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活動記録1日目 その9

「あーごめんねーアリマくんと小郡おごおりさん、ちょっと買い物しててさ、遅くなっちゃった」


 暫く第5倉庫の前で待っていると、大きめの袋を持ってやって来た。


「遅いですよ」


「やぁー思ったより売店の商品がなくてさーAからE棟のすべての売店をまわっちゃったよ」


 第5倉庫の鍵を開けながら遅れた理由を説明するが、中々の行動力に圧倒される。


 このよくわからない高校は結構広い。


 だからすべての棟に行こうと思ったら時間はかかるし、体力の消耗もすごいことだろう。


 まぁ、俺と小郡おごおりさんも1年部の教室があるA棟からE棟まで来たのだが、先輩の場合各棟に2つずつ存在する売店にも寄っているのだ。

 はっきり言って体力お化けだ。


 でも、そこまでして歓迎会の準備をしてくれていたと思うと、悪気持ちはしない。

 いや、嬉しかった。


「ほら、テキトーに座って座って」


 第5倉庫の折り畳みテーブルに豪快に袋を置いた先輩が、少々散らかった使い道のなさそうな真っ白なホワイトボードに、むき出しで置かれている箒やちりとりにバケツなどを壁に寄せていく。


 教科書や何やらが入ったリュックを置いて、俺と小郡おごおりさんは向かい合うように座る。


 先輩は袋からお菓子やらお菓子やらお菓子やらお菓子やらお菓子やらお菓子やらお菓子やらお菓子やらお菓子やらジュースを取り出して、テキトーにテーブルに散りばめていく。


「あの、こんなに良かったんですか?」


 席に座って大人しく先輩が袋からお菓子を取り出していく様子を見るだけの俺は、そんな先輩に言った。


 向かい側の小郡おごおりさんは、見慣れないのか「うわぁ」とか言いながら驚きを隠せていないが、こんなにお菓子を買っていやらしい話金額も結構なはずだ。


 そんな意味合いだと察してくれたのか、先輩が屈託のない笑顔をして見せた。


「全然気にしないで! こう見えて次席である先輩にかかればこんなもんだよ」


「あ、そうなんですね」


 それはただ学年にいであることを自慢したいだけでないのかとも思えたが、今日は大人しくツッコまずにしようと決めた。


「それじゃ、皆さん、グラスを持って……グラスねぇや。じゃあ、ジュース持って、かんぱーい!」


 相変わらず先輩節がよく効いた音頭と共に歓迎会が始まった。

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