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初陣 

いつもよりお早めに投稿

「来たぞー!」

その声を聞いた者達は急いで周りを確認し、自分の与えられた場所へ行く。

俺達は遊軍みたいな存在になっている。


ふと後ろを見ると、レイナとリースの手が少し震えていた。やはり俺がいるとしても戦場は怖い。様々な叫び声、漂う血、焼け焦げた地面。どれも怖い。


アランは二人にそっと近づき、二人の手を握る。


「大丈夫だ。絶対に死なない。これからちょっと心を落ち着かせる魔法を掛けてやる。」


俺は頷いた二人に自分の魔力をちょっと流す。


「お~、大分落ち着いた気がする。」


「確かにこれは落ち着く。一体どんな魔法なの?」


「うーん。内緒だ。帰って来たら教えてあげるよ。と言っても本番は今日の夜だ。だから明日かな。」


アランは交戦している箇所へ向かう。すると、微笑したエリカが近づいて


「ふふっ。確かにあれは魔法かもしれませんね。アラン様の魔力でお二方は安心されたようですし。ついでに私もやってくれません?千年もアラン様の魔力を感じていないもので。」


「あ、ああ。やっぱり気づいてたか。」


実際あれは魔法ではない。単に自分の魔力をちょっと流しただけだ。昔から戦場に行く者を落ち着かせるにはこの方法が一番手っ取り早かった。なんか俺の魔力を感じると魔王に加護を与えられた感覚になるらしい。


別に加護を与えられる訳ではないけど。まぁお守り的な感じか。


アランはエリカの手に魔力を流した。エリカは嬉しそうに笑顔になった。

かわいい。.........おっと、今は戦場だ。余計な事を考えればすぐ死んでしまう。


「やはりアラン様は少し変わられましたね。千年前はいつも気を張っていて表面上は笑っていても、本当に心から笑っていませんでした。」


「そうか。やっぱりあの時の俺はそんな感じだったのか。ふぅ。よし!行くぞ!」


そして俺達は戦場を駆ける。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「ん?やっぱりこれは魔王?でもこんな早くから出てくるとは。どうしましょう。うーん。少し早めに()()を出しますかね。」


そこは天界。神々が存在し、神々の住まう場所。そこに大天使はいた。大天使は聖獣の見ている光景を見ていた。その容姿は誰の目から見ても「天使だ」と言われるような姿だ。


「あら、また戦っているのね。」


そう話しかけてきたのは緑色の髪をした女だった。白い服を着て、離れた所から見てもその姿は美しいと一目で分かるだろう。彼女もまた、大天使の一人だ。


「その声はやはりイシュタルか。相手はあなたのお気に入りの魔王ですよ。」


イシュタルと呼ばれた彼女は幸せそうに笑う。


「お気に入り.....そうね。でもハニエル。あなたも魔王の事、気にいっているんじゃない?」


「いえいえ、あなた程気にいってないですよ。ただ面白い存在だなと思っただけです。しかし、良いのですか?この戦争で魔王は死んでしまうかもしれませんよ。あなたのお気に入りが。」


「大丈夫です。魔王は決して負けませんよ。例え私達大天使が束になっても勝算は50%位でしょう。」


「そうですか。楽しみですね。負け戦でも。」


大天使二人、ハニエルとイシュタルは顔に笑みを浮かべていた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





ーー視点リース


「<超滅連獄炎(アスト・フレイム)>」 「おりゃー!」 「行けー!」 「取ったぞー!」


様々な魔法と剣がその戦場に響く。戦場ってこんな感じなのね。今までいた世界がまるで嘘のよう。


「リース、あなたちょっと魔法の威力が落ちてません?別に無理をしなくても良いですよ。本番は夜ですもの。」


エリカがリースに話しかける。私は首を横に振り


「大丈夫よエリカ。それよりアランの所は大丈夫なの?」


「当たり前です。ほら、あちらを見てください。」


リースは言われた方向を見ると、アランが様々な魔法を駆使して自分よりも大きな聖獣を倒していた。その顔には余裕が見える。転生したとはいえ、魔王だ。負ける筈がない。


「おっと危ないですよ。」


エリカがリースの後ろから襲い掛かって来た聖獣を一突きする。槍で串刺しにされた聖獣はすぐに光の粒になって上空に消えていった。


「ごめんなさい。よそ見してしまって。」


「いえ良いですよ。よそ見させてしまったのは私ですし。でも一つ気になりますね。」


「何がです?」


「レイナの事ですよ。あの剣さばき、聖獣を倒すのに何か慣れているような。別にレイナがこの過去の時代に産まれていたのならおかしくもないけど、絶対にレイナは過去に産まれていない筈。」


