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準備 

ちょっと遅れてすいません。


卒業式シーズンですね。

ー翌日


「そういえばロント、お前って確か妹がいた筈だが置いていっていいのか?」


「両親の元にいるので恐らく安心かと。これでも両親は魔王軍に配属していましたので、そこら辺の者にも負けないと思います。」


「あっ、もうそろそろ学園に行かないといけない時間じゃないか?」


俺は備え付けてある時計を見る。


「確かにそうですね。でも良いのですか?」


「なんだ?心配してるのか。別にそんな心配する事でもないさ。それよりロントは学園へ行き、今の学園はどうなっているのか報告してくれ。元不良の奴らの事もよろしく。」


ロントは「分かりました」と返事をして学園へと向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ー視点ロントー



学園に着いたロントは周りからの冷たい視線を無視して教室へと足を進めた。廊下を歩いていると、元不良たちが深刻な顔をしてロントに近づいた。


「ロントさん。アラン様は大丈夫でしたか?」


「勿論、今はヘイネ達への対策をしてるのであなた達も間違って暴力を振るわないでくださいね。」


元不良たちは安堵する。


「良かった。無事でしたか。しかし、何故ロントさんはこの学園に?アラン様と行動を共にした方が良いんじゃ?」


「まぁ確かにその意見もごもっともですが今は学園の状態をアラン様は欲していましたから。それと、私なんかに敬語は不要です。」


「そ.....そうか、ありがとな。」


「いや礼を言われるまでもない。それより、アラン様がいない今、イフンやレイナ殿リース殿も囚われている。感情的になるとするならば、今すぐにでも救出したい。だが私達では不可能と分かった今、私達に出来る事を成そう。」


「「「はい!!」」」


やはり素晴らしい。敵対していたこの不良達を仲間にするなんて。ご自身では戦いしか能がないとかおっしゃっていたけど、あの方は少々自分を過小評価する癖がある。


私は教室に入り席に着く。

やはり教室の話題はヘイネの武勇伝やらでいっぱいだった。明らかにアラン様はそんな事していないと分かる筈なのに、どうしてすんなりと信じてしまうのだ?


「えー皆さん。例の事件について色々な噂等が流れていると思いますが、その全てが真実だとは限りません。しっかりと自分で判断してください。」


例の事件とは無論アラン様の話か。しかし.......ルー先生には何かアラン様を敵視しているような感じはない。それよりかは庇護するような。


その言葉にクラスの生徒達はもう一度考え直す。

確かにアランはレイナやリースを奴隷のように扱わなかった。その風景がクラスの生徒達の頭の中を駆け巡る。


バンッと机を叩く音がした。


「でも先生、それではヘイネの言っていた事が嘘のようじゃないですか。先生も見たでしょう?ヘイネはあんなにボロボロになりながらもあいつに反抗したのですよ!」


その言葉にクラスの生徒達も「確かに」「そうだ!」「そういえば傷だらけだった」等のヘイネ側の意見が出てくる。先生もそれについては何も言い返せず、無言になる。


やはりどんな言葉でもヘイネの野郎の事を支持する方向に話が行ってしまう。


最初の授業が終わり、トイレにでも行こうかと廊下に出ると後ろに女を引き連れてヘイネがやって来た。


自然とロントの後ろにも元不良の奴らが集まりだす。


「一体何の用だ?」


「いやなに、どうして自然とこの場所にいるのか気になってね。そうだろ?コイツらも一緒になってイフン君を虐げたんだ。コイツらもあいつと同じように退学させるべきだろう。」


ヘイネは後ろにいる女子軍団に同意を求める。勿論女子軍団はヘイネの言うことを否定することはない。


元不良の一人が前へ出ようと右足を出そうとする。だがロントが左手で制止させる。

その一人は悔しそうな表情をするが、ぐっと感情を押し殺し止まる。


今は駄目だ。堪えろ。


「それについては大丈夫だ。リーダーであるアラン・エリアルは退学させてある。変な事は出来ないであろう。」


急にロントとヘイネの間に割り込んだのはネシウス学園長だった。

さすがのヘイネも学園長には逆らえないようで、押し黙った。


「学園長。それは何故でしょうか?この者達がイフン君を虐げた様子はもう例の写真を見たらすぐに気づきますが。」


「ああ知っている。だが私はあの写真については半信半疑だ。だからアラン・エリアルを退学にし、この者達を監視させてもらった。」


「半信半疑ですか!?どうしてそんな事を!明らかにコイツらが行ったのは明白です!」


「理由か。私はこれでも魔王軍に所属し、魔王様と共に過ごした。そこで私は自分の魔眼を鍛え上げた。その魔眼がアラン・エリアルを危険無しと見なし、君を要・危険と見た。」


