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機械天使

お体には気をつけて

魔王軍は機械天使(オートマタ)を倒そうと魔法を何発も打つ。

だがそれは機械天使(オートマタ)と共に現れた聖獣によって何度も防がれる。その光景に魔王軍の隊長は顔を歪める。


その隊長にアランは近づき


「あんた魔王軍の隊長だろ?」


「そうだが、何か?」


機械天使(オートマタ)の周りにいる聖獣達は隊長さん達が相手をしてくれないか?あの無慈悲な天使は俺達が相手をする。」


「本当か!だがしかし、あの機械天使(オートマタ)は強い。本当にやれるのか?」


「やれる。だからあの獣達は頼むぞ。」


隊長は「承知した」と頷き、兵士達に指示を出す。恐らく、あまり俺達を信用していないだろう。だがこの戦場では機械天使(オートマタ)の時間稼ぎと言う内容だけでも価値がある。


隊長から指示が出た兵士達は機械天使(オートマタ)と聖獣を離そうと道を作る。

アランは猛ダッシュで機械天使(オートマタ)に体当たりをし、一気に戦場から遠ざける。


機械天使はガードしてダメージは免れるが、その衝撃は受け止められず吹っ飛ぶ。聖獣と分断させればこっちの物だ。


「よし。作戦通りに行くぞ。」


「はい」「承知しました」「おっけー」


その言葉を合図にレイナが斬りかかる。しかし機械天使は長い錫杖の杖を持ち、レイナの剣を止める。その隙にエリカは機械天使の背後に回り、一突きする。


当たると思ったが、そう簡単にはいかない。機械天使はレイナの剣を払い、横に飛び退く。

そこへリースの<超滅連獄炎(アスト・フレイム)>が炸裂する。地獄よりも灼熱な炎が機械天使を襲う。


「やはりこの程度の魔法を一回食らっただけでは死なないか。別にこの記憶通りだな。」


アランはこの記憶と何らかの間違いがないか試していた。あの機械天使に対しての記憶がもしかしたら改竄でもさせられているのではないかと予測していたのだが結果は違った。


やっぱり、機械天使が早く来たのは俺が出てきたからか。もしかしたら改竄でも..........と思ったのだがそりゃないか。考え過ぎだな。


「おーい!三人ともー!作戦変更だ!俺が囮になって機械天使の攻撃を受ける。その内に三人とも攻撃してくれ。」


各々返事をし、早速行動に移す。機械天使の能力が記憶通りと分かった今、別に俺が臨機応変に対応しなくても良いだろう。


アランは機械天使に近づく。機械天使は左手をアランに向かって突き出す。

機械天使の左手から光るビームのような物が放出される。アランは<超滅連獄炎(アスト・フレイム)>を打ち、ビームを相殺する。


そしてさらに近づいた。機械天使は至近距離の魔法を使おうと杖を振ろうとする。

だが、レイナが剣にて機械天使の杖を弾く。


そうすると機械天使の魔法を行使する速度が伸びる。その隙にアランは機械天使の腹部に手を当てた。


「<貫魔王槍突(カイ・スピネル)>」


アランがそう唱えると、大きな魔法の槍が機械天使の腹部に突き刺さり、その勢いのままぶっ飛ぶ。

機械天使の体からパリンッと音が鳴る。恐らくこの音は、機械天使の着ている鎧にひびが入った音だろう。


懐かしい。この機械天使の魔法の耐性が高くて、この<貫魔王槍突(カイ・スピネル)>を創ったんだからな。この魔法は機械天使によく効く。


「リース。俺と同じの魔法を使え!この機械天使にはこの魔法がよく効く!」


「分かりました!」


リースは言われた通りに<貫魔王槍突(カイ・スピネル)>を倒れた機械天使に向かって放つ。

だが機械天使もバカではない。すぐに立ち上がり、かわす。


だが、かわした先にはレイナやエリカが待っていた。レイナとエリカは機械天使に怒濤の一撃をお見舞いする。機械天使は杖を盾にし、その攻撃を防ごうとするが防ぎきれなかった。


