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女王様は最強の予定  作者: violet
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希望の始まり

精霊王はお腹がふくれると湖に消えて行った。


信じていいのか確証はないが、セシルの身体を大人にする希望があるならかけたい。

精霊王の言葉によれば、鏡の場所はわからないが、セシルが近くに行くことでセシルに何らかの変化があるだろう、といことなのだ。

「探しに行きたい。」

「私もだよ、セシルはこのままでは大人になれない。」

恋をすれば大人になると思っていた、だがセシルはずっと恋していたのだ。

心だけでなく身体も愛し合いたい、二人とも言葉にせずとも同じだ。

「宰相の仕事は引き継ぎをするよ、優秀な部下はすでに育っているからね。」

どうしてあの夜、セシルは大人になりかけたのか、雨だろうか、強い意志だろうか。



マクシミリアンが地図を広げ、魔界の外を指す。

「魔界にあるものならすでに見つかっているはずだ、人間界に行こうと思ってます。」

「マクシミリアン、危険だけどいいの?一緒に来てくれるの?」

「一緒に行きたいんです。」

セシルがマクシミリアンに抱きつく、魔王と宰相のカップルは魔界では魔力が飛び抜けている。

なのにセシルの魔力が実用性がないのも呪いのせいなんだろうか。




1ヶ月後、セシルとマクシミリアンは仕事の引き継ぎを終え、人間界に旅立った。

魔界では勇者が来る意外、何百年も平和だったので宰相の引き継ぎなのに時間がかからなかった。

魔界の馬にセシルを前に乗せ、後ろから手綱を持つマクシミリアン、荷物は魔術で小さなバッグに入っている。

「人間界では、できるだけ魔術は使わないようにしましょう。」

うんうん、と頷くセシルも魔族が嫌われているのは知っている。


マクシミリアンには、気になる事があった、セシルが大人にならないのをいいことにマクシミリアンに迫る女性がいたのだ。

マクシミリアンは公爵で宰相だ、魅力に溢れているように見えるのだろう。しかも婚約者の魔王は子供のまま大人になれない身体だ、奪えると思ったらしい。

あの女が何もしないはずがない。

魔物のような女、マクシミリアンが相手にしなくとも諦めない、きっと人間界に追ってくるだろう。



トアルコという国の王都に二人は来ていた。

飯屋で情報を集める。

「私達の地方では、古い鏡を持って結婚する風習があるので探してます。」

「変わった風習だな、初めて聞いたよ。」

「王宮とか、古い商家の蔵にありそうだな、売ってくれるかはわからないが。」

「古い商家と言うと?」

「セイカ商店とか、ベッテル絹問屋とかありそうだぞ。」

マクシミリアンが頭の中にメモする。

幼児に見えるセシルを連れていると周りの警戒がない。

「それよりも、そのお嬢ちゃん気を付けな。綺麗な子だから狙われるよ。」

「何かあるのですか?」


王都では、幼児の行方不明が続いていると言う。

しかもブロンドの女の子ばかり、身代金を求められる事もなく、もう5人程拐われているらしい。

「魔族って奴はとんでもないよな。」

「子供の生き血を好むらしい。」

「俺は魔族ってのは子供でも犯されると聞いたぞ。」

何ですって!!!

濡れ衣!

話を聞いているセシルが怒りで目を吊り上げている。

マクシミリアンから念話がくる。

『ここで怒ってはダメですよ。もっと情報を探りましょう。』

『わかった、でも魔族のせいにされて黙ってなんかいないわよ!』

『もちろんですよ、我が女王陛下。』



宿の部屋でマクシミリアンとセシルが話し合っていた。

「本当に何でも魔族のせいにされるのね。」

「それが、ずっとじゃ魔族はいつまでも悪者だ。」

「魔族の名誉の為に冤罪は晴らします!」

「そう言うと思ってたよ、セシル。」

女の子は可愛いと評判の子供ばかりで、いつの間にか居なくなるらしい。

外だけでなく部屋から居なくなることもあったので、魔族のせいと言われている。

「複数犯だわよね。」

「身代金要求がないということは、人身売買の可能性が高い。

世の中には幼児を好む変態もいるらしい。

私のようなね。」

マクシミリアンがセシルにキスしながら囁く。

「これは合意よ。」

セシルの腕がマクシミリアンの首に回され身体が密着する。

残念すぎる、これで何故に幼児体型。

セシルの身体を壊すわけにはいかない、マクシミリアンの忍耐力が鍛えられる。


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