学園交流祭
超お久しぶりです。
書き溜めの方も順調ですので、復活致しました。
えー、今章は作者的には長くなりそうなので無駄な部分は短くしたいと思っております。
↑これって良いのかな?
まぁそれでも今後もよろしくお願いいたします!
「はいはい、皆さん朗報ですよー。とうとう今年も学園交流祭のシーズンにやって来ました。」
ルー先生はにこやかに黒板に「学園交流祭」と大きく書いた。
それに続いてクラスの生徒達も「おぉー」「とうとう来たか」「腕が鳴るな」と次々と感想をこぼした。
学園交流祭?なんだそれは?
「皆さん分かってると思いますが、一応説明しますね。学園交流祭と言うのは、魔界に存在する学園全ての中の頂点をトーナメント式で決めて、残った三校を魔界代表とし、他の種族の学園と対決して頂点を決める祭りです。」
ルー先生は日程やら、持ち物やらを書き足していく。
どうやら代表でない者は観戦するようだな。その試合を見て勉強しろって事か。なかなか良い祭りじゃないか。
「えー、昨年の優勝校は獣人族の最獣学園です。惜しくも我が魔王学園は三位と言う残念な結果でしたが、今年は一位を取りましょう!」
その呼び掛けにクラスが沸き立つ。
「尚、今回も<魔王学園戦撃委員会>が代表になります。」
??
なんだその名前は?
イェーデルホルムズって、俺の魔王だった名前をもじっただけじゃないか。
なんか恥ずかしい。
そんなアランをリースは見て納得する。
(この学園ってまず委員会があるのは知ってるわよね。)
(まぁ、確かにそんな設定あったな。)
(設定とか言わない!で、その中でこの学園で7番目まで強い人達が<魔王学園戦撃委員会>なのよ。)
(へぇーそうなんだ。)
アランは頬杖をつきながら適当に窓の方向を見た。
そんなアランをレイナは「どうしたの?」と尋ねる。
「いやなに、他の学園とも試合するとなると、当然他の種族とも戦うだろう?」
「まぁ普通に考えてそうですが.........」
「千年前だったらあり得なかったなって。当時は神、人間、魔族以外の奴らはあんまり表に出てこなかったし、それを踏まえると平和になったなーと思ってな。」
ふと気になったイフンはミネセスに詳細を聞いた。
「やっぱり今よりも、昔の方が獣人族とかって少なかったの?」
「あぁそうだ、ざっくり言うならば今の人口の十分の一ほどだった。だからあの頃は種族の存続の為に戦うのを止めて静かに過ごしていたんだ。」
「十分の一!?そりゃ種族の存続を選ぶか。」
「もう!イフン君、先生の話をちゃんと聞いてください!学園交流祭ではみんなの一人一人の応援が勝つきっかけになるのですよ。」
ルー先生は、イフンの方向を向いて怒った。
あまりの熱意のこもりようにイフンは「はい!」と声が裏返ってしまった。そしてクラスが笑いに包まれる。
そして先ほどルー先生が話していた事をまとめるとこうだ。
学園交流祭は一ヶ月後。
通常なら、各界に三校ずつエントリー可としているのだが今回は参加する界が多いので二校に絞られた。
試合する時は特殊なスーツを着てやるのだと。
そのスーツには過度なダメージが入ると自動的に回復魔法が発動し、選手の安全はある程度守られるらしい。これも技術の発達の力だろうか。
このスーツについては追々体験してみたいな。
「それではホームルームを終わりにします。今年は優勝しましょう!」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
こうして学園交流祭へのクラスのテンションは上がりつつあった。
そして時刻は放課後。
俺はいつも通りに帰ろうと席を立った。他のクラスメイト達も各々帰ろうとする。
とその時、扉がガラガラと引かれクラスの男子が血相を変えて現れた。
「どうしたんだ?そんなに血相変えて。可愛い子見つけたんならわざわざデカイ音出すな。」
「まぁまぁそう言うなって。それでどうしたんだ?」
俺は文句を言った男子を宥めながら改めて聞いた。
「やっぱアランは優しいな。それで、今さっき見たんだが<魔王学園戦撃委員会>の一人が魔力操作を誤って大事故を起こしたらしいんだ。」
魔力操作を誤った?
