実力検査 終
はわわ、ブックマークが100いきました
これも皆さんのおかげ
黒いキューブと数メートル離れた地点にアランはいた。
隣には用紙とペンを持ったユウノがじっと見ていた。
「ではアラン君。最大出力じゃなくていいですから、<超滅連獄炎>を黒いキューブに向かって撃ってください。」
「分かりました。<超滅連獄炎>」
俺は上手く調節したつもりの<超滅連獄炎>を撃った。
地獄すらもぬるい獄炎が黒いキューブに向かっていく。
そしてその炎は黒いキューブを飲み込み、焼き尽くそうとする。
黒いキューブが吸収しようと炎を取り込むがそれでも間に合わない。圧倒的に炎の量が多いのだ。ふと周りの反応を見ると、チャッカス先輩とかユウノ先輩のがちょっと引いている気がしたので発動を止めた。
がしかし時すでに遅し。
先輩方の顔は今の光景を信じられずにいる顔だ。
まずい。これじゃあ..............
「ったくアラン。ユウノ先輩が最大出力じゃなくて良いって言ったのに見栄を張るんじゃないの。もう魔力切れに近くなっちゃってどうするのよ?」
深い沈黙が続く中、リースが左手をおでこにくっ付けながら言った。
「あ、あぁごめん。ちょっと気合いが入り過ぎちゃって.............。」
「そうなのね。私てっきりこれが60%だと勘違いしちゃったけど。まぁいいわ、これが最大ならある程度は分かったし。これからはちゃんと調節する技能も学ぶようにね。」
「はい。」
「だがこれほどの魔法を撃てるのならば、我々にとって心強い味方となるじゃないか。アラン、後の検査はもういいから今日はもう帰ってもいいぞ。今の魔法で貴様が有能な存在だと理解できた。」
「え、良いんですか委員長?アラン君の動きとか癖とか見なくても?」
テセスが心配した様子でチャッカスに話す。しかしチャッカスは「別にいい」と言葉を続ける。
「魔力切れならば通常の行動ではなくなるだろう?ならやったって無駄だ。逆に虚偽の情報になって混乱を招く。」
「それよりこちらとしてはフラングスの方が速く検査したいですけどね。」
ユウノがため息混じりに言った。
その言葉に他の先輩も「うんうん」と頷く。
「まっ、そういう事だよアラン君。今日はお疲れ。家でゆっくり休みな。」
「はぁ。そこまで言うなら.......今日はありがとうございました。」
アランは軽くお辞儀をした。そしてリースに向かってアイコンタクトを送り、学園を後にした。ルミナリエの事は多分大丈夫だろう。
そうじゃなくちゃ困る。
と言うか、帰ってもいいと言われて帰ってしまったが、別に魔力切れでもないしな。
俺は後ろから妙な気配が付いて来ている事に気付き、あまり人気のない裏路地に入る。
「デルス。なんか見つけたのか?」
「やはりお気づきでしたか。」
デルスは屋根の上から綺麗に飛び降りた。
「あぁ。それで、デルスが来たと言うことは何か分かったのか。」
「はい。以前アラン様から言われた内容。学園交流祭を廃止させる活動、そして血のハロウィーン事件。二つの関係も調べました。」
俺はテセス先輩から学園交流祭を廃止させる活動について聞かされた後、すぐにデルスに連絡を取り、調べさせた。今回の学園交流祭は何か起きる。それだけは確実に言える。
「で、結果は?」
「はっきり申し上げますと、黒です。現在、素性が分からぬ組織が隠密に武器を購入しています。明らかに何か行動を近日中に起こすつもりでしょう。」
「素性が分からぬ............か。お前らの力を使ってもか?」
「それはその場の状況次第です。我々が捜査しようとした時には向こうは厳戒態勢でした。その状況下ではこちらにも死人が出てくるやも知れませぬ。」
「死人が出るくらいなら退け。確かに俺が思っている事だな。よくやったデルス、お前の判断に何人の命が救われたぞ。」
俺の言葉にデルスは浅く頭を下げた
「いえいえ、アラン様の思考の表面上しか我々は理解出来ておりませぬ。数々の伝説。誰もが憧れた存在である魔王様の事を真に理解するまで、我々は精進するつもりです。」
「そうか、ありがとう。お前達には魔王軍の一魔団として活動するよりかは、俺の直属魔団になる形なんだが、それでも良いか?」
正式に魔王軍として活動してもらいたいんだが、魔王軍のトップは魔王。つまり俺だ。元ではあるが、今現在のトップは誰もいないのだ。帰ってくる魔王の為に首を長くして待っているのだと。
だからそんな状況で正式にデルス達を任命すれば、俺が転生した事実をばらしてしまう。
ずいぶん身勝手な事なんだが、許してくれ。
俺の言葉にデルスは首を縦に振る。
「もちろんですとも。軍としてではなく直属になれるなんて我々も大喜びですよ。」
「ふっ。素直に言われると嬉しいな。」
アランが笑うのに釣られてデルスも笑った。
「数々の悪を成した魔王様もそのように笑うのですね。ルミナリエを預けて良かった。アラン様のような人物ならばきっとルミナリエも普通の女の子になれるでしょう。」
「さぁどうだろうな?ルミナリエ自身が望めば普通の女の子になんてすぐにでもなれるさ。でも彼女は自分だけが幸せになる事を拒んだ。」
「ええ、孤寺院にいた頃からルミナリエは他人とあまり関わろうとせず、それでいて周りの人に迷惑をかけないようにひっそりと行動していた子でしたから。」
「そうだったのか。」
「しかし今のルミナリエはとても生き生きとしています。感情を露にしたり、笑ったり。やっぱり彼女のいる場所は我々のような血塗られた世界ではありません。」
デルスは首を横に振る。
「そんな事を言えばデルス達や魔王軍にいる者達だって血塗れの世界にいなくて良いと思うぞ。みんながみんな、自分のしたい事をしたいだけして、戦争など起きない世界が一番いいんだ。」
「例えその世界が幻想の世界でもアラン様は現実にしそうですね。」
「無論やるつもりだ。それが何千年かかろうが、俺は実行し続ける。その時、ようやく平和と言う二文字が来たのだと胸を張って宣言出来るのだ。」
「ならばその平和に向かうアラン様の手となり、足となりましょう。いつかその時を近くで見れるように。」
デルスは片膝を地面に付けてそう言った。
今度は200
頑張ります




