レイナの実力テスト
今回のお話でレイナの実力が........
俺は今、街にある戦闘場へ来ている。
まぁまぁな広さを誇っていて、魔法とかの練習場としては充分だ。
「へぇー、こんな広い場所があるなんて知らなかった。」
「でしょ。私も街を彷徨いてる時に発見したのよ。ここなら、充分な広さでしょ?」
「そうだな。それじゃあ、やるか。」
俺とレイナは一定の距離を取る。
そしてレイナは、収納魔法から剣を取り出す。その剣は職人達が作ったと一目で分かるような、美しい剣をしていた。
やはり今も昔も、こういう職人は生きているのだな。
「ええ、始めましょう?」
何故こんな事になっているかと言うと今日の朝まで時間は巻き戻る。
「ねぇ、アラン。ちょっと私の練習相手になってよ。最近、ろくな練習してないのよ。だからお願い。」
レイナは両手を合わせ、「お願い!」のポーズを取る。
練習相手か。まぁ、あのリースとの戦いで俺が強い事を知ったからか。別に断る理由もないな。
「ああいいよ。と言うか、俺でいいの?魔法では相手になるかも知れないけど、剣の腕は最悪かもよ?」
「そんなのどうでもいいよ。あー良かった。それじゃあ、今すぐ行こう!もう予約とってあるし。」
「ん?分かった。」
予約はとってある?
まさか、俺が「いいよ」と言うのを知っていたのか?
いや違う。こいつは、知ってたんじゃない。言わせようとしていたのか。
恐らく、俺が「ごめん」とでも言えば、様々な手段を使ってでも俺に「yes 」と言わせただろう。
そして俺とレイナはこの街にあるという戦闘場へと味を運ぶのであった。
「ねぇ、アランはどんな剣を使うの?」
「んん?ああこれだ。」
俺は収納魔法の中から一降りの剣を取り出す。
その剣は黒く、それでいて何か惹き付けられるような容姿をしている。
これは、魔王だった頃によく使っていた剣の模造品だ。
なんか知らんが、「自分は魔王ファンです」とか言ってコレをくれた。
その剣があまりにもよく出来たので、収納魔法の中にしまってあった。昔は使う機会がなかったが、今なら丁度いいだろう。
レイナはその剣を「へぇー」と注意深く見る。そんなに見たって、大した物ではないんだがな。
「その剣、凄いね。付与魔法も結構掛けてあるみたいし。」
「そうか?」
「そうだよ。よっぽど、その剣を作った人は丁寧に愛情を込めて作ったのが見て取れる。」
あいつがねぇ~。
俺はこの剣の製作者の顔を思い浮かべる。確かにいい奴だったと思うが、ちょっとな。ちょっと魔王ファンが強すぎだったから、魔王軍でも少々嫌われていた。
その事を思い出す度に可哀想だなと思ってしまうな。
「それじゃあ、やるか?」
「やりましょう。」
とレイナが言った瞬間、レイナは凄い速度で向かって来た。
俺も最初はちょっと驚いた。だが、昔にはこの程度の人間や魔族はごろごろいた。でもこの時代にこの速度は結構凄いけどな。
レイナが横に剣を振るう。アランはしゃがんでその攻撃をかわし、レイナの腹目掛けて突きを繰り出す。
レイナは自分の体を横に反らし、アランの頭を蹴る。
アランは左手でレイナの足を止め、さらに剣を振るう。
カキンッと言う音をたてて、レイナの剣とアランの剣がぶつかる。単純な力ではアランが大きく上回ると思ったが、レイナもかなりの力を持っていた。
アランはその力に少し驚いた。
そして、その力を利用するように剣を下に流してレイナの剣を封じる。
「ふふっ、剣を封じればいいと思った?」
「ん?」
その時ばかりは意表を突かれた。
レイナは剣を封じられた途端、アランの顔面をグーで殴ったのだ。
でもその場でアランは堪える。するとレイナは下の剣を取り、アランに向けて一閃した。
だがその時にはアランも剣で攻撃を受け止める。
