセーラー服魔法少女と言った感じだ。


「そーれ、一発かましちゃうよ?」


 杖の先端が鼻のように開き、そこから緑色の光弾が上空に向かって複数射出される。

 そして次々と放たれた光弾が一旦目標の上空に近辺にピタッと止まり、目標へ1テンポ遅れて着弾していく。

 

「これで一体か。私の出番無かったかしら?」


 眼鏡をクイッとあげながら欠伸をする。



 Side 天野 猛


 猛と謎の戦闘ロボットは接戦していた。


『うん、役立たずだとは思っていたがここまで役立たずだったとはね。計算違いだったよ、うん』


『後は君だけだよ!』


『本当は適当にやって自爆でもしようかと思ったけど――うん、仕方ないね』


 そうして攻撃の勢いが増していく。

 

『こいつ!?』


『レヴァイザーは基本のフォームに加えて4つのフォームが存在するまでは把握済みだよ。それぞれの必殺技もね、うん』


『じゃあこれなら!!』


『ッ!?』


 突如として猛の片手に剣が現れた。

 反対側の手には銃も。

 

『成る程、そう来たか――だけど苦し紛れの一撃じゃどうにもならないよ? うん』


『どうかな?』


 レヴァイザーの胸の出っ張りが上下に開口。

 レヴァイザー本体が緑色の粒子に包まれる。


『これは――』


 さしもの変化に驚愕を覚えたのか硬直するロボット。

 レヴァイザーは空中に、天高く飛び上がり――


『レヴァイザァーキイィィィィィィック!!』


『中々興味深いデータだった。次は本気で相手をしよう、うん』 

 

 戦闘ロボットは上下に砕かれ、勢いは止まらず公園に大きなクレーターを作り、爆発した。



 アーカディア本部。


 各チームに与えられたミーティングルームにて。


 夜になり、猛と春歌は今日の事を思い返す。

 

 沙耶は「散々な一日だったわね」と言って早々に退散し、ジーニアス司令からは「学園内の共犯者も大量に取り締まれた。場の流れだったとは言え大手柄だったね」と言われた。


 同時にジーニアス司令からこんな事を言われた。


「本部宛てに君を名指しで場所と日時を指定された。恐らくあの戦闘ロボットの製造者だろう」


 との事だった。


 正直不安ではあるが行くしかないと思った。


 それが加島 直人との誓いなのだから。


「学校もこれでマシになるといいんですけど」


「確かにね――」


 自分達の通う学園はデザイアメダルに汚染されていた。

 それを粗方除去は出来たが心までは除去できたかと言われると別問題だ。


 そんな悩みに猛が出した結論は――


「地道に頑張るしかないよね」


「はい――お付き合いします」


「学園全体を上手く良い方向に盛り上げていければいいんだけど――」


「ですね……」


 などと二人は知恵を絞るのであった。


 

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