「なっ?そのような事で!」


自分のことを危険視され、アランを危険無しと見なされたことが勘にさわったのかヘイネは激情し学園長に必死に抗議する。


「そのような事で?貴様は魔王様から褒めてもらったこの魔眼を否定するのか?」


「うっ、そ...それは。」


ヘイネは何も言えない。この時、もしヘイネが「はい」と言えば次の瞬間ヘイネの首と胴体はおさらばしているであろう。魔王のことを悪く言うのは正式にはなっていないが、暗黙の了解として伝わっている。


「理解したならば良い。それでは私はこの辺で引くとしよう。お前らも気をつけろ、授業が始まるぞ?」


学園長の鶴の一声で廊下にいた人は足早に自分の教室へと戻って行く。


やはり学園長の言葉は凄い。一言一言に厚みがある。流石と言うべきだ。私もあれ位出来ていればアラン様のお役に立てるのだが、ない物はしょうがない。私も席に着くか。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーアラン視点ー




「ふーむ。何しよう?」


アランの声がポツリとこぼれる。


ロントを学園へと送り出したのはいいが、自分はやる事がない。いやこれからの事を考えると言うやるべきことがあるんだけど..............


俺は机の上にある白紙の紙とペンを交互に見る。


「よし、決めた!まずは二人の救出が先だ!」


やっぱりここは元魔王である俺が助けに行くべきだろう。

俺はこうして二人あっイフンもいたを助けに行こうとヘイネの家へと向かった。幸い、ヘイネの家は昨日ロントから教えられているので大丈夫だ。




「うわー、デカイ。さすがお金持ち。家も豪華だ。」


俺は目の前にあるバカみたいに大きい家を見て感想をこぼした。ここに本当にいるのか?

まぁ、別にいいか。いなかったとしても、三人の居場所の候補が一つ消えるだけだし。


俺は外周を回り、入れそうな所を探した。

丁度誰にも見つからなそうな大きな大木が植えてある所があったので俺は勢いよくジャンプして飛び移った。うむ、やはり厳重警備だな。武具を隠し持った者がぞろぞろいる。


どうにかしてでも入れないか見渡すが、何処の入り口も絶対に警備されていて無理やり入ろうものならすぐに連絡がいって終わりだ。


「え~。マジかよ、こうなったらちょちょっと隠密に爆破でもして入るか。」


「そんな事せずとも、良い手がございますわよ。」


背後から不意に声が掛けられた。アランが後ろを振り返るとそこにはエリカがいた。


「うわっ、びっくりした。エリカだとは分からなかった。」


「それでも誰かいるとはお分かりだったのですね。」


「まぁ。別に魔法撃ってこなかったし、誰なのかなぁとは思ってたけど。」


俺は嘘をついた。実は結構ガチで分からなかった。でもエリカの顔からしてこの場面ではこういう返答が望ましいと俺は思う。でも本当に分からなかったなぁ。いつもなら気づくのに。


エリカはニヤリと笑う。


「別にそんなバレバレの嘘をつかなくてもよろしいのに。私が声を掛けた際、反応がリアル過ぎましたわよ。」


「う、。そ、それでさっき言っていた良い手とはどんな手なのだ?」


「あからさまに話を反らしましたね。ま、良いでしょう。私は昨日から近辺の調査を致しました。無論、囚われているとされるお三方を探して。」


「やっぱりそうだったんだ。代わりにロントに現状況を持たして。」


エリカは収納魔法の中から一枚の大きな紙を出す。


「ええ。それで調査致しました結果、お三方はここでなく別の場所に囚われていると出ました。」


「え?マジか。普通にここかと思ってたけど。」


「この厳重警備もお三方がここにいると錯覚させる為のものでしょう。今でも部下が調査しておりますが、新しい情報はないです。」


一応言っておくけどエリカにも部下はいるぞ。

何でも、この世の中では生きずらい者達を集めている部隊だ。例えば人間界では差別されるようなエルフ。異形の形をした者。


昔では<狂乱の異形者達>とか相手からは言われていた。


「そうか。でも、この家に入る良い手ってなに?」


「簡単ですよ、女装すればいいのですよ。」


「女装!?」


「はい、女装です。」


笑顔満天なエリカの手元には女装セットがあった。



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