表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/154

気まずい 

ブックマークしてね!

何も聞こえない。時計の音さえ聞こえない。

横にはミネセスが座り、イフンは真顔を貫いている。


「なぁ、イフン。」


「あ...はい。」


「お前この後どうするんだ?」


急な質問にイフンは答えるのが遅れる。


「どうって言われても......。とりあえずはアランがここに住んだ方が安全だと言っていたので、しばらくはここに厄介になります。」


「おおっそうか。なら私がここに来ても良いんだな。」


顔を変えるミネセスにイフンは少し期待をしてしまう。もう会うことのないかもと思ってたイフンにとっては嬉しい要素だ。


「ミネセスさんってどれ程前からその部隊?軍団にいたんですか?」


その言葉にミネセスは口に手を当て「し~」と言った。


「そういうのは他の女に言うんじゃないぞ。私は別に年齢など気にしないが、もしかしたら即刻ぶん殴ってくるかも知れない。」


「分かりました。気を付けます。」


「そうした方が良い。私か.........。確か中盤くらいから参加した覚えがあるから、大体千年とちょっと前かな。その時には私も戦争に行ってたし。」


「!?」


その「千年」と言う言葉にイフンはふぬけた声を出す。

そしてミネセスも口に手を当てて「あっ」と気付く。イフンには魔王軍に所属しているとは言ってない。


ただエリカの魔団に所属しているって事だけしか伝えてない。


ミネセスはイフンに詰め寄る。イフンは突然顔を近づけられたからか頬を赤く染める。


「イフン、今の発言はあの二人には内緒にしておけよ!バレたら面倒だ。分かったな!」


さらに詰め寄るミネセスにイフンはちょっとずつ後ろに後退しながらもこくこくと頷く。

ま、この様子はしっかりとアラン、エリカに聴かれているのだがミネセスは知る由もない。


「あら、ミネセス。あなたも案外積極的だったのね。見直したわ。」


突然エリカが話し掛けてきてミネセスとイフンはその状態のまま固まり、アランとエリカを見る。どう見たってキスする寸前のようだ。


ミネセスとイフンは顔を紅くしてさっさと椅子に座り直す。

本当に出来立てのカップルのようだ。俺とエリカも同じく椅子に座る。


「さて、ミネセス。あなたには特別任務を与えるわ。」


「はぁ、何でしょう?」


「これからそこにいるイフン君を守りなさい。四六時中、護衛するのよ。」


エリカはまた悪魔の笑みを浮かべる。はぁ、二人ともかわいそうな。エリカのやつ、絶対面白がってるよ。


俺は内心でため息をつく。まぁ俺も二人には幸せになって欲しいしな。


「イフンを救出した事で、さらに向こうは固執してお前に襲撃を仕掛ける筈だ。メンツが持たないからな。だから護衛するのは最適だろう。」


アランが加勢したのでミネセスは何も言えない。

この時、イフンは悟った。あっ、この二人。絶対僕がミネセスの事好きなの知ってる。






イフンの件について一段落した所で俺は話題を変えた。


「エリカ、レイナとリースの居場所は今でも分からないのか?」


「ええ。しばらくかかると推定して問題ないでしょう。ヘイネは我々が予想しているよりも慎重深い子ですからね。」


「さすがに僕もその辺については知らない。塔を抜け出す時に色々調べたけど、そんな情報はなかったと思う。」


その時、ミネセスが「あっ!」と声をあげた。全員の注目が一斉にミネセスへといく。


「そういえば、塔の中でこんな物を見つけたけど。」


そう言ってミネセスは紙を出した。

その紙には明らかに現代用語ではない言葉で何かが書いてあった。


全員がその紙を見るが、分からないのか椅子にもたれ掛かる。


「何これ?」


イフンの言葉にアランとエリカは「はぁ~」とため息をついた。


「イフン、これは神の言葉だ。神にしか扱えない奴。こりゃ解読不可能だ。この文字は神の使い......いわば天使とかにしか分からん。よって魔族には読めない。」


「まさかあいつらの言葉で連絡を取り合ってるとは予想外でしたわ。」


「そんな解読出来ないんですか?」


ミネセスが聞いてくる。

ん、?確かミネセスってエリカの魔団にいたんだよな。だったら知ってるんじゃないのか?


「出来ないわ。これは相当特殊。文字配列から答えを導ける訳でもないのよ。私らも以前、解読しようとあれこれしたけれど分かったのはこの文字、発音しても聞き取れないってだけ。」


「発音しても聞き取れない.....?」


イフンは何か勘づいたのか復唱した。


「気付いたかイフン。そうだ、前ヘイネが発動した魔法。あれは神の言葉を発音してたんだ。」


「やっぱり!」


頭の中で情報と情報が繋がり、答えになった事にイフンは喜ぶ。

エリカとミネセスは何の事なのかさっぱり分からなくて困惑の表情を見せる。


俺は<思考伝達(テレパシー)>で二人に事の次第を伝える。

本当はあの時ヘイネがした魔法の効果も分かってはいるのだが、まだ確信までいっていないのでやめといた。二人は事の次第を聞くと、頷いた。


となると一つ、疑問が生まれる。


「だとすれば何故、ヘイネはその神の言葉を発音出来たのでしょうか?」


「そこだ。ヘイネは別に天使でも神でもないと見えたが。」


「もしかしたらヘイネは天使説とか?」


「ミネセスさん、それはあり得ないんじゃないかな?本に書いてあったけど天使っていうのは魔族を嫌い、神の命令しか聞かないらしいし。」


「補足しておくと、<機械天使(オートマタ)>とは違う。普通の天使には自我はある。と言っても神の言いなりだが。」


ここで色々考えても仕方がない。そう言おうとした瞬間、扉が開きロントがやって来た。

ロントはイフンがいる事に気付きアランを称えた。


「いやいや、俺はガチで何もしてないから。」


「そうですか。分かりました。」


「そうだ。ロント、お前この女の子知ってるか?」


俺はヘイネの家に忍び込んだ際、引き出しの中にあった写真をロントに見せた。

結構重要な代物かと思い魔法でコピーした。ロントはその写真を手に取り、思い出すように見た。


「これはヘイネと仲が良かった女の子ですね。確か名前は.......ライアと言いましたか。私も遊んだ記憶はありますがヘイネの方が仲はよろしかったような。」


「その子は今どうしてる?」


ロントは口を瞑った。


「死んだと聞いております。暴走した魔物をヘイネから守ろうとして............」


「そのライアちゃんと言うべきか。ヘイネの家の地下で瀕死状態のまま、生きてる。」


ロントはまるで奇跡でも見ているような顔をした。

そりゃそうだろう。死んでいると思ってた人が生きてるんだ。


ロントはその場に膝をついた。それは懺悔するように。罰を与えて欲しいと願うように。

瞳が濡れている。その様子を見てエリカは悟る。


「やはり何か隠し事をしていらしたのね。そういや私の事は説明していなかったわね。私はエリカ・エリード、アラン側にいる魔族の一員よ。」


エリカは立っておしとやかに一礼をする。

ロントは涙を拭いた。そして語り出す。ヘイネが変わった理由を。

うーむ、感想欲しい。


良かったら書いてくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