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懐中時計 

もう10月も終わりか..........勉強しよ

「うわぁ、まぁまぁ人要るね。これじゃあ先を越されちゃう、急ごう。」


リースが目の前の人々を指差して言った。


「なあに、リース。何も急がなくてもいいさ。あの遺跡の最深部には誰もたどり着けない。」


「どうして?」


「確かあの遺跡にはかなりの罠を仕掛けて置いたはずだし。もし、最深部まで行けても俺やデモクレスしか開けられない扉が待っているし、無理だろう。」


「あの人達ちょっと可哀想ね。」


「ああ、だからその扉の前に宝箱を用意しておいた筈だ。」


そして俺達は遺跡の内部に入る。

中にも人は結構いた。しかし、遺跡の奥に行くためには転移扉を抜けて様々な罠を攻略する必要がある。


しかもこの転移扉は特別で、一つ一つのグループごとに罠の種類が違う空間に転移させられるのだ。

と言う事は、前のグループの罠に対する対策とかを真似る事は出来なくなり、全て自分達で見つけなければならない。


そして、罠に引っ掛かれば後ろにあるトンネルのような所まで帰ってくる。


丁度、今も一つのグループがトンネルから帰ってきた。

大量に汗をかいているから、大岩の罠にでも引っ掛かって来たな。あれは俺達が作ったから、大岩にほとんどの魔法を打ち消す魔法を掛けてある。


結構苦しめられるだろう。

昔の部下にもやらせたが、大岩の罠だけは攻略出来なかった。


帰ってきた部下は

「何であの岩破壊出来ないのですか?」


「だってあれは俺が打ち消しの魔法掛けたもん。」


「「「魔王様それはもう詰みです。」」」


とか言われたな。懐かしい。と言っても大岩を破壊しない攻略の仕方もあったのにな。


「よし、じゃあ街の探索でも行くか。」


「え?いいの?遺跡に行かなくて。」


「そうよ、アラン。せっかくだし見てみれば?」


「大丈夫だ。この遺跡の罠は大体俺とデモクレスが作ったんだ。大体把握してるし。」


そう言って俺は踵を返して街の探索に向かう。

俺の言葉に納得したのか、二人も着いてくる。


街の中心部まで戻って来た。そこは、噴水があった。よし、ここなら別れてもすぐに集まれるな。


「よし、これからは各自自由行動でいいぞ。」


「うん、わかった。」

「分かりましたわ。」


俺はちょっと行きたかった場所へ行く。

すると、二人も何故か俺の後ろを着いてきた。


「え?ちょ、自由行動だよ。」


「「勿論」」


と言って二人は頷く。

話を聞くと、特に行きたい所はなくアランの行ってみたい場所が気になるらしい。

別にそんな凄い場所じゃないぞ。


「それでもいいよ」

「大丈夫です」


おお、そこまで言うなら分かった。

本当にそこまでな場所じゃないのにな。そうして、俺は行きたい店まで歩き始めた。


たどり着いた先は古い本や昔の時代にあった物を扱う店だ。

俺は早速店内に入る。店員はおばあちゃん一人だった。


まぁこんな古い物を扱う店はあまり儲からなそうだし、無理もないか。


「おお、いらっしゃい。こんな古びた物を買いに来るとは珍しい。」


「どうも。」


俺は辺りを見渡す。

レイナやリースも俺と同じように見渡す。


実はここには、物凄い魔力を放っている物があるんだが二人はまだ気がつかないか。

でもまぁそれが普通か。この魔力は強すぎて、魔力を感じる肌が一時的に麻痺されている。


昔の時代ならば、この魔力に気がつく奴はかなりいたが今ではもうあんまりいないだろうな。


そして俺は壁に立て掛けてあった所々錆びて茶色くなった黒い剣を手に取る。

すると、店員のおばあちゃんは驚いて


「ほう、お前さん。その剣が欲しいのかい?」


「ああ、勿論。この剣だ。」


「やめておいたほうがいい。その剣は使い手を選ぶ。その使い手に選ばれなかった者はみな、呪われたように精神を病んでしまう。」


「大丈夫だ。俺がその使い手だからな。」


だってコレ、俺の剣だもん。

俺がまだ魔王だった時代、俺がよく使うのは<零の弾丸(エンドオブゼロ)>だけじゃなかった。


あれは遠距離だし相手が剣で戦うとなった時、銃じゃろくに戦えない。特に勇者と戦う時とかな。

そう言う事で、見つけたのがこの剣リエスベスタだ。


確かにこの剣は使い手を選んだっけ。

俺が昔この剣を見つけた時も、店員に「それはいわく付きじゃぞ」とか言われたっけ。


「ほう、そうかい。ならお代はいい。好きにしてやんな。」


「それはありがたい。ではもらっていく。」


「あっ、言い忘れてたけど。あんた夜、外に出るんじゃないよ。この辺には吸血鬼がいるらしいから。最近、その吸血鬼に襲われる被害が続出しているんだ。」


吸血鬼?