「くっ。堅すぎでしょ、鋼鉄の鎧でも着てるの?」


「だから私のような槍使いが機械天使戦では重宝されるのですよ。と言っても私も致命傷までは傷付けられなかったですけれど。」


機械天使の体を見ると、光り輝くその体にひびが入りもうそろそろで割れそうになっている。

先ほどの二人の攻撃でさらにひびが入ったと見て間違いないだろう。あともうちょいか。あの鎧を壊しきれば、後は普通にダメージが通る。


結局の所、あの機械天使の強さとはただ単にその鎧が堅すぎるだけなのだ。それさえなければ、機械天使なんてそこら辺にいる聖獣となんら変わりない。


「あともうちょっとだな。リース!魔法を連発して撃ってくれ。なるべくあいつの気を逸らせ!二人とも!後方へ下がれ!」


それぞれ返事をし、アランの号令に従う。


リースは<超滅連獄炎(アスト・フレイム)>と<寒零度吹雪(アイ・シクル)>を3発ずつ撃つ。

別に<貫魔王槍突(カイ・スピネル)>でも良かったのだろうが、それではすべてかわしきる可能性があった。


それでは意味がない。


地獄の炎をも焦がす業火と凍死する事すら生温い吹雪が機械天使を襲い掛かる。重なり合う反発する魔法は互いの威力を上げながら進んでゆく。


機械天使はその魔法を見て、目を開け何かを決意したように魔法に自ら突っ込んでいく。

引いて防御に徹するよりかは、特攻する事を選んだか。それもまた強者になるための第一歩だ。だが運が悪かったな、俺は魔王だった男だ。


敵である以上、容赦は出来ない。


俺は向かってくる機械天使の前に立つ。


機械天使は向かって来る6発の魔法を<魔法障壁(リアマジク)>よりも高位な魔法<防魔法障壁(ガ・リアマジク)>にて、身を守りながら突破した。パリンッと音が鳴る。


展開された障壁は粉々になり、機械天使の体はぼろぼろになるがそれでも生きていた。


「悪いな。突破しても俺がいる。<超滅連獄炎(アスト・フレイム)>」


俺はほぼ全開の<超滅連獄炎(アスト・フレイム)>を放つ。凄まじい業火が機械天使の体を埋めつくし、燃え上がる。その姿は火だるまだった。


機械天使の体は瞬く間に焦げてなくなり、灰ですら残らなかった。


その光景にエリカ以外の二人は驚く。普通、強力な魔法を受けたとしてもその場には灰くらい残る物だ。しかし、今のは残らなかった。その威力は火山のマグマよりも凄いのだろうか。


「とりあえず、機械天使は倒せたっていう事で良いのね。」


「ああリース。これで魔王軍の被害は少なくなった。ん?どうやら向こうの方も終わったらしい。ひとまず休憩といこうか。」


「そうだね。私も疲れたよ。あいつ堅すぎて、剣を振る度、腕が疲れちゃった。」


「私も久しぶりの戦闘でしたので、少々疲れました。さっ、戻りましょう。」


こうして俺達は近くの野営基地まで戻った。俺達が戻って来ると、様々な魔王軍の人達が出迎えてくれた。


「すげえなお前達。あの機械天使をやっつけるなんて、最初は信じていなかったんだがお前達は凄い奴らなんだな。」


「いやー、このまま魔王軍に入隊してもらいたい位だよ。」


「俺もあんな強者になりたい。」


など、色々話掛けてくれた。

リースやレイナはちょっとびっくりしていたが、魔王軍は一度こういう活躍をするとみんな憧れる奴らなのだ。よって、みんな戦場で活躍してくれる。自分もこんな様な存在になりたいと思ってな。


そのせいで、死人が増えるのは良くないが、士気が下がるよりかはマシなのかな。

人だかりの中、ソルが前に出てきた。


「旅のお方達、魔王様が呼んでおります。至急、テントまで来てください。」


「わかった。すぐ行く。」


俺はそう返し、テントまで急いだ。






「まずは機械天使の破壊、礼を言う。おかげで魔王軍の被害は少なくなった。」


「いえ。滅相もございません。旅をしている中で、あの機械天使の強さは聞いていました。まさか自分たちが破壊出来るとは思いも知りませんでした。」


このテントの中では魔王以外の魔族の奴らもいる。その中で敬語なしで話せば、大変な事態になるだろう。そんな訳で俺達は敬語で話す事にした。


「して。やはりそのリースと言う者の力は凄い物だった。その年齢でその魔力ならば、将来が楽しみだな。これで魔王軍の中級くらいの魔法士と並んだ.......と言う所か?」


魔王の隣にいるデモクレスが感想をこぼす。

リースは今の自分の弱さを知った。そう、この千年前では今のリースの強さは特に珍しくもない。年齢の若さで言えば確かに若いな~と思うくらいだ。


ここは毎日何処かで誰かが戦っている時代なのだから。

日々、自分の魔力を研鑽し、肉体を鍛え、相手に勝つ事だけを考えていた。


説明しておこう。魔法士とは、魔王軍の中に存在する部隊のような物だ。基本的に武器を使わず、後方からの魔法攻撃を主にしている。


「やはり大天使の奴らは今夜辺りに仕掛けてくるだろうな。」


「ええ魔王様。きっとそうでしょう。この戦いが今後の魔王軍の方針を決めるきっかけにもなるかも知れませぬ。お気をつけを。」


「無論、油断はしていない。お前もそうだろう、エリス。」


「勿論、あいつらなんか蹴散らしてやるぜ。」


そう言ったエリスが死ぬなんてあの時、一体誰が予想出来ただろうか?



もう冬か~

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