いや女装って
前回、投稿したらブックマークが減ってました (~_~)かなし~
頑張ります!
「おい貴様、見慣れぬ者だが新入りか?」
「え?あっ、はい。少し道に迷いまして。」
「そうか。この家はかなり広いからな。いやこれはヘイネ様の心の大きさを表しているのだ、貴女もそう思うだろう?」
「え、はいそうですね。」
「おっと話が反れた。あの道を真っ直ぐ進めば本邸に着く。気をつけて行くことをオススメする。」
「ありがとうございます。」
声を掛けた女性が過ぎ去るのを見届けた少女(?)はため息をつく。黒に少し青を含めたようなダークな紺色を腰の辺りまで伸ばした綺麗な髪が揺れた。
「あらあら、如何されましたか?いささか挙動がおかしかったと思いますが?」
隣にいる艶やかな黒髪を伸ばした少女がからかうように心配する。
「いやいやエリカ。数分前まで男子全開だったのに無理な話だよ。と言うかなんで女装すれば入れるの?」
「たまたま私の部下が試しでメイド姿で行った所、あっさりと中に入れたようなので。別に警備は凄くとも、別にチョロいと分かったので。」
「その部下凄いことするなぁ。勇気あるよ。」
「しかし、アラン様。何故この家に潜入するのですか?先ほども進言しましたが。」
「ああ、なんか直感的になんかあると思ってさ。確かに厳重警備は目をこちらに向ける為だけど、本命じゃない事は実はこっちでした....的な?」
アランの言った考えにエリカも「ふぅん」と頷く。
いやいやそんなにすんなり受け入れないで、今のは結構適当に作っただけだから。でも直感っていうのは本当だぞ。
「やっぱり似合ってますわね。さっき通り掛かった人も気付いていませんでしたし。案外そっち系も良いのでは?」
エリカがアランの女装の姿を見ながら尋ねる。
確かに今のアランの見た目は胸はそりゃないものの、ダークな雰囲気を出して十分美しい。そこに惚れ込む男達もいるだろう。
「ないない。そんな女装趣味の魔王なんて誰も見たかない。」
「あら、私は別に見てみたいですが?」
「はぁ、やめてくれ。と言うかこんな姿、配下の者に示しがつかない。それより今はあの家に入ることだが、本当に行けるのか?」
「勿論、今のアラン様の姿なら行けるでしょう。堂々としてれば何も問題はないかと。」
俺.......いや私か。私はエリカに言われたように堂々と道を歩く。周りからは何やら視線が来るが、大丈夫なのだろうか?
私は正面玄関の所まで来る。ふと見渡すと、薔薇や綺麗な花々が整えられている。
「待て、見た所初めてここへ来た者であっているか?」
「はいそうです。ちゃんと証明印もありますわよ。」
エリカはそう言って何やら契約書のような紙を取り出した。そこには赤いハンコで薔薇のマークが押してあった。
玄関の警備をしている人はそのハンコを見て納得する。
「おおっと、それはすまない事をしたな。隣の方は?」
「すみません、この子は少々天然でして.....金庫に隠してた所、その鍵を無くしてしまいまして。」
「そ、そうか。その見た目で天然とはな.......やりおる。...入る事を許す。しかし無礼のないようにな。我々が失敗をすればそれはヘイネ様の失敗となる。気を付けるように。」
「はい、ありがとうございます。」
「ありがとうございました。」
そんなこんなで二人は厳重警備の中を潜入していった。
「やりおる」って何だよ?
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薄暗い中、じめじめとした気温................ではなく、ベッドはふかふか、装飾品は華やか、目の前には紅茶とお菓子。この状況に私、リース・ジェスタは驚いている。
アランが学園を去ったと聞いた時、ヘイネは悪徳の笑みをしていたから連れてかれて変な事されるかと思ってたけど、私なんでこんな豪華な部屋にいるんだろ。
さすがに部屋の扉には強力な鍵が掛かってるけど..........
その時、ゆっくりと扉が開き若い女性が入って来た。
私は椅子から立ち上がり戦闘体勢に入る。
「いやいや私は大丈夫よ、あなたの敵じゃない。安心していいわ。あなたをぞんざいに扱った奴はヘイネ様のおかげでいなくなったのよ。」
若い女性は警戒しているリースを宥める。
「一体ここは何処?あなたは誰?」
「うーん。居場所については詳しくは話せないけど、私はシェスよ。まずは落ち着きましょう、私はなんの戦闘能力も持たないの。だから大丈夫よ。」
「アラン様は今?」
そうリースが問いかけると、シェスはリースに近づき手を握る。まるでお母さんのようだ。
「安心していいのよ。あんな酷い奴の事なんて心配しなくても。ここは絶対に、ヘイネ様と限られた人以外知らない所だから。」
やっぱり何か勘違いしてる。
「酷い奴?アラン様の事をそんな悪く言わないで!」
リースはシェスの手を振り払う。その行動にシェスは驚くが、すぐに優しい顔になり
「あぁ可哀想に。きっと洗脳の魔法を掛けられているのね。ヘイネ様の言う通りだわ。さっきの銀髪の女の子もそうだったもの。」
「銀髪?まさかレイナもここにいるの?」
「ええ、レイナさんも近くの部屋にいます。でもすみません、お会いになるのはちょっと......」
「分かったわ。」
「ならご一緒に紅茶でもどうです?丁度テーブルの上にあることですし。」
シェスはリースの隣の椅子に座り自分の紅茶を注いだ。
リースは自分の心を冷静にし、シェスと同じように椅子に座る。
「それで、シェスさん。あなたがここに来た理由は?」
「リースさんの心を縛り付けている男を忘れさせる事です。今まであんな男の元にいてお辛かったでしょう。」
シェスの言っている目は本気だ。恐らく、ヘイネが有らぬ悪い嘘をシェスに聞かせ説得してこいって形であっているだろう。だがこの状況は予想以上に使えるかも知れない。
「ねぇ、シェスさんはどうして好きになったの?」
リースがド直球に尋ねる。シェスは虚を突かれ、お菓子をポトリとテーブルに落とす。
「え?どうして......ですか。うーん、やっぱりヘイネ様のお優しい所ですかね。あの方は誰にでも優しく振る舞い、もし困っていたら助けてしまう所も良いです。」
「へぇ、それじゃあもっとヘイネの話を聞かせてよ。」
「もっとですか?んーーと、他は...........あっこんな話ありますよ。ヘイネ様が交換留学から帰って来て柄の悪い人に殴られそうになった時、まるで神様に守られているみたいにその殴り掛かってきた人が雷に撃たれたって聞きました。」
シェスは楽しそうに話すが、リースはその話を聞いて疑問に思う点がある。
雷に撃たれたと言ったが魔法ではないのかと推測したが、シェスは否定した。
「違いますよ、その時ヘイネ様は魔法を使わなかったらしいですよ。」
「使わなかった?それじゃあ普通に考えてありえないじゃない。」
「だから、ヘイネ様は神様に魅入られた存在だと噂されているのですよ!」
リースは「ふぅん」と聞き流す。
実際にはありえない話だ。別に作り話ってことだってあり得る。しかし、嘘だとしてもシェスはその話を鵜呑みにしている。他の人達もそうだろう。
だとすればとてつもない存在だとリースは内心警戒する。
「と言うか、紅茶が冷めてしまいますけどお飲みにならないのですか?別に毒とか入っておりませんですけど。」
「あっ、そうですね。それでは」
リースは紅茶を一口飲む。捕らえられている事を忘れてしまいそうな雰囲気がその場に流れた。
今アラン様は何をしてるんだろう?
そう思うリースであった。
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