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爆縮と体温の機知(4)

ガラクタ置き場

酔いどれの中には

理論の先より

欲望の先を探す者が居る

街灯に照らされたゴミ捨て場の裏に

桃源郷が埋まっていると

信じて疑わぬ者の目には

蝿は白鳩に見えるのだろう

同じ所を掘り深めては

自らの身体が埋まっていることに

全く気が付かない

思想の裏に死相が映る

ガラクタ置き場の映写機


真空管アンプで奏でる

破壊の歌声は

無用な物まで削り取る

鬼の形相が浮かび上がり

子供達は怯えていた

目の前にある者を人だと思えぬ

流れに沿っているのは

理想を真実として履き潰している

今は無い時間の使い方として

酷く傲慢でありながら

それしか出来ぬ人間らしさに

銃口を向ける人間らしさを

足し算したならば

仮面の裏側は頗る小さいのだ


鈴の音に惹かれてしまい

形のどの部分を見ているのか

全く分からないのだ

それを正しくしようとすると

ぽろぽろと崩れる錆びのようで

何かを作る時には

誰かが、それを嘆いている

暗澹たるという言葉は

酷く耳障りであって

成るようにしか成らぬと

押し出す火にまで怯えているのだ

その様に、ほとほと呆れてしまい

考えないという対象を

作り上げるのである


寂しく見る雨に

他人の色を見上げることがある

優しさも惨たらしさも

何もしなくても

手に入れるかのようでいて

しかし

必ず動いている物があるのだ

砂粒になる前の形を覚えているのならば

きっと分かる筈なのだが

その頃には

何が入っていたのか

全く分からなくなるのだ

上がったままの座席には

擦れ跡が残っている

皆で見ようとしていた映画は

今は、もう見れない

座っている人影も疎らである


中途半端なポスターが貼ってある

額縁の中とは違う世界だが

何故、こんなにも違うのだろう

離れ離れになりながら

それでも引かれ合うように

何処かに外せない物が埋まっている

一回転するのは

同じ頭で考えるからで

違う頭にしたいと願ったところで

ランプが焼き切れる

二つとは無い物が使えなくなったら

誰にも直せない

治した物と直せない物が

砂に変わるのだろうか

ガラクタ置き場の映写機


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