ヘイネと言う青年
なんか昨日投稿してから、ポイントが減りました(-_-;)
悲しい。
兄ハイムから言われた忠告「ヘイネと言う少年に気をつけろ」を思い出す。
「へぇ。あいつがヘイネか。イフン、あいつはどんな奴だ?やっぱり強いのか?」
「強いってレベルじゃないよ。魔法の精度やその強力な破壊力はこの学園でもトップクラスだ。あのリースさんとも張り合うくらい。」
「そりゃ凄いな。他に何か見えなかったか?」
「何か.....?そう言われてみれば....黒いもやみたいなのがヘイネさんの後ろに乗っかってる..?ような感じがしたような?」
やっぱりな。と言うことは、ハイム兄さんが忠告したのも何かがヘイネにくっついているからか。
「別にあんな野郎にさん付けしなくてもいいだろ。」
ふと横にいるロントが呟いた。
やはりロントとヘイネは並々ならぬ事情があるのだろうか。さっきの時からカリカリしてるし。
「ロント。お前ヘイネと何かあったな?」
「え、ええ。あいつとは昔からの付き合いでした。ちっちゃい頃から暴力沙汰ばっかしてた俺をいつもあいつは止めると言う関係でした。」
「いい関係じゃん。」
「でもこの学園に来てからあいつは変わりました。何時も力を求めて、勉強や魔力を高める練習ばかりするようになったんです。何かに取りつかれたように。俺達がそんなあいつを止めさせようと勝負を仕掛けても、もう無理でした。」
「その時にはもう遅かったのか。」
「え?アラン知らなかったの?でもアランって高等部からの入学だし、知らないか。この戦いはほとんどの人が知ってるよ。」
イフンが驚いたようにアランを見る。
高等部からの入学?え?この学園って15才から入れるんじゃないの?
後に調べた所、この学園は小学生の頃から入れるらしい。俺が見てた本はかなり古く、情報が間違っていた。
「ん、ああ。それほど凄かったのか。」
「そうだよ。校庭とかーー」
イフンが言おうとすると授業の始まりの鐘が鳴った。各々席に着いた。
今日の授業は校庭での実戦授業で、様々な武器に対しての扱い方と対策の説明だ。
前を見れば先生が槍の使い方等を説明している。
「ーーと言うことです。何か質問はありますか?」
ある生徒が「はい」と手を挙げる。
「口頭や持つだけではちょっと足りないので、実戦的なものをお願いします。」
「実戦的ですか.....。」
「それでは私が見せて差し上げますわ。」
エリカはそう言い、前の方に歩き出した。皆エリカの実力が見れるとエリカを取り囲む形になった。
「うーん。それでもあと相手になる人が足りませんね。あっレイナさん、お願い出来ませんか?」
「......え?私!?」
絶対来る筈がないと思っていたレイナは急に声が高くなる。「しゃーないな」と言葉をこぼしてレイナは円上になっている真ん中に立つ。
「やるからには本気でって言いたいけど、所詮授業だし五割でいっか。」
「確かにそうですね。でも油断しないでくださいね、私の五割はかなり強いですよ。」
「ふっ。私の五割だってエリカより強いかもね!」
その言葉を合図に、二人は収納魔法から武器を取り出し一斉に走った。
レイナの連撃をかわし、エリカは槍で応戦する。
カキンッカキンッと言う反響が校庭に響く。円上にいる生徒もその姿をまじまじと見ている。
「どう?エリカも息上がってきたんじゃないの?」
「レイナの方が息上がっているような気がしますけど?」
そう軽口を言いつつも二人は一進一退の攻防を繰り返している。
エリカは右からの剣を槍で受け流し、自分のチャンスにする。そしてレイナは一閃してくる槍をその剣にて弾き返す。
俺達男子はそれを後ろでのほほんと見ていた。
「流石ですよね。はぁ僕にはたどり着けない領域だよなぁ。」
「そんな事はない。誰だって得手不得手はある。お前だって他の誰にも負けないような何かを持つ事が出来るさ。別に武器を振り回すだけが戦いじゃない。分析、解析だって重要な意味を持ってくる。それはあまり目立たないのかも知れないけど。」
アランの言葉にイフンと側にいるロントは感激を覚えた。
