模擬試合
夏休みだからかアクセスが伸びていきますねぇ。
「ではこれより、模擬試合を始めます。お互いに悔いのないように試合すること。では始め!」
テセスの声掛けの下、模擬試合が始まった。
リースは薄い赤を基調とした<魔法的衣装>を装着し、ルミナリエは茶色と黒の<魔法的衣装>を装着している。忍者の服装みたいだ。
試合開始早々、ルミナリエは収納魔法の中から小刀を取り出し一瞬で本気モードになる。
さすがに<全身透明化>までは使っていないようだが、その気になったら怖いな。何で俺の姉はあんな強いのか説明を求めかねない。
そうなったら何も言えないな。今まで病気の連続とかで休んでいる設定なのに..................てかそう考えれば今の光景もあり得ないか。何で手慣れた手つきで小刀持ってるんだよ、とか思われるな。
ま、ルミナリエ本人も楽しそうに手を挙げてたしいいか。
「それじゃあ行くよルミナリエ、<大地獄炎>」
リースは<大地獄炎>を何発も撃ち、ルミナリエを包囲する形で操作する。
近距離型のルミナリエに早速対応しているな。
「炎系魔法で動きを封じるつもりかも知れないが、甘い!」
ルミナリエは炎で包囲された所から、空高くジャンプする。
て言うか口振りも本気になっちゃってるけど.........もういいか。
ルミナリエが跳んで空からリースを狙おうとすると、リースの口角が上がった。
「これで終わりとか言わないでねルミナリエ<貫魔王槍突><超滅連獄炎>!」
リースが空中にいるルミナリエに向かって巨大な槍と地獄の炎を重ねがけた攻撃を仕掛ける。
<貫魔王槍突>が<超滅連獄炎>に押し上げられ、凄まじい勢いを増していく。
もしルミナリエが<貫魔王槍突>を避けたとしても、その先には<超滅連獄炎>が待ち受けている。どうしようとピンチなのだ。
「やはりそう来ましたか。なら、」
ルミナリエは小刀を握り直し、縦に構えた。
そして<貫魔王槍突>の槍先に当たる寸前に、丁度小刀の先を優しくふれ合わせ巧みに体を曲げて避けた。
小刀を見れば、刃先が凸凹していて刃こぼれしているのが分かる。ルミナリエが先ほど避けた<貫魔王槍突>は少し触れた程度でもそれなりの威力を発揮する。
傍目から見れば簡単そうに見えるかも知れないが、かなりの芸当だ。
だがルミナリエの先には地獄の炎が待ち受けている。
「[魔技][無音の一撃]」
ルミナリエと<超滅連獄炎>が交差する。
ルミナリエはあっという間に地獄の炎に飲み込まれた。
そして束の間の静寂が現れる。ただ聞こえるのは<超滅連獄炎>がメラメラと燃える音だけだ。
リースも何が起きてるのか理解出来ていない。試合中止の合図もない事からルミナリエが生きているのは分かるが姿が全く見えない。
「..............そこね!」
リースは後ろを振り返り<魔法障壁>を展開した。
次の瞬間、魔法障壁はパリンッと言う音をたてて砕け散りリースの首元に刃先が迫った。
「.......ぐぅ.......」
何とか後ろにのけ反る事で回避したリースであったが、今度は下から刃が襲い掛かる。
「<前方爆散>!」
「やると思った。」
リースが苦し紛れに<前方爆散>を唱えるがルミナリエはその行動を読んですぐさま攻撃の手を止め、リースの背後に回った。
「これで終了。」
「そうかしら?」
「??」
リースが指を鳴らすとルミナリエの下の地面から銀色の鎖が現れた。
その鎖はたちまちルミナリエの体を拘束していく。ルミナリエは脱出しようと画策するが時すでに遅し。もう何も行使出来ない程に縛られている。
「どうして............<強制拘束鎖>を発動するようなタイミングはなかった筈じゃ?」
確かにそうだ。先ほどまでの攻防を見ていてもリースは<強制拘束鎖>を構築する暇もなかった。
だがしかし、現に発動している。
「そうね、確かにそんなタイミングはなかった。でもね、前にアランからこんな事聞いたのよ。より魔法の高みを目指すなら、同時に違う種類の魔法を構築した方が良いって。」
ここで説明をしておくと、同じ魔法陣を同時に描くのはさほど難しくない。複製すればいいだけだからな。この学園でも出来る者は普通にいるだろう。
だがしかし、同種ではない魔法はまた別だ。
同じ魔法なら出来るんだから違うのもいけるんじゃね?