なんともな話だな。
俺達はその魔力操作を誤った人の所へ行ってみる事にした。
「う................くぅ.........」
「ちょっとだけ耐えてくれ。今、回復魔法を掛けてるからな。」
大勢の人だかりをかき分けて進むと、全身血だらけになっている小さな男の子とその男の子に回復魔法を掛けているネシウス学園長の姿が見えた。
周りにいる人々もあまりにも酷い光景に何も言えなかった。
さすがにこれは酷いな。
「アラン様でもあの状態を治すのは難しいのでしょうか?」
後ろからルミナリエが聞いてきた。
「さすがにアラン様でも難しいのではないでしょうか。アラン様って、戦いの魔法は完璧ですが回復系の魔法は荒いんですよね。」
今エリカが言った魔法が荒いとは、魔法の効力があまり安定していない事を指す。
回復系の魔法は攻撃魔法よりも繊細さが求められる。俺は回復よりも攻撃を主にするから、回復はその時に応急処置程度しかしない。
回復している間にも、敵はどんどん攻撃してくる。だったら回復は捨てて攻撃に回ろうとする訳だ。
「そうなんですか。ちょっとあの男の子が可哀想に思えたので。」
「まぁ命は助かると思うよ、なんてったってネシウス学園長だしね。それと、もうそろそろ来るんじゃないかな?」
「ん?何がだ?」
俺はレイナに聞き返す。答えようとしたレイナだが、答えの代わりに人だかりをかき分けて来た紫色の髪をしたツインテールの少女を指差した。
その少女はすたすたと男の子の元に近づき、回復魔法の中でも高位な魔法<超回復治療>を男の子に掛けた。
ネシウス学園長との相乗効果で飛躍的に回復効果が上がり男の子はみるみる顔色が良くなっていく。
「あの子なかなか凄いな。<超回復治療>を完全とまではいかないが、使いこなしている。この時代ではなかなかの手練れではないのか?」
「やっぱりアランでもそう思うでしょ。あの少女はテセスって言って、<魔王学園戦撃委員会>の五番目に強い人よ。ちなみに倒れてる男の子はシギナンって言って三番目に強いの。」
リースは丁寧に説明するが、アランは首を傾げる。
「そのテセスって子はどうして五位なんだ?あれだけの魔力操作が出来るんだ。攻撃魔法の腕もかなり良いだろう。」
回復魔法が上手い者ほど、それだけ繊細な魔力操作が行える。ならば攻撃魔法などお手のものではないのか?
俺の問いに、昔の知識があるエリカとミネセスも同調した。
しかしレイナ、リース、ロント、イフンは首を振った。
「そういえば分かりませんね。何か特別な理由でもあるのでしょうか?」
「うーん、でもテセスさんの話ってあんまり聞かないよね。ただ凄い回復魔法の持ち主としか.....」
「と言うかまず話もしないしね。」
この場にいる全員が「?」を浮かべた。
そうしている間にも血だらけのシギナンは回復し、担架で医務室へと運ばれていった。
結構な数がいた人だかりも次第にいなくなっていく。
「さて、私達も帰りましょ。」
「悪いレイナ、ちょっと所用が出来た。」
レイナ達は一体何なのか分からなかったが、アランのしたい事を理解したのか「分かった」と言い帰っていった。
俺は魔法を掛け終わったテセスを尾行し始めた。
彼女はこの学園の三年生だ、教室は二階にある。きっとそこに行こうとしてるのだろう。だが行動が少しかくついている気がするな。
テセスは自分の教室に入った。それに続いて俺も入ろうとする。
次の瞬間、俺の首元に鉄製のナイフが接近する。俺は即座に左手でそのナイフを丁寧に掴み、右手で相手の手を叩きナイフを奪う。
「きゃっ!」
バタンッ。と少女は地面に尻餅を付いた。
その少女はテセスだ。
「あ、あんた何者よ!私の後ろをのろのろと着いてきて。まさか私のファン!?だとしたらごめんなさいね。私は誰の物になる気はないの。」
「いや別に俺はお前のファンでもない。」
「ならなんで着いてきたのよ!」
いちいち感情の高ぶりが激しい人だな。別に嫌いではないが。
「ただ聞きたい事があって。それだけ魔力操作が上手いのに、この学園で一位じゃないんだ?普通に考えて魔力操作が上手い者ほど、攻撃魔法だって上手くなる。」
その問いにテセスは押し黙った。
何か悟られたくない秘密でもあるのだろうか。
テセスは重い口を開いた。
「私ね、回復魔法だけは天才だけど攻撃魔法は苦手なの。」
一方方向の天才、ここにあり?




