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我ら、魔王討伐部!~異世界には行かずに普通の学校生活を送りたい~  作者: UCベクトル
序章 我ら、魔王討伐部!
9/60

7話 異世界でやりたいこと

 さて、そんなわけでなろう系のような掴みは取れたとして、本題に進むために俺は色々と朝倉あさくらノエルに聞いた。

 というか、1からある程度のことは教えてもらった。


 まず始めに、ここはなぜか知らないけど掃除箱と繋がっている異世界の国の1つで、溢れまくった魔王たちがまだ侵攻をしていない穏やかな王国『スターリア王国』であるらしい。


 そして、この世界の人々には職業と言われるRPG方式が採用されていて、色々な職業が存在するらしい。

 でもまさか魔王という職業だとは想像していなかったが。


 それで、この世界の人々はアビリティとスキルを駆使しながらモンスターを倒したり、自分の職業に適したスキルを覚えたりしているらしい。


 で、俺に顕現したアビリティの1つ《ロキの加護》という自身の攻撃力より低いモンスターを倒すことが出来るチート能力があるわけで、俺の脳内にいる自称ロキをロキと改めなければならない。


 そして、意味不明にも《?》が記されているアビリティ《勇者と魔王》。

 はっきり言って嫌な予感しかしない。


 最後に、能力値だけども、この世界のシステムでは、体力以外は100がカンストらしい。朝倉あさくらノエル曰く、攻撃力80はバカ並みに高く、速さ50も二流の冒険者ぐらい高くて、体力は普通に高く、それ以外はカスだとか。


 そんなことをからかうように笑いながら言っていた。


 日本に帰りたい。


 この説明を朝倉あさくらノエルから受けている最中も、脳内にいるロキがひたすら笑い続けている。


「まぁ、でもこれで魔王討伐に近づいたわけだよ。ふふん」


 機嫌よく胸を張っている朝倉あさくらノエルは、俺が魔王を討伐する前提で話を繰り広げている。


「じゃあ、俺はこれで失礼します」


 この世界について話を聞いた俺は、巫女姿の朝倉あさくらノエルに一礼する。


「お願い! お願いだから一度だけクエスト手伝ってくれない? 私、見た目通り修道女プリーストだから回復技しか使えなくて、パーティは全部拒否をされて、冒険をしたことないの! だから、1回だけ、1回だけ手伝って!」


 ついさっきまでは無理矢理強要していた朝倉あさくらノエルは、今にも泣きそうな顔をしながら目を潤ませて懇願する。


 今回は少し様子が違う。


 次、俺が断ったら諦めてくれそうな感じがするが、ここで断ったらばちが当たりそうな気がした。


「……分かりました。今回だけですよ」


 でも、あんな表情をされたら、逆に断りづらいので、俺は渋々彼女の懇願に負けて、お願いを飲むことにした。


『がはははは! ちょろいなあ! がはははは!』


「……! 本当!? ありがと~後輩く~ん!」


 自称ロキは脳内で大笑いしているし、巫女姿の朝倉あさくらノエルは今にも飛びつきそうな勢いで、俺に抱き着こうとしている。


「ちょ、やめてください! ほら、クエストに行きましょう。朝倉あさくらさん」


 俺は抱きついてくる朝倉あさくらノエルを華麗に避けながら、クエストに行くように促した。


「うん! じゃあ、まずは装備を買いに行こう! 後輩くん、制服のままだったらまともに戦闘出来ないからね! お姉さんが買ってあげよう!」


 上機嫌な朝倉あさくらノエルは、初めて先輩のようなところを見せた。


 今日一日だけだ。


 彼女に付き合ってあげよう。


「ギルドに行く途中に装備屋があったから、そこで買おっか! ほら、行こう!」


 朝倉あさくらノエルが俺の腕を引っ張るようにして、走り出した。


 そんな彼女の顔は、まるで純粋無垢な少女のような笑顔で溢れていた。


 修道服の姿がより一層彼女を純真な少女に見せる。


 この子は、ずっとこっちの方がいいんじゃないか?


 本人には言えないというか、絶対に言いたくないけど。


 そうして、俺と朝倉あさくらノエルは、装備屋に向かった。

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