そしてアランは一旦距離を取ろうと剣を横に振り、後ろに後退する。だがレイナはそんな事を許すことなく、アランを一方的に斬りつける。
おいおい、レイナ凄いな。
俺が意表を突かれるなんて、勇者との戦いくらいな物だ。まぁでも転生してあまり剣を使わなかったから鈍くなっていることもあるんだろう。
あーあ、ちゃんと練習しとくんだったな。
「アランって何でも出来るんだね。私の攻撃をここまで受け止めるなんて、久しぶりだよ。」
「おお、それはありがたいお言葉だな。やっぱりレイナってこの世界でも結構強い方だろう?」
「あら、お世辞?」
「いやいや、お世辞抜きに強い。」
本当だ。
こんな奴がもし昔にいたら、勇者と戦わせてみたい。
「ふふっ、ありがと。でも手は抜かないよ。」
レイナは、一旦後ろに後退する。
その隙をアランは剣で攻撃するが、レイナは難なく捌く。そして、二人はお互いに剣を押し合う形になった。
アランは剣に力を込める。するとレイナも押し返すように力を込める。
今度はレイナが左手を剣から離し、アランに向けてきた。
あっ、まずい。
アランは剣を離し<魔法障壁>を発動させる。
「よくわかったね。<前方爆散>」
レイナが魔法を唱えると、前方に大きな爆発がまき起こった。
アランは爆風で少し後退する。アランがちょっとでも気づくのが遅かったら、直撃していただろう。
その後、アランとレイナは一進一退の攻防を繰り返していた。
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「ふぅー、今日はここまでにしとこうか。」
「おお、そうか。わかった。」
二人は収納魔法に剣を収める。
ん、もう昼か。案外早かったな。まぁ結構集中していたしていたからと言うのもあるんだろう。
「はぁ、汗かいちゃった。アラン、帰る前にシャワー浴びない?ここには、そういう施設も備え付けてあるからアランもよって行けば?」
「そうだな。ちょっくら浴びるか。」
俺はシャワールームへと行く。
シャワールームは、個室のような感じをしていて男女関係無く入れるような構造をしている。
これいいのか?
仕切りがあるとは言え、これは覗こうと思えば覗けるぞ。まぁ、俺はそんな事しないけど気になるな。こういう所で犯罪を防げるか決まるから今度デモクレスにでも言ってみるか。
そんな事を考えていると<思考伝達>が来た。
「まさか、覗こうとか考えてないよね?」
「え?」
すると、レイナが笑って
「え?まさか本当に考えてたの?うわ~アランって変態だったんだ。リースとかに言っちゃおう。」
「ちょ、ちょっと待て。これは違う。断じてそんないやらしい事を考えてた訳じゃない。ただ、こんな仕切りで犯罪とか起きなきゃいいなと、心配してたんだ。」
「つまり、自分が覗こうと思えば覗けるから心配してたんだね。やっぱり覗こうとしてない?」
「してないしてない。」
「ふーん。まぁいいけど。お先に上がるね。」
レイナはそう残し、<思考伝達>を切る。
ふぅ、一体どういう事だ?まるで俺の思考を読んでたぞアレ。いつの時代も女の勘は鋭いんだと自覚されたなこりゃ。
昔もレイナみたいな奴がいたな。
あれは本当に気遣いも完璧だったし、凄かった。俺がいなくなった後、どうしたか聞かなかったが聞けば良かった。
俺はシャワーを浴び終わり外へ出る。
ドアの前でシャワーに入って、まだ髪が濡れているレイナが待っていた。
「悪い、遅くなったな。」
「別にそれくらい何も言わなくていいわよ。それじゃあ行きましょう?」
「そうだな。」
俺達は家へと帰る。
だが、その途中レイナから放たれるいい匂いにちょっと顔を紅潮アランだった。
是非とも評価をお願いします。




