魔王城見学とやり残し
「さてさて、ここが魔王城。神々の攻撃を凌ぐ城だ。」
「お~。これが.......」
「久しぶりに見ましたわね。最後に見たのは相当前でしたし。」
今、俺達は魔王城の前に来ている。昨日のリースの要望を叶える為だ。せっかくこんな時代にこれたのだ、何かこの時代でしか出来ない事をしても罰は当たらないだろう。
三人の中でリースだけが、その目に焼き付けるように見ている。
まぁ、レイナは以前に見たし、エリカは何度も目にしている。
「エリカ。二人に魔王城の説明をしておいてくれ。門兵には話を通してあるから。」
「分かりましたわ。」
「ん、アラン。何か用でもあるの?」
「ああちょっとな。でも大丈夫だよ、そんなに面倒な事でもないし後処理って言う感じかな?」
「へぇ。ならいってらっしゃーい。」
俺はレイナに手を振り返し、ある所に足を運んだ。
以前レイナとここを訪れた時、古代人と会っただろう?そいつにまた会いにいくのだ。
内容は無論、エリスの件だ。
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「ふっふっふ。まさか自分を切り札にするとは思いもしなかった。さすがじゃのう。我が魔王様はいつも楽しくさせるのう。世界中が知らなかった....か。そう来るか。かっかっか。」
「褒め言葉は結構だ。やはり見ていたのだな。」
「おや驚きですかな?」
「ああ。あの時空停止さえ、干渉するとは........ますます怪しくなってきた所だ。」
老人は「はて?」と惚けた表情をする。
「明らかにおかしくないか?確かに古代人は物凄い力を宿していたって言うのは分かる。しかし、これほどの者なのか?」
「ふーむ。一体何を言いたいのだね?」
「要するに、お前は古代人以上の何かの存在じゃないのかって言う事さ。俺達の古代人に対するイメージとかけ離れ過ぎている。」
俺の問いかけに老人は嬉しそうな顔でコップに注いであるコーヒーを一口飲む。
そう、おかしいのだ。
ただの古代人と言っては失礼にあたると思うが、そこまで.......ミラの時空停止さえも破れる程の能力があるのか?さっきまでは、別に確信している訳でもなかった。
でも今の反応から見るとやはり思った通り、予想は少なからず当たっているのではないか?
「疑われると分かってはいたが、よもやそこまで頭が回るとはのう。歳を重ねれば重ねる程、弱くなっている感じがするの~。」
「答えになってないぞ。」
「まぁまぁ、そんなにカリカリしても良い事はない。どれ、コーヒーでも飲むか?」
「いいや、別に喉は渇いていない。」
「そうかの。なら答えを告げるとするか。うーむ。そうじゃの、お主の言っている事はまぁ当たっていると思ってくれて構わない。言っておくが、ちゃんと古代の事は知っておる。」
「詳しい内容は教えてくれないんだな。」
「勿論お主がこの情報の対価として、何かしてくれるって言うんなら話は別じゃぞ?今回の件で儂が話せる内容はここまでじゃ。次も期待しておるぞ。」
老人は笑う。
今回はその程度の価値と言うのか。だとしたら、後どれだけ偉業を成し遂げれなければならないんだ?まぁ、俺はあんまり目立つ行為はしないでおこうって決めたし。
俺は老人の家を後にする。
魔王城の所まで戻ってくると、門兵が「中に入った者達は出てきていませよ」と報告してくれた。そうか、まだいるのか。なら俺も入るか。
俺は魔王城に入る。でも、一体何処にリース達がいるのか分からないから、探しようがないな。しょうがない、手当たり次第に歩いてみるか。
まずは二階の広場から行くか。かなり大きな場所だし、あわよくば見つけられるかもしれん。
アランはすたすたと階段をのぼる。途中、顔のごつい人にちらちら見られたが問題ない。基本的にこの魔王城にいる奴らは信用出来る。
そういう奴らしか入れさせない様にしてある。
アランは広場に行き、周りを見渡すが、特に誰もいなかった。まぁそりゃそうか。こんなに早く見つかる事でもないか。しょうがない、普通に人に聞いた方が早く済む。
適当に通りかかった人に聞いてみる。
「すいません。ここら辺で、金髪の子とその二人を見ませんでしたか?」
