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ヒーローロード・リメイク  作者: MrR
ブラックスカル編
1/40

プロローグ

 Side 天野 猛


 物語におけるヒーローの目覚めやキッカケと言うのは総じて悲劇からはじまる。


 金髪に緑色の瞳のやや小柄な中学2年生の少年、猛の場合もそうだ。


 彼は父親から託された変身ベルトで青い特撮ヒーローのようなデザインの戦士、レヴァイザーに変身した。


 場所は人が寄り付かぬ廃工場。


 横たわる友人、加島 直人の死体。


 長い黒髪の幼馴染の少女、城咲 春歌


 自分を取り囲む怪人軍団。


 天野 猛は怪人軍団に烈火のような勢いで挑みかかった。


 そこに正義だの使命感だのはない。


 復讐や己の無力さ。


 それが今の天野 猛を突き動かしていた。


 怪人軍団は加島 直人をイジメていた連中だ。


 加島 直人を怪人に見立てて自分達はヒーロー気取りでイジメて楽しんでいた屑野郎だ。


 同じデザイアメダルと呼ばれる、怪人化するメダルを使用していると言うのに。


 その事実もまた天野 猛の怒りに火を注ぐ理由になっていた。


『なんだこいつの力は!?』


『に、逃げるな!?』


 とても初めての変身とは思えないぐらいに暴れまわるレヴァイザー。 


 気が付けば10体近くいた怪人を倒して――


「もういい、もういいです猛さん」


『春歌ちゃん……』


「これ以上相手を傷つけても、直人君は戻ってきません――」


 そして猛は変身と解き、その場に崩れ落ちて、泣き叫んだ。



 加島 直人の葬儀が終わり、暫くしてから――


 巨大な人工島である学園島の傍にある自然の島、天照てんしょう島。


 見晴らしの良い海が見える絶景のポイントで数えきれない墓が幾つも並んでいる。


 天野 猛は変身ヒーロー、レヴァイザーとして活動――してはおらず、あの日の後悔を引き摺ったまま生きていた。


 今日もまた加島 直人の墓の前にポツンと佇む。


 今の自分に愛想を尽かしたのか城咲 春歌は最近行動を共にしていない。


 自分はどうすれば良いのか分からない。


 いや、本当は答えは出ている。


 だけど自分にその資格があるのかと自問自答してしまう。



 どこか心あらずの状態のまま学園島の大部分を占める人工島に戻った天野 猛。


 ただ目的もなく、フラフラと町を彷徨う。


 まさに心ここにあらずの状態。


 だが天野 猛と言う少年は普通の少年ではなかった。


(本当、どうしてなんだろうね――体が勝手に動いちゃうんだから)


 天野 猛は白昼堂々繁華街で青い戦士、レヴァイザーに変身し、カマキリ型のデザイアメダルの怪人と戦っていた。

 

 デザイアメダルの怪人から誰かを助けるのに資格だの理由だの考えていた自分が馬鹿らしく思えてしまう。


 戦い方も怒り任せの戦いから周囲を見ながらの、誰かを守る戦いをしている。


「あの、アナタは――」


『今はそんなことより逃げて――』


「あ、はい!」


 助け出した女子生徒を逃がし、デザイアメダルの怪人に向き合う。


『何だお前は!? ヒーローの一体か!?』


 デザイアメダルの怪人は動揺したようだ。

 まさかのヒーローの出現。

 その力は超常的な力を得た自分よりもさらに上を行っている。


『僕はレヴァイザー。もう二度と過ちを繰り返さないためにも、お前をここで止める!』


『舐めるな!!』


 両者は激突する。

 相手の攻撃に合わせるように次々と攻撃を当てていく。

 一分もしないウチに怪人はグロッキーになっていた。

 

『そんな――俺は強くなったんんだ!! 俺はこんなところで!!』


『違う。強くなったんじゃない。ただ化け物になっただけだよ』


 猛は一歩、二歩、三歩、走って跳躍。

 右脚に青い光のエネルギーが身に纏う。

 

 そして猛は流星のような速度で怪人に蹴りを叩き込んだ。


 爆発。


 ゴロゴロとカマキリのデザイアメダルの怪人は人間体に戻り、傍にカマキリが描かれた銀色のメダルが転がっている。


 猛は躊躇いなくその銀色のメダルを破壊してその場を去った。



 嬉しいのか悲しいのか分からない。


 でも猛はヒーローとして戦った。


 再び歩み始めた。


 これが猛の最初の一歩の物語。

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