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親睦のデート 

俺は家まで帰る。


扉を開けた先に待っていたのは、レイナとリースだった。

俺が帰るのを知ると、リースは目を細めて睨んで来た。


「どういうわけよ。どうしてレイナがいるの?」


「だから、言ったじゃない。居候だよ。」


なにやら女子二人が揉めているけど、こういう時って男子は入りづらいよな。

さすがの元魔王とて、一応男子だ。


「ま、まぁまぁ。落ち着いてリース。と言うか、何でリースがここに?」


「なによ!従者だからに決まっているでしょ。住むの、ここに!」


ああ、そういう事か。

いつも家では、レイナといつも二人っ切りで気まずい時があるから良かった。


と言うかいいのか?

リースって、何処かのご令嬢とかじゃないのか?


「いいのか?ここに住んで?」


「当たり前よ。両親にもちゃんと許可とってあるし。」


「ああそうか。」


よく、両親許可したな。

普通に考えて、少しは抵抗とかしなかったのか不思議だ。この時代だと別になんとも思わないのか?




そんなこんなで、家にリースが住む事になった。

それはいい。だが、ここからの出来事が問題なのだ。


有ろう事か、レイナが食事中、


「ねぇ、明日さぁ。リースと二人でデートでもして来たら?」


とレイナがニヤリとして提案してきたのだ。

そしてその言葉にリースは、少し考えて結論を出したのかテーブルを叩き


「そうね、アラン!明日デートしましょう!」


と言う事になり、次の日、俺はリースとデートする事になった。


おいおい、俺は今までデートした事一回もないぞ。今まで、恋人と言う奴は.......いないことはないが、この話しはやめておこう。いずれみんなにも紹介する事になると思うが。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「それじゃあ、いってらっしゃい。頑張ってね~」


「行ってくる。」

「行ってきますわ。」


まったく、何が「頑張ってね~」だ。

絶対あれは、俺が慌てるのを楽しんで見るタイプだな。まったく、性格が悪いなぁ。


そして俺は、初デートをする事にした。


「ん~。まずは定番のお店巡りかな。」


「確かに。こことか?」


俺は適当な店を指差す。そこは、服屋だった。

リースは少し意外な表情を浮かべる。


「ええ、そうね。入りましょ。」


俺達は店に入る。

へぇ、色々な種類があるな。


俺も、学園以外で着る服が欲しかった所だし俺も買うか。

リースは店の中を見渡して服を見ている。


さすが女の子だな。楽しそうだ。

すると、リースが白いワンピースを手に取り自分に当てる。


「どう?似合う?」


「似合ってるよ。」


リースは一瞬、疑うように目を細めたが、アランの言った事が嘘ではないのを知り、笑顔になって


「ならよし。店員さーん。これくださーい。」


「いいのか?そんな直結に決めて?」


「もちろん。だってアランが言うんだもの。」


正直に言うと、ドキッとした。

これが、本に伝わる胸キュンと言う奴か?


魔王だって、女の子に弱いのは当たり前だ。

だって男だもの。


リースは、早速買ったワンピースを、その場で着た。

俺の服は......もういいか。こんなに嬉しそうだし、邪魔するのも不粋か。


外へ出た俺達は、周りの視線をもろに食らった。

まぁ、理由は分かるだろう。リースがワンピースに着替えた事で、よりいっそう可愛く見えるのが理由だ。


「じゃあ、次は何処に行く?」


「ん~次か。」


まずいな。

デートする時のプランとか、考えて来なかったし。


さっきは、適当に言った店がたまたま服屋だったから良かったものの、魔王だった俺はそういう知識が無いに等しい。


リースが、ちょっとした上目遣いでアランを見る。


「じゃあさ、ちょっと私用に付き合ってくれない?」


「うん。いいよ。」


リースに連れてかれた場所は、本屋だった。

この時代の本屋は、昔と比べて品揃えがいい。


何しろ、今は紙があれば、どんな人でも出版が出来るからだ。

まぁ、その分、玉石混合だがな。


店の中へ入ったリースは、一目散にある場所へ向かい出す。

リースが手に取ったのは「魔王の伝説」と言う本だった。


これは、魔王の過去や伝説、してきた行いなどを書いてある本で、かなり魔族から人気がある有名な本らしい。

俺のした事を書いてあるから、一度読んだ事があるが、凄かった。


ちゃんと細かく正確に書いてあったのだ。

普通なら、嘘の話しくらいあると思ったが、まったく無かった。


「その本、好きなのか?」


「うん。だってあの魔王の物語なのよ。全ての魔族を束ねし王。神はその存在を恐れ、人々は恐怖し、魔族は尊敬した。我ら魔族の長よ。会ってみたいわね。多分、今の時代に転生してるらしいから。」


