宣戦布告?
平常運転。
「うーん。やっぱり自分に合う物が見つからないな。」
「ここまでの種類でも合わないとなると、相当特殊な武具しかなくなるが。もはや凄いな。」
ロントが床に手をついて感想をこぼした。
俺も頭をフル回転して考えたが、やはり分からん。ロントとの戦いを見ていてこれは合わないなと思った物が、ほぼ全ての武器だったなんて今までなかったぞ。
「まぁ、とりあえずイフンは後方で攻撃魔法でロントのサポートだな。」
二人は返事をして、本格的な練習が始まった。
「<大炎>!」
「その程度の魔法じゃ、すぐに倒されるぞ?<大地獄炎>」
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「それじゃあ、今日の所はここら辺でいいか。二人とも、一応回復魔法を掛けておいたが大丈夫か?どこか痛い所でもあったら言ってくれ。」
「特にありません。」「凄い。体が軽いようだねこれ。」
イフンは体のあちこちを触ったり、ジャンプしたりして妙にはしゃいでいる。
それからは解散し、各自家に帰った。
にしても................イフンの特性がまったくと言っていい程見えなかった。何が得意なのか不得意なのかが。武器の扱いに関しては、全て不得意なんてあり得ないだろ。
やっぱりあいつには何かあるのか?
うーん。ヘイネと言い、イフンと言い、分からない事尽くしだな。ロントはヘイネと因縁があるようだし。
やる事は山積みだな。
とりあえず家に帰って資料の作成と整理、対策作りだな。
俺は自宅の扉をコンッコンッと二回叩く。
すると、扉の目の高さにある小さな穴からレイナが覗き込んで誰か確認する。アランだと分かると扉を開けた。
「お帰りなさい。今すぐご飯にするね。」
「ただいま。それじゃあ俺は自室で色々してるから、時間になったら呼んでくれ。」
「分かった。」
俺は二階にある自室へ向かい、机を整理して白紙の紙を用意する。
「何をするんですか?白紙ばっか用意して。」
「ん?ちょっと対策を........ってエリカじゃん。まさかまた魔法鍵破ったのか!?」
「はい勿論。扉に付いてる魔法鍵なんて、ちょっと魔力操作すればあっという間に壊せますよ。それよりその紙はやっぱり資料作成ですか?」
「あ、、ああ。ヘイネと言う青年と.....まぁ色々だ。」
「それならお手伝いしますわ。」
俺はエリカに礼を言って、資料作成を始めた。
まずはヘイネと言う青年の様々な情報の整理だ。事前に周りの人から聞いたのを書き写していく。俺がすらすらと書いていくと、エリカが驚いた表情でその光景を見た。
「どうした?何か致命的な誤字でもあったか?」
「いえ.......アラン様。クラスメイトとか他人と話せるようになったんですね。」
アランは書いているペンを止めた。そしてエリカが真面目に言っているのか確認する。
「え?俺ってそんなにコミュ症だと思われてたのか..........?」
「勿論です。ただでさえ魔王だった時代も配下の者におどおどしてましたし。配下の者も魔王様に対しておどおどしてましたから、側近の方も苦笑してましたよ。」
「マジか。いや自覚はあったんだけどな。まぁクラスの奴らから前は試験結果が最低だったから見下される事もあったけど、リースと戦ったあたりから質疑応答くらいは出来るようになったんだ。」
「へぇ。それは成長致しましたね。一応私の方でも調査しましたのでそちらも参照してください。」
「おう、ありがと。」
俺は礼を言って、エリカから資料をもらう。
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ーー数日後クラスにて
「はぁ。本当に懲りない人ですわね、何度もお断りしているのに来るなんて。」
「はい、やはり諦められないのですよ。貴女という人がこのような低レベルの箱庭で過ごしている事が。そう思いませんか?」
その言葉にエリカの周りにいる人達が反応する。
ヘイネはそいつらを一睨みし、さらに口説き続ける。
「にしても、よく諦めないですよね。あそこまで言われたら普通諦めますよ。」
「なに君、エリカの事が好きなの?」
「レイナ、あんまり茶化さないの。イフン君が困ってるでしょ。」
レイナは「はいはい」と言いながらも、ニヤついたまま挙動不審のイフンを見る。
「と言うか、本当にイフンの言う通りですよ。自分の知っているヘイネはあんなに諦め悪い性格ではなかった記憶があります。」
「ふーん。でもちょっとしたきっかけで急に性格が変わるなんてよくある現象だし、何とも言えないな。」
「特にロントとかな。」と脳内で付け加えるアランであった。
俺達がそんな風に会話していると、エリカを口説いてるヘイネがこちらに歩いて来た。
ロントが前に出ようとするがヘイネは一直線にリースの所へと向かった。
リースの前に立ったヘイネは行儀良く一礼し
「リースさんお久しぶりです。お身体の方は大丈夫でしょうか?」
「ええ大丈夫よ。それより私に何の用かしら?そちらのお嬢様を口説かなくてよろしいのですの?」
「おっとこれは嬉しい。自分に嫉妬心を抱いていらっしゃるのですね。」
ヘイネはニコリと笑顔を作る。イフンはその姿を見て(絶対将来ホストやってそう)と思った。
「嫉妬心?そんな物抱いてないわ。」
「それではあちらの方には好意でも抱いてらっしゃって?」
ヘイネはアランを指差す。するとリースは顔を紅潮させながら否定した。
「私はアランの従者もとい配下だから一緒にいるの。ただそれだけ。」
「ほう。ではその契約を破棄してもらえば良いのですね。」
その言葉に周りにいる人が不思議な顔になった。
そう、皆さんのご想像通りに契約を破棄すると言う事は魔族としてあってはならない。それは契約や約束を大事に考える魔族に反してしまう。魔族の間では、契約自体は守る主義だ。ただ、その契約内容を詐欺るのはよくある手口だ。
まぁ何事にも例外は存在するが、あんまり俺でも契約破棄することなど見たことはない。
「そこの貴方。リースさんと結んでいる契約を破棄させてくれませんか?貴方程度の者が配下にして良い方ではないのですよ。」
「そうは言ってもなぁ。答えは勿論no~だから諦めて。この契約はどうやっても切れる奴じゃないから。」
「じゃあ私がその契約を切れたら、リースさんを解放するという事でよろしいですね。」
「あ!?ああ。別にそう簡単に切れるものでもないが。」
「それでは$*+=%#ば^・|<神絶縁契約>」
前半の詠唱が聞き取れなかったがヘイネはとある魔法を発動した。
突如、神々しい剣が現れアランとリースの間に突き刺さった。その剣は二人に繋がっている線のようなものを引き裂こうとするが、パチンッと弾かれてその剣は消滅した。
その結果にヘイネは混乱の表情を見せた。
周りの人は今の光景を理解出来ずただ唖然としている。
「お前、今何の魔法をした!」
「は?ど....う..し........て?いやならば............。」
ロントがより声を強めてヘイネを怒鳴りつける。
「うるさいなデカ物。へぇ。そうきたか。ならばリースさん。今度はリースさんの方からその男に言ってもらうとしましょう。ではさよなら。」
ヘイネは自分の中にある疑念を隠しつつ教室から出ていった。
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