そうだ、別に戦いって言うのは鋭利な武器を持つ事だけではない。与えられた情報から相手の弱点や奇行な策を練る。
その作業をする事によって相手を倒す軍隊がいたのを俺は知っている。昔の大戦中、奇行とも言える策を練り、それを実行する事で相手を破滅に追いやった。
人々はそいつらを蔑んだだろう。罵ったのかも知れない。
しかし、俺は知っている。その行為こそが大事だったのを。人々から憎まれてもそれでもなお、己が敵を殲滅していった。
「俺もあのクラスにいかないと。」
「なら、今日からまた練習開始だな。今回からは武器も交えるか。」
「はっ、ありがとうございます。」
俺がそう言うと、イフンは驚いた表情を見せた。
「えっ?」
「なんだ?そんな驚くことでもない気が......。何ならイフン、お前も一緒に練習するか?」
俺が誘おうとすると、イフンは目を輝かせて「うんっ!」と頷いた。
「まっそう言うことだ。ロント、異論はないか?」
「いえ全くございません。練習相手が増えればそれだけ手数が増えますからより実のある練習になるので。」
「確かにそうだな。それじゃあ、放課後にやるから準備しておいて。」
「分かった。といってもそんな準備する物なんてあんまないんだけどね。」
イフンは苦笑する。確かに見た目では剣を振り回せそうな感じでもないし、どちらかと言えば解析官の方が似合っていそうだ。
でも人は見た目だけではないし、この場で判断してしまうのは驕りか。
そろそろレイナとエリカの戦いも、先生が止めて終わりになる頃だろう。
これでエリカはこの学園のスーパースターだな。才色兼備、さぞモテモテになるだろう。
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ー放課後
「準備はいいか?」
「いいです。」「はい。」
「<異空間創造>」
目の前の空間が歪み、目を開けるとそこは真っ白な世界がただそこに存在していた。
イフンはこの空間を見て「えー!?」と大きな声を出して驚いた。
「なんだ?そんなに驚く事でもないだろ。<異空間創造>なんて誰でも使える魔法だし。」
「いや........ここまで大きな空間を創造するなんて、現代人では限られた人以外では不可能に近いですよ。一体アランって何者なの?」
えっそうなの?このくらい何でもないように使ってたけど、結構アウトだったんだ。
これからはそれも気をつけて行動しなければ。
「ん~。そうだな.......ちょっと近くの親戚に凄い奴がいてな。その人から魔法の色々な事を教えてもらったんだ。」
「へぇ。そのアラン様に教えた人、実際にお会いしてみたいですね。」
「その親戚の人凄いんだね。その人、ここら辺の誰よりも強そうだよ。」
「んじゃ、質問も終わったし始めるか。で、イフン。お前って何の武器を扱うんだ?剣か?それとももっと特殊な武器か?」
アランの問いにイフンは困った表情を見せる。
隣にいるロントも不思議な顔をした。
「それが........................ないんだよね。こう、自分にしっくりくる物が。だから毎回魔法攻撃だけで戦ってる。」
その答えにこの場にいる一同は呆気に取られた。普通に考えてありえないのだ。魔法攻撃を主体にして手に武器を持たないなど、相当な魔法使いしか取らない選択だ。
いや、相当な魔法使いでも非常用に何か持ってるか。
「え?それマジで?」
「は、、はい。ロントさんは何を普段使ってらっしゃるんですか?」
「いや敬語は要らない。俺は普段から素手での勝負を挑んでいるから何も付けない。まぁ無論、強化くらいはやるが。」
「へぇ。素手か.....。僕じゃ無理かな。うーん。」
「それじゃあ、俺が適当に武器を創るからロント相手に戦ってみてくれ。」
俺は魔力で、細身の剣や拳銃、鎌、モーニングスター、鈍器、ナイフ、錫杖、双剣、特大剣、等の武器全般を出した。勿論驚かれたが、そこでも凄い人のせいにした。
「ん~。それじゃあこれからかな?」
そう言ってイフンは細身の剣を手に取り、ロントと対決しに行った。
その姿はとても弱々しく見えた。
明後日から平常通りに2日に一投稿になります。