私はレイナをよーく見る。確かに聖獣が襲い掛かってくるのを正確に読んでかわしたり攻撃したりしている。私もこの戦いである程度は見切れるようになったが、レイナの見切りは完璧過ぎる。


単に才能だと言えば、多少は納得出来るが、何か違う気がする。







ーー視点アラン


「ん~。こんな物かな。」


俺は魔法で地面が抉れている場所に立っている。他のみんなは大丈夫か?

俺は後ろにいる三人を見る。別に外傷は特にない。


良い感じにエリカが守ってくれたのかな。エリカの事だから「弱い者は要りません」とか言いそうだけど良かった。やっぱりエリカも変わってきてるのか。


「いや~やっぱり凄いねアラン。魔法の質が段違いに強かったよ。」


レイナがアランに声を掛ける


「うーん。この程度の聖獣は二人とも普通に倒せると思うけど、これからの聖獣はレベルが圧倒的に高いから駄目だと分かったらすぐ逃げてね。」


「分かりました。やっぱり今来た聖獣達は弱い分類に入るんですね。」


「まあね。強い分類に入る聖獣は流石にあの平和な時代の人じゃ難しい。この時代は弱肉強食だから、必然的に強い者達がごろごろ現れるんだ。」


リースは少し落ち込む。この倒した聖獣が弱いのは薄々感じていた。でもやっぱり自分はまだまだ弱い事を知ると悲しくなる。


「アラン様。次の予定は?」


「多分この後は何もないんじゃないかな。本隊が動くのは夜だったし、夜までここで休んでいるかな。」


そうアランが言って、エリカが返事をしようとした時に戦況は変化した。


機械天使(オートマタ)だ!全員気を引き締めろ!」


一人の兵士がそう言うと、兵士達が慌ただしくなった。

アランは機械天使(オートマタ)と言う言葉を聞いた瞬間、顔を歪めた。


「ねえエリカ。機械天使(オートマタ)って何?皆緊張しているけど。」


リースがエリカに聞く。


「やっぱりリースは知りませんか。機械天使(オートマタ)。神や大天使が造りだした兵器です。普通の天使とは違い、生物としての心がありません。我ら魔王軍の兵士が何千人も殺されました。最悪の天使です。」


何千人と言う言葉にリースは恐怖する。それほど強くて心がないのだ。命令とあらば何の罪のない人でも殺す。例えその対象が女子供でも変わらない。


大天使の切り札とも言えるだろう。


「おいおい、まさか俺が出てきたから切り札を出すのを早めたのか?」


「それってまさか。」


「ああエリカ。機械天使(オートマタ)はこの時間には出てこなかった。本当ならもっと後に出てきたんだ。まずいな。このまま行くと被害が拡大してしまう。」


「そうなると、やることは一つだね。」


横からレイナが歩き出す。


「倒せばいいんでしょ。」


「まぁ確かにそうだが今の二人では相手にならない。リースは後方で攻撃魔法を使うとして、レイナは接近戦だろう?」


「いいのいいの。いざとなったら逃げるし、危なくなったらアランが助けてくれる。」


自信ありげにレイナは胸を張る。

おいおい、その立派なアレが妙に強調しているぞ。おっとまずい気づかれる。


「分かった分かった。リースは後方から攻撃魔法、レイナとエリカはあの機械天使(オートマタ)と接近戦。俺はレイナとエリカが危なくなったら前方に行き、リースが危なくなったら後方へ助けにいく。」


「はい!」「分かった!」「了解しました!」


「それじゃあ、行くぞ!」


そして四人は無慈悲な機械天使(オートマタ)と対決する。




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