と言う事を思った人もいるだろうが、違う魔法を構築するには片方の魔法陣に込める魔力量や術式を維持しておくのが難しい。構築速度だって違うから魔法を発動する一歩手前で止めなければならない。
リースは<強制拘束鎖>に拘束されているルミナリエに近づく。
この試合の敗北条件は、<魔法的衣装>が体のダメージ限界と判断した時と審判が危険と判断した場合だ。今の状況ではルミナリエは敗北にならない。
「それじゃあ私の勝ちねルミナリエ。」
「さぁどうかな?[魔技][脱出術]」
リースが魔法を唱えようとした時には、ルミナリエは拘束から脱出しクナイを数本投げて後方へと退いた。リースは<魔法障壁>を張るが、肩と太ももに一本ずつもらってしまった。
「へぇ、まさかそんな[魔技]があるなんて知らなかったわ。」
リースは刺されたくないを抜きながら言った。
「自分もまさかここまで追い詰められるとは思っていなかった。さすがリース、強いね。でもっ!」
ルミナリエは<前方爆散>を利用して、目の前に大量の煙を蔓延させた。
そしてルミナリエは一気に駆ける。
「そんな古典的な方法、私には通用しないわよ!」
リースは煙に巻き込まれないように後ろに下がりながら<闇牢獄の最果て>の魔法陣を組み立てていく。
目の前の煙を全て囲むようにそれは描かれていく。
「くっ.......この術式は.......?」
煙の中の何処かで魔法陣が砕ける音がした。
「そこね!<電撃貫通砲>!」
銀色の電撃は煙の中の音がした方向に真っ直ぐ向かう。
「............うっ...........」と言う苦悶の声が煙の中から微かに聞こえた。
リースはここぞとばかりにその地点に魔法攻撃を畳み掛けた。
炎の魔法、吹雪の魔法、電撃の魔法、全てがルミナリエを襲う。
ルミナリエは先ほど電撃を食らった左腕の痛みを無視して小刀を握りしめ、リースの様々な魔法を避け、小刀で反らして煙の中を駆けた。
「これで!」
「この一撃で!」
リースの右手とルミナリエの小刀が交差しようとする。
「ストップ!待ちなさい!」
そのテセスの声と共に二人はその場で緊急停止した。二人は不思議な表情でテセスを見つめる。
「二人の実力は分かったわ。これ以上は学園交流祭の時に取っときなさい。」
「は.........はぁ。それじゃあ、ルミナリエ。続きはまた今度。」
「ええ、その時までには修行しなければ。」
二人は握手をし、歓声が上がる。
「以外だったね、二人ともあんなに強かったなんて。ルミナリエさんは元から凄かったけど、リースさんは魔法が上手いだけだと思ってた。」
「イフン、思った事をそのまま口にしない方がいいぞ。リースに怒られても知らないからな。」
ミネセスがイフンに戒める。
だけど、俺もそう思ってた所だ。リースはただの魔法だけ上手くて他は苦手みたいな感じかと思ってた。最近、何か練習してると思ったら近距離の練習じゃなくて違う種類の魔法を平行構築しようとしてたのか。
「ほへー、凄いね二人。私なんか相手にならないよ。」
「嘘つけ。レイナが一人で必死に練習してるのを時たま見た事あるぞ。」
レイナはきょとんとした。見つかっているとは気付かなかったのだろう。しかしレイナは笑顔になり
「あれっ?見ちゃったな。ならアラン、私の練習の実験台になってね。嫌とは言わせないよ。乙女の秘密を知っちゃったんだもの。」
「分かってるって。俺で良ければ幾らでも相手になるよ。」
「約束だからね~。」
俺は「あぁ」と言って微笑する。
だがしかし、その微笑はすぐさま崩れ去る。テセスの一言によって。
「よし、それじゃあ次はアラン・エリアル!私と対戦しなさい!」
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