「金髪?ああ見たな。確か「次は地下に行きましょう!」とか言っていた気がする。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「おう、坊主。お前も頑張れよ、多分お前少年兵だろう?その歳で可哀想だよな。いつも血生臭い戦場を立って。」
「大丈夫ですよ。あなたの方こそ、生きていてください。それでは」
俺は心配してくれた人に手を振り、リース達が行ったであろう地下に向かう。
この魔王城の地下施設は娯楽が多い。地上に備えると民衆に、サボっているのではないかと疑われてしまう可能性が出てくる。
だからと言う意見で娯楽施設を地下に建てた。そのせいで地下の研究所から度々苦情がくるのだが、その点については、何か対策を講じなければならなかったな。何時も忙しくてやってやれなかったから、可哀想だったな。
すまない、研究所のみんな。
「しかし、来たのはいいが、地下も相当な広さだぞ?どうしよう?」
「そこの少年?何か困っているようだね~。今なら私をゲームで楽しませてくれたら、手伝ってあげよう。どう?やるっしょ!」
金髪を肩までで切った笑っている女性が話しかけてきた。
俺は知っている。こいつは、極度の遊び好きだ。見た目は何時も笑っていて、元気で素敵な女性だと思われるだろう。
たが、極度の遊び好きのせいで結婚まで至っていない。
地下に娯楽施設を作ろうと言ったのは当然ながらこいつだ。名をマナリアと言う。
「あれ?どうしたの?私とゲームするだけで君のお困り事を解決してくれるんだよ。やるしかないでしょ。」
「はぁ。分かりました。で、ゲームする内容はなんですか?」
俺がそう言うと、マナリアはニコッと笑顔を作り、奥にあるビリヤードを指差した。
「あれだよ少年。ささ、決まったとなれば行こう行こう。」
マナリアはアランの手を引っ張りながら早歩きする。
にしてもビリヤードか。別に俺だって初心者ではないけど...........そんなに上手くないんだよな。果たしてマナリアの満足にいくように出来るのか?
俺はマナリアから渡された棒を受け取り、台上の白玉を見つめる。
「少年、どうしたの?悩んでいるなら、そんな事忘れて心を空にした方がいいよ。」
「あ、はぁ。...よし!」
俺は白玉を勢いよく棒で突く。バコンッと音をたて、他の玉が散らばる。運悪く(いや実力不足か)で、一つの玉も穴に落ちなかった。
アランはため息をつく。その状況にマナリアは「ちっちっちっ」と人差し指を揺らし、玉を突く。すると、玉に意志があるように穴にするすると入っていった。
ガコンガコンと入っていく姿を見て、やっぱりどうしようと考えるアランであった。
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「ーーそれで、ここの防御装置は大抵の魔法を防ぐ事が出来ます。」
「へぇ~。そうなんだ。確かにこれだけの装置なら、神々の攻撃をも防ぐって本当なんだ。てっきり誇張して書いてあると思っていたのに。」
「レイナ失礼よ。ただでさえ、この魔王城に入らしてもらっているだけでも家宝物なのに、そんな事を言うなんて。」
「分かった分かったって。本当にリースって魔王ファンなのね。」
「ファンと言うよりかは、フェチの方が正しそうに見えますけれど。」
エリカが言葉を変える。
今ここは、アランが広場に向かうちょい前である。
「そういえば、地下に娯楽施設がありましたね。行ってみます?」
「え?エリカ!そんな所、行っていいの!?」
リースはエリカの言葉に食いつく。
さすがのエリカも、リースの豹変っぷりに一歩引いている。レイナなんか苦笑いで見ている。
「それじゃあ、行ってみよー!」
リースは右手を天井にかざし、階段を降りていく。
「でも、もしアランが帰ってきたら私達の事、見つけられなくない?」
「言われればそうですね。」
「むぐぅ。確かに。」
レイナの言葉に二人は納得する。そして三人は出口に帰って行くんだが、その時アランはマナリアとビリヤードをしていて、結局30分後、同じ出口から出てきたアランはこっぴどく叱られたのであった。
あぁ、流行ればいいのに.........。まぁ無理か
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