魔王の試験結果
ちょっと無理やりな展開がございます。
魔王つえーーーな展開はもう少しお待ちください。
「ほーう、これが千年後の街並みか。あまり変わってないように見える」
俺は周りを見渡して景色を楽しむ。
千年前とはちょっと違うが、やはりいい街だよな。
家からここまでは、転移魔法でも行けたんだが、風景を楽しみたかったので空を飛んで来た。
「おっと、こうしてる場合じゃない。家を探さないと」
俺は母さんからもらった地図を見る。
ここを真っ直ぐ行って、門を右か。そしたら、灰色のレンガの家が見えると書いてあるが、ほとんどの家が灰色のレンガで造られているのだが......
俺は地図をよく見る。
すると、「分かりにくいと思うので、花瓶が置いてある」と書いてあった。花瓶?まぁ目立つけど、恥ずかしい。
この字はおそらく今まで父さんが書いたのだろう。
字が汚いから父さんの字は、父さんだと分かりやすい。本人は普通だと言い切っているが。
地図の通りに進むと、確かに花瓶が置いてあった。
「ここか」
俺は扉を開け、中に入る。
内装は普通の家だった。でも一人で住むのか、少々広いな。
俺は収納魔法の中から、日用品を出す。
忘れ物はないか....
「あ!」
歯ブラシ忘れた。
まぁ転移魔法を使えば、家に帰れるが恥ずかしいな。
というか、魔王が歯ブラシを忘れるとか恥ずかしいな。いつもは部下達にそういうのは任せていた。俺も自立せねば。
買いに行くか。
お金はだいぶ持ってるし。別に使い切ると言う事はないだろう。
俺は街へ向かう。地図があるので、別に迷いはしなかった。
「ここか?雑貨屋?」
俺は雑貨屋の扉を開ける。
店員が「いらっしゃい」と言った。
見渡してみると予想通りの雑貨屋だった。
周りには、日用品がズラリと並んでいる。
「あ~、あれもこれも買わなきゃ」
銀髪を腰くらいまで伸ばし、少し大人びた顔立ちの少女がカゴに様々な日用品を入れている。
あ~あ、あんなにカゴに入れて、落ちなければいいけど。
だが、そんな不安をよそに少女のカゴから物が落ちる。
ほーら思った通りじゃん。
やっぱり落ちると思った。と言うか、あの声どっかで聞いた覚えがあるんだけどな。どっかであんな少女と出会ったか?
千年前っていうことは恐らくないし。かと言ってこの転生した時代で知り合った人なんて数少ないし。
まぁ気のせいか。
「落ちましたよ」
俺は床から拾い上げ、カゴに戻す。
少女は「ありがとうございます」と言って俺の顔を見る。
すると
「え?なんで?いやまさか!?」
少女は驚いた表情で混乱している。
何か俺やらかしたか?
いや勝手に混乱しているだけか?
少女はハッとして冷静になり、頭を下げる。
「すいません。知り合いにとても似ていたので」
「ああ、いえ。別にそれくらいで謝らなくても」
別にこれくらい、魔王の時では日常だった。
ある時なんかは、ちょっと噛んだくらいで「自殺します」とか言われたからな。
まったく、俺はそんな短気でもないのに。イメージと言う物は怖い。
俺はその後、歯ブラシを買い、家に戻った。
「あ!明日の用意とかしておくか」
俺は魔王学園から届いた制服を着てみる。見た目はそんなダサくはなかった。
まぁカッコいいとまでは、いかないか。
魔王だった頃は紺色のコートを着用していたので、今度魔法で作るか。
「やる事はないし、もう寝るか」
俺はベッドで眠りにつく。
朝日が寝ているアランを照らす。
「ん~、もう朝か」
俺は起床して顔を洗い、制服に袖を通す。
そして俺は魔王学園へと足を運ぶ。
「これが魔王学園か。多分魔王城を建て替えたんだろうな」
俺は魔王学園を見る。
まぁ、平和となった時代に魔王城なんて不必要か。
まず最初に入学検査がある。魔力検査と知力検査だ。
魔王学園に入り、会場へ行く。
「はい。ではこれから魔力検査を行います。奥にある的に炎魔法 <炎>に全魔力を込めて撃ってください」
ほう、初級炎魔法を全力で撃つのか。
一応説明しておく。炎魔法 <炎>とは、一番最初に習う魔法だ。
そして順番に魔力検査が行われる。
審査員から「B、C、B」やら聞こえる。
ほう、Bか。古の時代でもこの検査方法はあったが、Bは結構見込みあった。
魔法は退化しても、見込みはあるのだな。
時間があったら、少し鍛えてみるか。
そして次が俺になった。
ふと前を見ると、金髪をポニーテールにした少女がいた。
「<炎>」
「な!?。魔力SS?」
へぇ凄いじゃないか。
SSか。ぜひ魔王軍に来てほしいな。
周りの人々が「まさか、あれが転生した魔王か?」「いや魔王は女じゃないだろ。」などざわめいている。
まぁ転生した魔王は、俺だかな。
そして俺の順番になった。
どうしよう?普通に魔力を込めれば、的が壊れてしまう。
出来るなら、まだ俺が魔王とはバレたくはない。
普通の学園生活を俺はした事ないし、いい機会だろう。手加減するか。
「<炎>」
俺の手から小さな炎が生まれ、その炎を的にぶつける。
幸い、的は壊れなかった。
「D」
おお、ちょっと手加減し過ぎたな。
さすがにDは、魔力無さすぎだな。魔法を手加減すると、全然ダメージも無くなる。まぁいっか、魔王の時は全力で魔力を込めてたし。それに比べれば、被害も無いに等しい。
悔しいとか思わないのかって?
