番外編4 怒り心頭
遅い。
夜になっているにもかかわらず、ノエルが帰ってこない。
私は、帰りの遅いルームメイトが心配で、生徒会長の権限を使って、夜の校舎に忍び込んだ。
実際は鍵を開けてくれた『まじめがね』のおかげだが。
今までノエルがここまで遅くなることはなかった。
異世界に行っていることは知っているが、おばあちゃんのお世話をしているというノエルは、遅くても夜の7時には寮に帰ってきていた。
しかし、現在夜中の11時である。
彼女が心配で寝れたもんじゃない。
「ここだな」
真っ暗なE棟を進み、第5倉庫の前までやって来た。
「――! 鍵が開いている」
第5倉庫の扉に触れると、鍵が開いていることに気づく。
まさか、放課後にノエルと一緒に歩いていた宗像アリマとか言うく○ったれに、何か如何わしいことをされているのではないか?
そう思った私は、勢いよく扉を開けた。
「おい、貴様! 私のノエルに向かって何をしている! ……いない」
勢いよく第5倉庫に入ったが、中には誰もいなかった。
「ん……?」
私は隅にある掃除箱に目が留まった。
掃除箱が締まっている。
前にノエルがこんなことを言っていたのを思い出す。
『この掃除箱がね! 異世界に繋がってるの! だからね、扉が閉まっちゃったら地球に戻れなくなるから、気をつけないといけないんだ!』
いやあ、あのときのノエルは可愛かった。
あんなに楽しそうに語るノエルの姿ときたら、何枚も写真に収めていればよかったと後悔するぐらい。
それ以来、私はカメラを持ち歩くようになったのだが。
おっと、話が逸れてしまった。
つまりはこの扉が閉まっているってことは、ノエルは異世界に閉じ込められてしまっているんじゃないか?
「アイツ、絶対に許さない! あの雄豹めが!」
怒りが抑えきれない私は、掃除箱の扉を開けてノエルとく○ったれが戻ってくるのを待つのだった――。