「分かった。気をつけよう。それじゃあな。」


そう言って俺はドアに手を掛ける。

すると、ある物が目に入った。


「アラン、どうしたの?」


「いや、これって。」


俺はドアの脇にあった物を手に取る。

それは古びた懐中時計だった。それは、古くなり過ぎてなかなか開かない。


「おばあさん、これって?」


「ああ、それは確か古の時代の魔族の一人が持っていたらしいけど、もう壊れて開かないからどうしようか迷っていたんだよ。良ければそれもあんたにあげるよ。見た所あんたには、それの使い方がわかっていそうだしね。」


「ふっ、おばあさん。お見通しって訳か。それじゃあコレも頂いて行く。」


そう言って俺は古びた懐中時計をもらって行った。

店の外へ行くと日は夕方になっており、夕焼けが三人を照らす。


さて、次はどうしよう。

そう考えていると、レイナとリースが古びた懐中時計をまじまじと見ていた。


「ん?どうしたんだ?」


「いや、これって明らかに壊れてるよね。だったらどうしてもらって来たの?」


「そうですよ。この懐中時計もう動きませんよね?」


「ああ、その事か。この懐中時計はな、俺の部下が作った最高傑作らしい。その効果は、時間に干渉するんだと。そいつは、いつもコレを持って来ては自慢していたよ。」


懐かしいな。本当にいつもいつも自慢してくるから、一度この懐中時計を壊してやろうかと思った位だ。


「「時間に干渉?」」


「そうだ。何でもコレは、時間に干渉して過去や未来に行ったり出来るらしいぞ。」


「「えー!?」」


なんだ?そんなに驚く事ではないと思うが。

昔も時間に干渉しようとする奴は結構いたぞ。でも、それを成功させたのはごく少数の魔族だったと思うが。


そうか。今では過去とか未来に干渉するって、本の中の物語くらいでしか見た事ないのか。


二人は凄い目で俺の持っている懐中時計を見つめる。

そんな見ても何も起こらないぞ。


「別にもうこの懐中時計は何も出来ない。千年も手入れされずに、放置してあるんだ。もうこの懐中時計は魔力切れだ。」


「はぁ、なんだ。」


「でも、それを分解してまた新しい時間に干渉する装置とか作れそうだよね。」


「おっ、リース。その通りだ。さすがの発想だが、コレの製作者の方が一枚上手だな。コレは、分解しようとすると爆発を起こすんだ。」


リースは「はぁ」とレイナと同じくため息をつく。

いやいや、そんなに落ち込む事か?そりゃ残念だと思うが.........てか、この空気はなんか俺が悪いみたいになってるけど。


俺が悪いのか?


「と言うか二人とも、宿ってどうするんだ?まさか、取ってないとか?」


するとレイナは指を左右に動かしながら「ちっちっ」と言って


「そんな事ある訳ないじゃないか。ちゃんと取ってあるよ。と言ってもちゃんとした宿じゃないけど。」


「ちゃんとした宿じゃない?」


リースが顔を斜めに傾ける。


「どういう事だ?」


「私の友達がね、この近くに住んでいるのよ。それで、家が大きいし私達を泊めてくれるって。」


「そ、そうか。」


こうして俺達はレイナの道案内の元、ある洋館みたいな所にたどり着いた。

うーん。やっぱり何か見覚えがある。なんだったっけ?


まぁデモクレスと遺跡を作ってた時に、こういう場所をちょっと見た事があるとかそういう事だろう。


レイナは、洋館のチャイムを鳴らす。

ピンポーンと音が鳴り、ドアがカチャリと開いた。


「ア・ラ・ン・さま~!」


そう言ってドアから出てきてアランに抱きついたのは、長い黒髪を靡かせた少女だった。



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