真実
うーむ、ブックマークよ.............上がれ。
「さぁ殺せ。私は今まで酷い事をしてきた。どんなに非人道的な事だってした。」
地面に倒れヘイネは懇願する。
「だからせめて最後は友であったお前が介錯してくれ。」
沈黙がただそこにある。ロントは顔を変えずヘイネを見ている。
「ヘイネ、最後にお前に問う。今までの行動は誰の為だ?お前ほど頭が切れる者ならば、余程の思いがあるんじゃないか?」
「だれ.......ふっ。そんな人はいないさ。この私が誰かの為にこんな非道に走ると思うのか?」
「思う。ある事がきっかけで見違えるように性格が変わる奴だってこの世の中幾らでもいるだろう。俺だってある方に出会って変わったと自分でも思った。」
「ある方?......あぁ、アランとか言う奴か。」
「そうだ。」
「ふぅん。まぁ、そんな事はどうだっていい。早くしろ、理由なんてなんだっていいだろう。」
ヘイネはロントを叩く。
そしてロントは拳を引いた。
ヘイネはその拳を見て安心した。ようやくこれで終われると。もう思い残す事はないと。
目を開けるとロントの拳が迫ってくるのが分かる。
ヘイネは目を瞑る。
「そうすればライアが悲しむとはどうして分からないんだ!」
バンッ。
普通に殴られた。それも死なない程度の勢いで。
は?何を言っている?
ライアが生きている?どうして知っている?
ロントはヘイネの胸ぐらを掴み、ぐっと顔を近づける。
「ヘイネ!お前がどんな悪行をしようが、どんなに手を血で染めようが友である事に偽りはない!分かるか!?」
「分からないね。さ、早く殺せ。」
「ふっ、明らかに動揺しているな。やはりライアは生きているのか。どうせ責任感の強いお前の事だ、自分が殺されて罪を償って、ライアをロントに預けようと思ってたんだろう。」
「ち.......違う!」
ヘイネは胸ぐらを掴むロントを無理やり引き離した。
その行動にロントは「やっぱり図星か」とヘイネに言った。
「早く殺せと何度も言っている、ライアはあの時死んだ。それはロントだってその目で見ただろう。それを何を言っている?生きている?そんな筈はない。」
「だったら何故、お前の部屋の地下で研究していた人は誰だ?」
ヘイネの顔が真顔に変わった。意表を突かれたその顔は、またロントの確信へと変わる。
「そんな事はしていない。何処からの情報だか知らぬが、デマを掴まされたなロント。」
ヘイネは鼻で笑った。
「ここまで来てしらを切るとは哀れみさえ感じてくる。ヘイネ、もう何を言っても無駄だ。諦めろ、すべて知っている。お前がライアが死んで責任を取ろうと画策してたのも、ライアを救う為にどんな悪行でも非道な手段をしたのを。」
「だからーーと言葉を続ける。
「俺はお前を殺さない。」
その言葉に何も言えないヘイネはただ舌打ちをする。
「めんどくさいなぁ。はぁ。ロント、ライアは生きている。だが記憶が曖昧で私とロントの事もうる覚えなんだ。記憶を取り戻すのを手伝ってくれないか?」
ヘイネは手を出した。ロントはただ笑いながら「当たり前だ」と言いその手を掴んだ。
「それじゃあ面白くねぇな。<超滅連獄炎>」
男はつまらなそうに言いながら、疲弊しきった二人に地獄の炎を放つ。
近くで透明になって見守っていたエリカが飛び出し自身の槍で<超滅連獄炎>を受け止めるが、何者かがエリカと同じように飛び出してその炎を止めていた。
エリカはその人物を見て、目を見開くがすぐに微笑ましい顔をした。
「まったく、こんなに良い展開なのに.......よくも台無しにしてくれたな?」
その人物は左手で炎を受け止めながら右手で太くさせた<深淵なる暗光>を撃ち、炎ごと吹き飛ばした。煙が辺りに舞い、その人物は風魔法<裂突風>を唱え周りの煙を払う。
その人物は無論
「「アラン様!?」」
「よっ、久しぶり。」
魔王の転生した姿、アラン・エリアル本人だ。
今回はボリューム的にも少なかったと思うので明日も投稿します。