別に悔しいくもない。だってこの世界では、魔法なんて使う機会などあまりない。多分。
これはちょっと余談だが、会場を後にする時に銀髪の少女が「C」と言われていたのが見えた。
そして俺は会場を後にする。
次は知力検査か。
俺はテスト用紙を見て驚いた。
「なんだこれ」
ーー<大地獄炎>の魔法陣を書きなさい。
とか、問題にある。これくらい、千年前では常識だったぞ。
こんな中級魔法、誰でも知っているだろう。
知らない奴は戦闘でもしたら、すぐ死んでしまうぞ。あっ、でもこの時代ならみんな使わないか。そう考えると案外難しい問題なのかも知れない。
俺は開始五分で解き終わり、暇をもて余す。そして知力検査が終わり、今日の行う事は終わった。
明日から本格的に学園生活が始まるらしい。
俺は家へ帰ろうと道を歩いていると、
「あの~、ちょっといい?」
「ん?あ、はい。何でしょう?」
振り向くと、銀髪の雑貨屋で会った少女がいた。
何の用だ?
「あのさ、君って一人暮らし?」
突然なんだ?一応一人暮らしだが
「ああ、そうだけど」
「あのさ、じゃあさ。ちょっと居候させてくれない?」
その少女は、手を合わせて俺を見つめる。
うーん。こんな少女が何で俺に?
別に構わないが、いいのか?普通そういうのは女に頼む所だろ。
「構わないが何故俺に?」
「いや、この前ちょっと失礼な事しちゃったし、そのお礼に炊事洗濯でもしたあげようかなって」
おおマジか。
それは助かる。日常魔法だと、洗い残しがあるから困っていた所だ。
そう考えると、千年前の部下達は有能だったな。
自分から進んで働いていたし。
「わかった。俺の家はこっちだ」
俺はその少女を案内する。
名をレイナ・レッツェルと言うらしい。
レイナは、遠い村から来たのはいいが宿が見つからず、途方にくれていた所で雑貨屋にいた俺が一人で家に入って行くのを見て、もしやと思い声を掛けたらしい。
なぜ雑貨屋にいたのか尋ねると
「いや、どうせ何処かの家にお邪魔しようと考えてたし、日用品くらいは買った方がいいでしょ?」
いやいや、俺が駄目と言ったらどうするつもりだったんだ?
まぁ、もう心配ないけど。
そして俺はレイナにキッチンの場所や、バスルームなどの場所を教えた。
さすがに俺一人じゃあここは広いからな。
同居人がいるのは、頼もしい。
「あなた、興奮とかしないの?」
「え?なんで?」
「だって女の子と二人きりなのよ」
あ~。
でも千年前は魔王城に女も男も大勢いたし、そんな事思わなくなったな。
「いや特に」
「へぇー」
うっ、何かこれは少し気まずい空気だな。
話を変えなければ。
「そうだ!食事でも作ってみてよ。もう昼飯の時間だし」
「確かにそうね。じゃあとびきりの食事を作るわ。ちょっと待ってて」
レイナはエプロンを着け、キッチンに立つ。
可愛いな。
おっと、魔王ともあろう事が見とれてしまうとは恐ろしい少女だな。
そして出来上がった料理は....
「うまいな」
そう、うまい。
今まで母さんの料理も旨かったが、千年前の味覚と今の時代の人の味覚は違うから、少し困っていた所だ。
この料理は千年前の人でも十分に満足する。
その後は、暇だし服を作る事にした。
俺が魔王の頃いつも着てた服は、服屋で探しても無かった。
「ん~難しいな。これって、こうだったっけ?」
予想より難しいな。
そんなアランを見て、レイナは作っている服を見つめる。
「ちょっと貸して。大体、予想はついたから」
俺は作りかけの服をレイナに渡す。するとレイナは、正確に精密に服を作っていく。
その一つ一つの動作は洗練されていて、職人のようだ。
「はい、これでいい?」
「ありがとう。凄いな、そっくりだ」
俺が着てた服とそっくりだな。
やっぱりこういうのは、女の子に任せた方がいいな。男が作るとやっぱりがさつに作ってしまって、すぐ悪くなってしまう。
俺は試着してみる。
いやぁ、やっぱりこうでしょ。魔王の服はこうでなきゃ。
と言っても今はただの一般人だが。
「さすがだな。サイズもちょっと大きくていい」
「そうでしょ。内側に収納魔法も付けたし。カッコいいでしょ」
おお、スゲーな。
俺は内側の収納魔法に手を突っ込む。
そうこれこれ。この感覚だよな。魔王の頃は、ここから銃を出していた。
にしても、何で内側に収納魔法を付けたんだ?
俺が魔王だった頃の部下なら知っていても不思議は無かったが。
まぁ別に気にする事でもあるまい。
そして俺は収納魔法の中にある物を収納する。