そんな褒められると嬉しいな。

でも、リースはその願いが叶っているのを知らない。


「おお、そうか。もしかしたら、もう会っているかも知れないぞ。実は近くにいたりして。」


「そんな訳ないでしょ。居たら、その魔力で魔王の部下が、発見してるもの。」


「そうだな。」


「そうよ。」


実際は、隠しているんだがな。

魔王クラスになると、魔力を隠すなんて普通だ。そうでなければ、すぐ魔王だとバレてしまう。


そんな魔力を剥き出しにする時は、戦争の時くらいだ。

戦争の時は、より相手をひびらせておいた方が、こちら側に物事が運ぶ。戦の常識だぞ


リースはその本を買う。

新刊か?俺の事が書いてあるし、少しばかり興味あるし、読んでみたいな。


「ありがとうございます。それじゃあ、アラン。行こっか。」


「次は何処に行こうか?あっ、あそこに行こう。前々から、行ってみたいとは思っていたんだよ。」


俺が指差したのは、ゲームセンターと言う店らしい。

なにやら、俺が転生する間に出来た娯楽施設なんだと。昔には、そんな店なかったから楽しみだったのだ。


「へぇー。アランが行ってみたいと言う程の店ではない気がするけど。意外だわ。」


「行ったことないし、楽しみだな。」


「え!?」


リースは驚いて、俺の顔を覗きこむ。

そんなに驚くことか?


「そんなに意外か?」


「意外よ。普通の人なら、一回は行った事あるわよ。」


リースは、ますますアランの事が気になった。

普通なら、一回は行った事があるゲームセンターを「行った事ない」と言うなんて、王族ならまだしも、リースでさえ行った事あるのだから。


そんな事を知らない魔王アランは、ウキウキした小学生のようにゲームセンターに入る。

楽しみにしていたアランが、最初に放った一言は


「でけぇ。」


そう。ゲームセンターは、かなりの広さで経営している。

そうでなければ、様々な種類のゲームが遊べないと言う、店長の意見が含まれているらしい。


右を見れば、銀色のコインを入れて子供が遊んでいる。

左を見れば、銃を持って男女二人が画面のゾンビを倒している。


凄いな。俺がいない内に、<画面>なる物が作られていたり、面白い。

俺が周りを見て感動していると、リースは笑って


「本当に来たこと無かったのね。それじゃあ、私が説明して上げるわ。まず、どっちに行く?」


「それじゃ、左で。」


リースは左にある、ゲームの前に移動する。

普通、こういうのって、男子が女子に説明する物だと一瞬思うが仕方がない。


知らないんだから。


「こっちにあるゲームは、本物のお金を入れて遊ぶ物よ。こんな風に」


そう言って、リースはお金をチャリンと機械に入れる。

始めたのは、さっき見つけたゾンビゲームだ。


リースは、まるで向かってくる方向が全て分かるように、次々と銃でゾンビを倒していく。

多分あれって相当やり込んでいるな。

銃の使い方と、手がスムーズに動いている。


パンパンッと打っているリースが、チラッとこちらを見て


「何してるの?あなたも、やりなさい。」


と言って、もう一つの銃をアランに投げ渡した。

確か、この画面にあるゾンビに向かって、銃のトリガーを引けばいいんだよな。


俺は、画面のゾンビに向かって銃のトリガーを引く。

隣のリースが「うわぁ」とアランの銃の使い方に驚いている。


それもそのはず、アランの銃の手さばきは何年も使用したようなプロの手さばきなのだ。


二人の協力プレイだからか、画面のゾンビも瞬殺し、ゾンビのボスも一分足らずで倒し終えた。


「あ、あなた。何よ、その銃の手さばき。尋常じゃないわね。私と同じ...........いや私以上だわ。どうして?」


「いや、そんな事ないよ。ただ単に小さい頃、結構銃とか好きだったからだ。よく言うだろ、男子は銃にロマンを感じるって。」


「はぁ、まぁ確かに。男子は銃とか好きそうだし。」


リースは、疑いながら納得したような顔をする。

頼む、無理やりでもいいから納得してくれ。本当に無理やりでいいから。


実際は魔王だった時に、銃をメインに使う機会があったからここまでプロのような感じになっただけなのだ。

たぶんこいつは、あの魔王について書いた本を見ているだろ?


そして、勘のいいこいつは「まさか魔王って?」と、今までの俺の戦いを思い出して勘づくだろう。


それでは困るのだ。

そんな事知れば、必然的に俺に対する態度が違くなる。


そして、その行為を元に、生徒達は「まさか?」と勘づくかも知れない。

まぁ、妄想のし過ぎだと思うが、否定出来ない。


よって、否定しなければ。


「そういう事。次は右の所行こっ」


「え、ああそうね。」


ふぅ、なんとかなったか?

そんな疑問を抱きつつ、俺はゲームセンターを満喫していった。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「結構楽しい場所だったな。また来ようかな?」


「ぷっ」


俺は、ゲームセンターから出て呟く。

ん?何で笑うんだ?


「どうした?なんか面白い所でもあったか?」


「いや、あんなに楽しそうに満喫してるから。今までのあなたとは思えない位に。」


「まぁそれくらい楽しい場所と言うことだな。」


「そうね。否定は出来ないわ。」


リースは頷く。

今、俺達は家に帰る所である。夕日がまぶしい


アランは、(今日の夕飯何だろう?)とか、考えていると、急にリースがアランの肩をトントンと叩く。


なんだ?

アランは後ろを振り返る。そこには、悲しそうな顔をするリースの姿があった。



魔王だって今は少年。

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