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プレゼント  

アランが工芸室で黙々とアクセサリーを作っている中、レイナとエリカは何をしていたのかと言うと、店員から出された紅茶と茶菓子を食べていたのだ。


「ねぇレイナ。あなた何でアラン様のこと、好きになったの?」


単刀直入にエリカは聞いた。この二人が親友だからと言うのもあるが、それだけではない。エリカの目はレイナがライバルなのか見極めようとしている目だ。


その目をレイナは華麗にかわす。


「さぁどうだろうね。」


「レイナ。」


「分かってる分かってるって、そんなに怒らない。」


はぐらかしたレイナにエリカは言葉の厚みを乗せるが、レイナは何ともない顔でエリカをなだめる。そしてレイナは自身の胸に手を当てる。


「好きか.......。どうなんだろうね、今まで違う人を好きになった事なかったからよく分からないけれど、これが好きっていう感情なのかな。」


「恋愛感情が無いの?」


「いやいや、あると思うけど単純に自覚出来ないだけなんだろうね。だから私はエリカが羨ましいよ、ああも自分の感情を表に出せるのはね。きっと普通の男子ならすぐ好きになっちゃうよ。」


レイナはやれやれと手を曲げる。


「そうですわね。でもアラン様は一向にこちらを振り向いてくださらないからこそ、より燃えるのよ。はぁ、もうそろそろ気にしだす位で良いからこちらを向いてくださらないかしら。」


「確かに。でもエリカ、敵は多いよ。リースやらルミナリエやら、きっとアランの昔の配下だっていると思うよ。」


「あら、それはレイナだってそうでしょう?」


エリカの指摘にレイナはイタズラっ子のような笑みを浮かべた。

そんな感じに二人で話していると時間はとてつもなく早く感じた。


寒かった外も段々と暖かくなっていき「もうそろそろかな?」と考える頃、奥の扉から目をしょぼしょぼさせているアランが出てきた。


その手にはしっかりと二つの箱が握られている。

まるで告白するみたいだ。レイナとエリカはアランの目の前まで歩く。


「あ...あのな、別に告白する訳じゃないんだが。」


「まぁまぁ良いではありませんか。ムードですよムード。」


「それで、アランは最初にどっちに渡すのかな~?楽しみだねー。」


「その事だけど、同時に渡すから同時に受け取ってもらえないか?俺にはどちらが良いかなんて................選べないんだ....。」


ちょっと紅くさせているアランにエリカは妖艶な笑みを見せた。レイナは「ふーん」と不機嫌ではなくアランを見つめた。


「まっ、アランならそうすると思ってたけどね。エリカだって分かってたでしょ。」


「当然です。アラン様の事なら全て把握してるつもりです。」


レイナは左の箱を。エリカは右の箱を手に取る。

そして二人ともゆっくりと大事そうに箱を開けた。


レイナの箱に入っていたのは一つの白銀の魔力石だった。特に身に付けるような金具もなく、ただ綺麗な魔力石にしか見えない。


レイナは使い方が分からずその魔力石を明かりに照らしてまじまじと見る。


「アラン、これってどういう風に付けるの?なんも金具がないけど...............」


「ああ、レイナ。その魔力石はレイナの使う剣に付ける予定なんだ。身に付ける物じゃなくてごめんな、やっぱりレイナには剣を持っている姿が似合うと思ってさ。」


その言葉にレイナはニヤニヤしながら魔力石を見つめて「そっか」と言葉を続ける


「アランが似合うって言うんなら似合うのよね。ありがと♪アラン。」


その優しい笑顔にアランは一瞬目を奪われる。

だがすぐにレイナから目を離してエリカの方に向ける。


エリカには耳につけるタイプのアクセサリーを作った。早速付けてくれているようだが、艶やかな黒髪と相性バッチリだ。


最後のセットが完了したと言わんばかりにその耳のアクセサリーをトンッと叩き、その場でターンする。


「どうですか?似合いますか?」


「うん。に、.......似合っているよ。」


エリカの美しさに言葉の呂律が回らなくなったアランにエリカは似合ってる自信を持った。


「本当に良く出来てるなー、そこら辺の若者にはない技能を持っていると思うが、別にそういう物を作る家系でもないんだろう?」


体格の大きい店長が話しながら奥の扉から出てきた。

俺は頷く。


「そうですけど、ちょっと趣味程度でしてたもので。」


「ほへー、そうかい。おっと、もうそろそろ昼か。いけねぇ、納品しなくちゃいけねぇのがあったんだ!早くしないと。」


壁に掛けられている時計を見た店長は慌てて奥の倉庫へ戻った。


「ふふっ。ありがたき幸せですわ。お礼にキスをしたあげますわよ。」


「大丈夫だ。」


エリカがキスをしようとしたのをアランは顔を反らして避けた。


「つれないですわね。」


「そういうのは公共の場でやる事じゃないでしょ。ほら、店員さんも見ないようにしてるし。」


レイナが必死に見ないように違う方向を向いている店員を指差す。


「はいはい、分かりました分かりました。そろそろアラン様ともお別れの時間ですし、急ぎましょうか。」


「そうだな。」


自分の魔力石を触ったりして嬉しそうにしてる二人を連れて家へと帰った。


家へと帰ったアランが最初に言われた言葉は.............



「何で自分には身に付ける物がないんですかー!」



ルミナリエの一言だった。

愛のプレゼント?

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